ひまわり

  • 幻冬舎 (2024年11月13日発売)
4.37
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本 ・本 (490ページ) / ISBN・EAN: 9784344043541

作品紹介・あらすじ

ある日事故に遭い、頚髄を損傷してしまったひまり。
リハビリを続けるも復職の夢は潰え、一念発起して弁護士を目指す。

鉛筆も握れず、六法全書も開けない。
言葉のみを味方に、果たして司法試験を突破できるのか?
「言葉は私の最後の砦。
言葉がある限り、私たちはつながれる」

おしゃべりと食べることが大好きな33歳のひまりはある夏の日、出張帰りに交通事故に遭い、頸髄を損傷してしまう。意識は明瞭。だけど、身体だけが動かない。過酷なリハビリを続けるも突きつけられたのは厳しい現実だった。「復職は約束できない。できればこのまま退職してほしい」。途方に暮れ、役所で就労支援の相談をすると、すすめられたのは生活保護の申請。
私は人の役に立てるのに、どうしてその力を発揮させてもらえないのーー?
ひまりは自立を目指し司法試験受験を決意する。思い通りにならない身体でロースクールに通い始めるが、次々と壁が立ちはだかり……。

落涙必至の、人生応援小説。

感想・レビュー・書評

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  • こちらの作品、初読みの新川帆立さん著。
    ブク友さんたちのレビューと評価がとんでもなく高かったので手に取り読ませていただきました。とても良質で且つセンシティブな内容の小説でしたので、じっくりと時間をかけて堪能させていただきましたが、もーの凄く良かった。こんなにも心打たれる作品は本当に数少ないです。読み終えてみて、恥ずかしながら自身が持っていたハンディキャップの方に対する見方を猛省するとともに、人生観についても考えさせられました。
    物語の主人公となる『ひまり』さん。カッコいいなぁ。名前が人を形成するとはよく言ったもので、ひだまりの様なそしてひまわりの様な優しくて穏やかで強くてエネルギッシュな人。
    やれば出来るっていうレベルじゃ収まり切らない話かも知れませんが、前向きにさせてくれる小説でした。
    そして真鍋先生には何度も泣かされました。思い出しただけでもダメ。素敵過ぎる。
    何でこの作品本屋大賞ノミネートされなかったんでしょうかね?でもまぁ読書していてこういう作品に出会えるのは本当に幸せですね♪これは読んだ方が絶対良いです!

  •  駅の構内を移動し、ホームにきたとき、かすかな違和感を覚えた。
     すれ違う人たちが、どことなく私たちを意識しながらも、目をそらすのだ。不自然に下を向いたり、横を向いたりする人もいれば、正面を向いているのに焦点をこちらに決して合わせない人もいる。
     かといってぶつかるわけではない。むしろ人波はさっと割れて、悠々と進める。(66p)

    脊髄損傷で肩から下が動かない34歳のひまりは、車椅子で初めて外出した。そしてこの事に気がついて心底落ち込んで仕舞う。健常者は障害者と対面する時、自分が試されているような気持ちになるのだろう、とひまりは分析する。善人か、悪人か。確かにストレスだよね。あからさまに避けると、それも差別的か。ならば気がついてない、目に入ってない「ふり」をする。でも、それも障害者には「あからさま」なのである。日常、あまりにも多いことだ。そういえば、自分もそうやっていたと思い当たる。

    そうか、これからは普通に前を向こう。普通に「目に入るよう」にしよう、と芯から思った。それは障害者だけのことじゃない。最近似たようなことで、自分自身が傷ついている。長くなるので省略する。


    ひまりは弁護士になるためのロースクールに入ったあと、司法試験では音声入力ソフトが使えないという事実に直面する。そのために、わざわざ予備試験を受けて、ソフトが使えないと試験そのものを受けられないことを試験官に見せつける作戦をとる。ヒアリングがあった時ちゃんと証言してくれますか?と迫ると、試験官は
    「仮定の質問には答えられません」(348p)
    と冷たい返事をするだけだった。

    この「冷たい返事」を、私はつい最近聴いた。ある「交渉」の場である。この木で鼻をくくったような回答に、私は大いに怒ったが、それ以上の回答は得られなかった。この本を読んで、私にも至らない所があったと大いに反省した。

    先輩弁護士はひまりにこうアドバイスする。
    「相手の理解しやすい言い方で、相手が受け入れやすい状況に誘導して、落とし所を探る。それが交渉です。相手には相手の理屈がある。生易しくはありません。でもあなたならできる。言葉のプロとして、言葉の力を信じなさい」(350p)

