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本 ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784344043138
作品紹介・あらすじ
切実な物語を誠実に描いた、その先にある救い。
軽率に手に取って、打ちのめされるこの感じ。
今もっとも読まれてほしい作家・古矢永塔子の勝負作!
——書評家・藤田香織氏、大推薦!!
「私が死ぬまでの一年間、くそみたいなこの世界に八つ当たりするのに付き合ってくれない?」
中高生に人気のベストセラー小説『君と、青宙遊泳』。それは、高校教師・卯之原朔也がかつて封印した物語に酷似していた。
今は亡き高校の同級生・日邑千陽と過ごした7年前の夏——あれは「僕たちだけの物語」だったはずなのに。
覆面作家ルリツグミの正体を探る卯之原の前に、当の本人が転校生として現われる。
「生まれ変わったら、深海魚になるのもいいよな」
愛とか死とか幸せとか、その言葉の本当の意味を僕たちはまだ知らなかった……。
乾ききった心を潤す、書き下ろし長篇小説。
感想・レビュー・書評
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表紙だけ見て、青春小説かなと思って読み始めたら、途中まである事件の加害者の男を彷彿とさせる主人公の一人称で、事件を思い出しなかなか読み進めるのが辛かった。
最終的には青春小説でホッとして読了 -
古矢永塔子『夜しか泳げなかった』
2024年 幻冬舎
こちらは完全にタイトルとジャケ買い。
書店に行くたびに手に取っていたのですが、積読が250冊くらいあるしと思い直していました。でも5度目くらいかな。こんなにもこの装丁とタイトルに惹かれるのなら今読まないと!と思い購入しました。
イメージしていた内容とは違ったのですが、おもしろい切り口と構成でした。そして切なさと思春期の強がりというか生き様、そして病が描かれていました。
物語内の小説と現在とがシンクロしながらの展開もよかったです。
これでやっと深海の海から抜け出し、明るい海を泳いで行けるのだろうと。
#古矢永塔子
#夜しか泳げなかった
#幻冬舎
#読了 -
Amazonの紹介より
「私が死ぬまでの一年間、くそみたいなこの世界に八つ当たりするのに付き合ってくれない?」
中高生に人気のベストセラー小説『君と、青宙遊泳』。それは、高校教師・卯之原朔也がかつて封印した物語に酷似していた。今は亡き高校の同級生・日邑千陽と過ごした7年前の夏——あれは「僕たちだけの物語」だったはずなのに。
覆面作家ルリツグミの正体を探る卯之原の前に、当の本人が転校生として現われる。
「生まれ変わったら、深海魚になるのもいいよな」
愛とか死とか幸せとか、その言葉の本当の意味を僕たちはまだ知らなかった……。
乾ききった心を潤す、書き下ろし長篇小説。
大人気小説が自分の物語と酷似していたというなんとも興味をそそる内容で面白かったです。
なぜ作家が、自分の物語を知っているのか?はたまた、なぜ物語に出てくる同級生が謎の死を遂げたのか?といったミステリーな内容も登場し、探っていくので、一筋縄ではいかない展開に、興味をそそります。
ただ、丁寧に描いている分、ちょっとだるくも感じました。
時折、過去に遡って、同級生との物語を描いているのですが、ゆっくりと時間が流れていくようで、早く知りたい自分にとっては、なかなか前に進んでくれない焦ったさもあるように感じました。
ただ、まるで深海を漂うような、気持ち暗めな雰囲気でしたが、真相が明らかになると切ないけれども優しい気持ちになれました。
主人公と作家、出会ったことで相反する反応を見せ、そこから物語に登場するヒロインを深堀していきます。
それぞれが思うヒロインの印象を通じて、ヒロインが本当に思っていたことや事実が明らかになっていきます。
純粋が故に、主人公が思い描く物語が剥がれ落ちてゆく心の葛藤が垣間見れて、読み応えがありました。
最終的に、ヒロインの謎の死の真相が明らかになるのですが、ジーンときてしまいました。
やはり、愛されて傷んだことに安心と後悔、切なさなど入り混じった気持ちになり、もう複雑な心境でした。
そういった事を乗り越えて、主人公と作家の掛け合いに、今まで深海を駆け抜けていた分、光が射したようで、段々と明るさがきて、心も穏やかになっていきました。 -
普通に面白かった。
最初、話が見えなくて、殺人鬼か変な妄想癖のある男の人の話かと思って焦った。
ネタバレ
誰も知らないはずの自分の過去の体験(夜だけ遊ぶ仲の同級生が病気で亡くなる)が、第三者によって美化されて小説として世に発表される話。
売る -
『七度笑えば、恋の味』
『今夜、ぬか漬けスナックで』
『ずっとそこにいるつもり?』
と連続して面白い作品を生み続けている古矢永さんの最新作は、過去作とは趣が異なるミステリー要素を含んだ作品。
高校教師・卯之原朔也が、ふとしたきっかけで手にした中高生に人気のベストセラー小説「君と、青宙遊泳」。
そこには自分が経験し封印していた物語が綴られていた。
卯之原の元に転校生として現れた覆面作家ルリツグミの正体は?
不穏な幕開けだが、物語は予想だにしない方向に転がり始めた。
作中作で描かれなかった真実を知ると切なさに打ちのめされる。 -
謎が次々と湧いてきて、謎解き小説を読んでるみたいな感覚だった。
40万部のベストセラー本が主人公の過去そのものな内容なのはなぜなのか、日邑はなぜ岡山に行こうとしていたのか、日邑がホームに落としたものとはなんだったのか。
妻鳥の知る誇り高く清廉な日邑が何もかも巨像だったことがわかるあたり、もう何も暴かないでやって…といたたまれない気持ちになった。
どこにも居場所がなくてネットで知り合った年下の子にええかっこして綺麗なように話を盛るくらい、罪じゃないでしょう…
本当の日邑を知りたいという純粋な欲求は皮肉にも本当の日邑が言っていた「生きる人間のための養分」にするための行動にしか見えなくてグロかったな。
でもそのおかげで看護師さんから最期の情報を得られたんだから、やっぱりこの「日邑を知りたい」という旅路は無駄ではなかったのかなあ。
最後に明かされた、日邑と妻鳥の本当の出会いは恐れ入った!一杯食わされた気分!そりゃそんな美しい奇跡的な出会いなわけねーよなー!
古矢永塔子の作品