    そうか、私は相手の痛い所を突いて、相手を打ち負かそうとしていた。私は何十年も長い間、それが「交渉」だと思っていた。実際にはそれで幾度か「成果」は得ていた。「負けた」ことも幾度もあった。でも、それだけのやり方で良かったのか?ひまりといろいろ違うところはあるけれども、私は基本的に戦術を間違っていたのかもしれない、と初めて思った。そうだよね、言葉には力がある。

    脊髄損傷事故に遭いながら、弁護士になった1人の女性の7年間を通じて、大切なことを学ばせてもらった「小説」だった。
    第358回ひまわり大賞受賞後、5ヶ月経ってやっと読めた。ひまわりめろんさんに感謝。

    • kuma0504さん
      今年のひまわり大賞はどういう作品になるんだろ。
      つくづく本屋大賞逃したのは、惜しかった。
      編集部は作戦を間違ったのか。
      今年のひまわり大賞はどういう作品になるんだろ。
      つくづく本屋大賞逃したのは、惜しかった。
      編集部は作戦を間違ったのか。
      2025/04/27
    • bmakiさん
      くまさんの交渉能力は凄いのだろうなぁと感じます。知識のある人の発する言葉は、きっと正しいのだろうと信じさせる何かがあるので。

      同じ本を...
      くまさんの交渉能力は凄いのだろうなぁと感じます。知識のある人の発する言葉は、きっと正しいのだろうと信じさせる何かがあるので。

      同じ本を読んでも、同じことを思っても、表現の重みが全然違うなぁ〜と、いつも感心してしまいます(*^^*)
      2025/04/28
    • kuma0504さん
      マキさん、
      あんまり詳しくは書けないのですが、
      今回は我ながら相手をある程度追い詰めたと思っていたんです。
      でも蓋を開けると、なんかひとり相...
      マキさん、
      あんまり詳しくは書けないのですが、
      今回は我ながら相手をある程度追い詰めたと思っていたんです。
      でも蓋を開けると、なんかひとり相撲やったようになってしまった。
      多分ね、
      「何発言してるんだ」と見られていると思います。
      >知識のある人の発する言葉は、きっと正しいのだろうと信じさせる何かがあるので
      多分、全然違う‥‥
      2025/04/28
  • 商社の総合職でバリバリ働いていた朝宮ひまりが、交通事故に遭い脊髄損傷者となり首から下が動かなくなります。
    それでも懸命にリハビリをして、勉強をして、弁護士になるまでのお話です。

    夢のある話だとは思いました。
    ひまりはものすごい根性があって努力もしたけど、こんな人本当にいるのかと思いました。
    健常者であっても弁護士になるのは難しいですよね。

    作者の新川帆立さんはこの小説の主人公のように障害を持ちながら弁護士になった方はいるけど、モデルにしたわけではなく「モデル小説ではない」と書かれています。

    エピローグを読む前に私はこれは夢物語で本当の障害者でひまり程働ける人はめったにいないと思う、この話は「夢物語」と私はレビューに書こうと思って読んでいました。
    そしたらエピローグで私の考えていたことを代弁するかのようなことを言う18歳の高校三年生の障害者の翔太君が登場しました。
    新川帆立さん、賢いな~と思いました。


    なんで私がそういう感想を書こうと思ったのか。
    ブクログのコメント欄では何度か書いたことがありますが私は障害者なんです。障害者手帳もちゃんと持っています。
    若いころはちゃんと働いていました。
    新卒の時は業界最大手の某保険会社の本社に入り新宿のNSビルに出勤していました。
    でも病気になって辞め、それからも再就職は何度かしたのですが、するたびに病気が増えていきました。
    かかっていた病院の先生が見かねて診断書を書いてくれました。私はもう働くことができないから障害者の道を選びました。障害年金を受給しています。
    この物語のひまりとは逆なのです。
    ひまりの物語は私にはまぶしすぎる光でした。

    ここ、半年くらい前から服用していた薬の薬害で、自転車にも怖くて乗れなくなりました。
    主治医からは「あきらめてください」と言われました。

    • まことさん
      くるたんさん、おはようございます♪
      あたたかいコメントありがとうございます。
      私もくるたんさんとは、ブクログを始めた2018年以来のお付...
      くるたんさん、おはようございます♪
      あたたかいコメントありがとうございます。
      私もくるたんさんとは、ブクログを始めた2018年以来のお付き合いをさせていただき、とても嬉しいです。
      面白い本もたくさん教えていただきましたよね。
      図書館へは以前はずっと自転車で通っていましたが、ここ数年は実はタクシーで通っています。タクシー代は往復で単行本一冊くらいなので、まとめて数冊借りられれば元がとれるかんじかな。
      図書館の近くの公園に桜並木がたくさんあるので、今日は母を連れて行ってお花見してこようと思っています。
      2025/04/18
    • まいけるさん
      まいけるです。
      まことさんのレビューを拝読して
      まことさんの言葉の重みを噛みしめています。
      今日もまことさんを思い出しながら
      俵万智さんの歌...
      まいけるです。
      まことさんのレビューを拝読して
      まことさんの言葉の重みを噛みしめています。
      今日もまことさんを思い出しながら
      俵万智さんの歌集を読み
      谷川俊太郎さんと俵万智さんの対談を読みました。
      もちろんまことさんのレビューも拝読しました。
      これからもまことさんから
      たくさんの刺激をいただいて
      読書を楽しんでいきます。
      改めてよろしくお願いします。
      2025/04/18
    • まことさん
      まいけるさん、こんばんは♪
      あたたかいコメントありがとうございます。
      嬉しいです。
      障害のことは、レビューに書くか書かないか、迷ったのですが...
      まいけるさん、こんばんは♪
      あたたかいコメントありがとうございます。
      嬉しいです。
      障害のことは、レビューに書くか書かないか、迷ったのですが。
      決心して書きました。
      障害者と書いたら、なんか重くるしくなって友だち減るんじゃないかと思ってしまって。
      でも、ここにコメントくださった方のあたたかい気持ちとても、ありがたく思います。
      こちらこそよろしくお願いいたします。
      2025/04/18
  • 言わずと知れた、第358回ひまわり大賞受賞作!
    (え?ご存知ない??ひまわりめろんさんのレビューをご覧ください m(_ _)m)


    なかなか書店に行ける時間が取れず、読むのが遅くなってしまいました m(_ _)m
    読みたくてうずうずしておりました。

    磐田のショッピングモールにテナントで書店が入っていた為この本を探すも、見つからず(-。-;

    あれ??
    平積みされてないの??
    あちこち探して諦めかけた時、一冊だけ見つけましたー(*´꒳`*)

    交通事故で頸髄損傷し、四肢麻痺となったひまりが、弁護士を目指すというストーリー。

    私の娘は理学療法士で、麻痺の人のリハビリなど、よく聞いていた為、色々想像が膨らんだ。
    麻痺の状態など、読んでもわかりにくいところは娘に聞いてみたり。

    顔が痒くても、かくことも出来ないなんて、どれだけ不自由なのだろう。。。
    想像も出来ないような不自由さだろう。

    この物語に凄く引き込まれるのは、ひまりの性格なのかもしれない。
    ひまりの周りの人もみんな素敵。
    特にヒカリの存在は心強いなぁと思った。

    結末も最高に良くて、ボロボロ泣いてしまった。゚(゚´ω`゚)゚。

    ひまわり大賞獲得できるわけです!
    ★5個しかつけられませんが、10個くらいつけたい本でした♪

    師匠、毎回素敵な本を紹介して下さり、ありがとうございます m(_ _)m

    • ひまわりめろんさん
      真相はひまわり大賞受賞で売り切れ店続出!です(*´ω`*)
      真相はひまわり大賞受賞で売り切れ店続出!です(*´ω`*)
      2025/01/13
    • bmakiさん
      あおいさん

      磐田の小さい書店だったからなのでしょうか?それともその書店の方、本読んでないのかなぁ?
      私だったら、大々的に仕入れて、平...
      あおいさん

      磐田の小さい書店だったからなのでしょうか?それともその書店の方、本読んでないのかなぁ?
      私だったら、大々的に仕入れて、平積みでポップ書いて売りまくりますけど(笑)

      長編なので、順番回ってくるまで時間がかかってしまうのかもですが、楽しみに待っていてください♪♪
      2025/01/13
    • bmakiさん
      ひま師匠

      あー!そうかもしれません!
      ひまわり大賞受賞作はみなさん気になっているでしょうから、あっという間に売り切れてしまって、重版...
      ひま師匠

      あー!そうかもしれません!
      ひまわり大賞受賞作はみなさん気になっているでしょうから、あっという間に売り切れてしまって、重版かかっている頃かもしれないですね!(๑>◡<๑)
      2025/01/13
  • 超★5 自分に限界を感じて諦めていませんか? わずかな光を頼りに #ひまわり のように生きませんか

    ■あらすじ
    商社で働いていた朝宮ひまりは交通事故にあい、全身四肢麻痺の障害を負ってしまった。リハビリを続けるも復職の道を断たれ、幼馴染のすすめで弁護士を目指すことになる。身体的な課題やはもちろん、様々な試練が待ち受けることになるのだが…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    超★5 これもう、そのまま朝ドラでいいなー

    親切丁寧、わかりやすい構成と文章。テーマもシンプルだけど深く細かい部分までしっかりと描かれている。頑張ってる人間、輝いてる女性を書かせたら、もう新川帆立先生は国内トップレベルですね。ストーリーもエンタメ小説として完成形じゃないですか、めっちゃ面白かったです。

    ○24時間要介護の現実
    四肢麻痺の障害がある人がいるのは知ってますが、そのリアルな日常を知ることは少ない。介護のプロが何となしてくれてる、本人も頑張ってるはずといった漂白された知識や情報しか見ようとしないから。

    ・麻痺があるところは当然動かせない。しかし感覚がないのではなく、しびれなどの鈍痛は常にある。
    ・なんとなく鼻を触ったり、頭をかくことすらできない。ちょっとした不愉快も回避できない。
    ・食事はもちろん、排せつすら自分でできない。むしろ手伝ってもらわないとすぐに死に直結する。
    ・どんなに絶望しても、自殺すら自分ひとりではできない。

    まずは正しく知ることが大切なんですよね。勉強になりました。そして世の中にはこんな困難な病気がいっぱいありますが、我々は飽くなき戦いを続けています。人類の挑戦、人間の可能性の壮大さに、すっかり打ちのめされました。

    ○人生なんて思い通りにいかない
    難しい司法試験なんて、六法みたり、メモもとれない状況で合格なんてできるの? なーんて思ってましたが、むしろ試験自体は大きな問題ではないんです。

    そもそも試験を受けさせてもらえない、優遇なんてない、補助すらしてくれない。公平性の観点からそんなのは当たり前なんです。世間は甘くなく、四肢麻痺の障害者に標準をあわせてくれない。

    ひまりは様々な試練をへこたれずにクリアしていくんですが、これが鬼アツなんですよ。誰もやったことのない新しい道を切り開いていくというのはこんなにも大変なんすね… 自分で作りあげてくってのがカッコ良すぎて痺れました。

    ○魅了たっぷりの登場人物
    もちろん主人公のひまりが一番惹かれるんですが、私が推したいのはヒカル。ひまりを一番近くで見ていた彼女の想いが爆発するシーン、目に焼き付いて忘れられません。人間が成長する瞬間って胸に熱いものがこみ上げてきますよね、涙ながらに読むのが大変でした。

    そしてもう一人、幼馴染のレオ。人とはちょっとズレてる感覚をもつクールな検察官。めっちゃ生真面目なお人好し、好感が持てる素敵なお兄さんでしたね。

    さて本作、フィクションではありますが、実際に四肢麻痺の障害を持ちながらも司法試験に合格した方がいらっしゃるそうです。人間にできないことなどないんだと、無限の可能性を感じました。

    いつもすぐに自分の限界を感じて、なんでも諦めてしまっていませんか? 私もすこしの光を頼りに諦めずに伸びていく「ひまわり」のように生きてみたいと思いました。

    ■私とこの本の対話
    自分が何のために仕事をしているか分からなくなる時がある。給料がもらえて、やりがいがあって、できれば社会に少しくらい貢献できたらいい。正直なところ、その程度のことしか考えられないのが実情ではないだろうか。

    しかし本作を読むと、自分が時間をつかってもやるべきことが見えてくる気がするんです。命を救いたいのか、人の笑顔や喜ぶ姿を見たいのか、困っている人の役に立ちたいのか。自分の中心にある価値観を確認させてくれる素敵な物語でした。

    • アールグレイさん
      あけましておめでとう
      ――ひまりの頑張りを読んで、
      私も もっとしっかりしないと
      なんて思いました( ^-^)
      あけましておめでとう
      ――ひまりの頑張りを読んで、
      私も もっとしっかりしないと
      なんて思いました( ^-^)
      2025/01/01
    • autumn522akiさん
      アールグレイさん、あめましておめでとう!
      いやー私もですよー。2025年、私も頑張ります^^
      アールグレイさん、あめましておめでとう!
      いやー私もですよー。2025年、私も頑張ります^^
      2025/01/02
  • 家の中で読んでいて、途中、一人になりたくて部屋に閉じこもりました。もちろん、思い切り涙を流したくて。
    この物語の主人公ひまりは、涙を自分で拭くこともできない。

    商社でバリバリ働くひまりは、事故に遭い頸髄を損傷し四肢麻痺となり首から下が動かせない状態。必死のリハビリの後、ハンデを負いながら司法試験に挑む。

    リハビリを始めたひまりは、とても前向きで、それこそひまわりの様なのです。そんな、キャンディキャンディみたいなお話なのかな、なんて思いながら読んでいると、あまり人を妬んだりせずに過ごしてきた今までの自分はきっと恵まれていたのだろうと、ひまりは気付いたりします。そして、辛いリハビリを経験してからは嫉妬する気持ち、不機嫌になる気持ちも理解していくのです。
    また、辛い思いをしながらも司法試験に挑むことができたのは、元々頭が良かったから、家庭環境に恵まれていたから、という第三者の声も綴られる。
    キャンディキャンディなんかじゃない。辛くても頑張れば誰だって幸せになれる!なんて、そんな少女漫画のようなお話ではないところがとても好感が持てます。
    しかし、何よりも心に残るのは、麻痺を持つ人が日常生活を送るだけでも、どんなに体力を消耗して、ある意味命懸けかということ。
    そして、前例がないからと断られ続ける様々なことに、言葉を尽くして交渉し第一の例になっていくこと。
    ひまりの粘り強さとバイタリティは尊敬に値します。
    たくさんの人に読んでもらいたい一冊。

    • こっとんさん
      Super8さん、おはようございます♪
      私も映画『ひまわり』大好きです!
      切なく美しい映画でしたよねー。
      この小説も、“ひまわり”と言えば‥...
      Super8さん、おはようございます♪
      私も映画『ひまわり』大好きです!
      切なく美しい映画でしたよねー。
      この小説も、“ひまわり”と言えば‥‥に入るであろう傑作でしたよね(о´∀`о)
      2025/06/27
    • shintak5555さん
      この作品の表紙がひまりさんに戻りませんねぇ。
      この非売品とかの表紙じゃなくて、ちゃんと出版された作品の表紙にして欲しいわ。
      しかしこの作...
      この作品の表紙がひまりさんに戻りませんねぇ。
      この非売品とかの表紙じゃなくて、ちゃんと出版された作品の表紙にして欲しいわ。
      しかしこの作品。モデルがいらっしゃるのが驚愕です!
      2025/06/29
    • こっとんさん
      シンさま♪
      ですよねー
      あのベリーショートのひまりちゃんの表紙がいいのにねー
      『私は美しい』っていうひまりのセリフがとても印象的でした(о´...
      シンさま♪
      ですよねー
      あのベリーショートのひまりちゃんの表紙がいいのにねー
      『私は美しい』っていうひまりのセリフがとても印象的でした(о´∀`о)
      同じような経験をされた方がいらっしゃったのが本当に驚きです。それだけにこの本は読む価値ありの一冊ですね。
      2025/06/29
  • ひまわり大賞受賞作
    ずっっっっと読みたかった作品がやっと届きました!!!



    なっかなか予約が回ってこなくて
    待ちに待った作品です!!
    (ひまわり大賞を知らないあなたはひまわりめろんさんのレビューへGO)←まだ言ってる





    もう最高でした。゚(゚´Д`゚)゚。

    ひまりの頑張りに何度胸を打たれたか、、、

    泣いた泣いた!
    知らぬ間にこんな時間に!!な、夜更かし本です!


     


    バリバリのキャリアウーマンだったひまりがある日事故にあい、頚髄を損傷。
    四肢麻痺となってしまったが弁護士を目指す物語

     


    まずこのひまりがすごい

    ホント普通に生活していて、ある日急に四肢麻痺になってしまったら、、、
    想像してみると、自分は生きていくだけでやっとじゃないかと思います


    でもひまりはただ生きるのではなく、社会と関わりながら生きたいと戦い続けます。



    すごい強い。
    私はとても真似できないかも。

     


    そのひまりに惹かれるように集まってくる周りの人たちも本当にいいんです



    父、母、兄
    凛ちゃん、レオ、
    ヒカル、真鍋先生、美咲



    何度も壁にぶち当たりながらも
    いろんな人の協力や助言で少しずつ未来が拓けていく様子を読むと勇気がもらえました。


    またひまりの強さに影響を受けた人々の様子もすごく良かった




    四肢麻痺の方は一体どういう生活をしているのか、どんな症状なのかもよくわかります
    想像すればわかることなのに、読むとなるほどなと思うことがありました。




    『言葉の力は希望の力』

    パワーと勇気をもらえる一冊です




    • どんぐりさん
      一休さん


      ん?、、、、出てました??
      僧侶役ですかね??笑
      一休さん


      ん?、、、、出てました??
      僧侶役ですかね??笑
      2025/05/13
    • どんぐりさん
      かなさん

      わー(^^)ホント沢山読まれてますね(o_o)
      かなさんのレビューも楽しみにしてます!
      かなさん

      わー(^^)ホント沢山読まれてますね(o_o)
      かなさんのレビューも楽しみにしてます!
      2025/05/13
    • コルベットさん
      どんぐり3個いただきましたー♡⸜(๑’ᵕ’๑)⸝
      どんぐり3個いただきましたー♡⸜(๑’ᵕ’๑)⸝
      2025/05/13
  • 33歳のひまりは、出張帰りに交通事故に遭い、頸髄を損傷してしまう。
    重度障害者のひまりは、つらくて涙が出そうになっても自分で涙を拭けないので、ぐっとこらえる。

    いつも本に感情移入してしまう私は、ひまりの頑張りとは裏腹に、つらくて悲しくて悔しくて、なかなか読み進めることができなかった。

    大きな声で明るい性格で、マックススピードで電動車いすを使いこなす、台風男安城さんの登場で救われた。

    前向きに目標に向かい、努力して行動するひまりの姿に、それを応援してくれる前向きな明るい人が引き寄せられる。
    つらい状況にある人も、ひまりに接すると笑顔が
    やる気が連鎖して道が開ける。

    父母、兄はもちろんのこと、「安静は麻薬です」と言い切った主治医の若山先生、夏子、凛ちゃん、ヒカル、真鍋先生、美咲、まだまだたくさんの人がひまりを支え応援してくれる。

    「言葉があるかぎり、私たちはつながれる」
    「言葉の力は希望の光」

    ひだまりのようなひまり
    ひまわりのようなひまり

    簡単な言葉で表現するのも申し訳ないくらいだが生きていく上で大切なことを教えてくれる本書、私の手元にも届いたこの本が、どうかこの本を必要とする誰かにも届きますように。

    アールグレイさん、前半読むのに時間がかかりましたがすごくいい作品でした。力強いメッセージ受け取りました。ありがとうございました。

    • きたごやたろうさん
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本はオイラの一番好きな医療の部分と、ヒューマンドラマが合わさった感じみたいで...
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本はオイラの一番好きな医療の部分と、ヒューマンドラマが合わさった感じみたいですね!
      2025/01/29
    • ミユキさん
      ぜひ、
      お勧めです。
      ぜひ、
      お勧めです。
      2025/01/29
  •  新川帆立さんのデビュー作はあまり響かず、その後新川作品はご無沙汰してました。けど、本作は文句なしに胸熱で、深く響きました。おすすめです!
     
     総合商社でバリバリ働く30代のひまりが、突発的な交通事故で頸髄損傷を負い、四肢麻痺となります。ここから多くの人に支えられながら、様々な障壁を乗り越え、弁護士を目指す話です。

     シリアスで重い内容になりがちな作品を、これだけ魅力的にしている要因はどこにあるのでしょう?
     まず第一に、主人公ひまりの人物造形の魅力でしょう。反骨精神があり前向きな性格です。どす黒い感情や怒りもあるものの、自分の身体・未来・可能性のための努力を止めない姿勢は、ひまりの周囲だけでなく、読み手の誰もが応援したくなります。
     第二に、緻密で膨大な取材に基づいたリアリティあふれる描写の巧みさです。ノンフィクションものと勘違いするほどです。
     第三には、500ページの長編を30の章立てにした構成です。深刻さや暗さが軽減され、リズムが生まれテンポよく読み進められます。

     ひまりの存在そのものが、閉塞感漂う世の中を明るく照らし、苦しむ人の救いになると思えました。眩し過ぎて何度も目頭が熱くなりました。
     「言葉の力」を最後の砦として道を切り拓いていくひまり。これは間違いなく、弁護士経験があり、作家となった新川帆立さんの、熱い想いの表れなのでしょう。

     独自に「ひまわり大賞」を授与された、ひまわりめろんさんのお気持ちがよーくわかりました。私も勝手に「本とコ大賞」などと調子こいたら、まるで「ヘンテコ大賞」になるので、やめておきます。でも、それだけ読んでよかったと思える物語でした。

    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      しずくさん、おはようございます♪
      コメントありがとうございます!
      一冊だけでその作家さんを決めつけるのは、読み手の
      傲慢だなと、反省させられ...
      しずくさん、おはようございます♪
      コメントありがとうございます!
      一冊だけでその作家さんを決めつけるのは、読み手の
      傲慢だなと、反省させられた本書でした。

      好みは人それぞれ、加えて同じ作家さんでも完成度・
      作風もそれぞれですね。だからこそ、読書はやめられ
      ないと改めて感じました٩( ᐛ )و
      2025/01/19
    • ひまわりめろんさん
      あ、見逃してましたw
      あくまで「ひまわり大賞」です
      「ひまわりめろん大賞」ではありません
      なんかこだわってますw
      あ、見逃してましたw
      あくまで「ひまわり大賞」です
      「ひまわりめろん大賞」ではありません
      なんかこだわってますw
      2025/05/03
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      さて、単独で「めろん大賞」を授与する機会は
      訪れるのでしょうか・・・? 静観笑
      さて、単独で「めろん大賞」を授与する機会は
      訪れるのでしょうか・・・? 静観笑
      2025/05/03
  • 〜お知らせ〜
    第358回ひまわり大賞は新川帆立さんに決定!
    (2024年)第358回ひまわり大賞の選考委員会が2024年12月12日茨城県内で開催され、新川帆立さんの『ひまわり』(幻冬舎)に決定しました。

    新川帆立さんは1991年生まれ。 アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身。宮崎県宮崎市育ち。 東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。 第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2021年に 『元彼の遺言状』でデビュー。 他の著書に『剣持麗子のワンナイト推理
    『競争の番人』 『先祖探偵』『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』 『縁切り上等!』 『女の国会』などがあります。

    〜審査員長選評(ひまわりめろん氏)〜
    著者の新境地と呼ぶにふさわしい1作。著者らしい軽やかで読みやすい文体はそのままに、重たいテーマを明るく描いています。突然の事故により四肢麻痺となった主人公が司法試験合格を目指すなかで様々な人の助けを得ながら不断の努力を続ける姿は、まさに太陽に向かって真っ直ぐに力強く伸びて花を咲かせる「ひまわり」を彷彿とさせ、「ひまわり大賞」の名ににふさわしい物語でした。おめでとうございました。

    • kuma0504さん
      権威ある賞を受賞したということで、速攻図書館に予約したのですが、残念ながら既に2桁の予約数が!少なくとも半年待ちです。でもこれから秒単位で予...
      権威ある賞を受賞したということで、速攻図書館に予約したのですが、残念ながら既に2桁の予約数が!少なくとも半年待ちです。でもこれから秒単位で予約数が増えていくので、よしとするか。
      2024/12/14
    • ひまわりめろんさん
      クマさん

      賢明なご判断だと思います
      大賞受賞により予約数は急伸すると思われ、おそらく週明けには三桁になっていたことは確実です
      良かったです...
      クマさん

      賢明なご判断だと思います
      大賞受賞により予約数は急伸すると思われ、おそらく週明けには三桁になっていたことは確実です
      良かったですね
      2024/12/14
    • ひまわりめろんさん
      つか、2024年のベストにひまわり大賞入ってないのかよ!( ゚д゚ )クワッ!!
      (セルフツッコミ)
      つか、2024年のベストにひまわり大賞入ってないのかよ!( ゚д゚ )クワッ!!
      (セルフツッコミ)
      2024/12/14
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著者プロフィール

一九九一年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第十九回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、二〇二一年に『元彼の遺言状』でデビュー。他の著書に『剣持麗子のワンナイト推理』『競争の番人』『先祖探偵』『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』などがある。

「2023年 『帆立の詫び状 てんやわんや編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新川帆立の作品

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