鴉 (幻冬舎文庫 ま 3-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344400368

感想・レビュー・書評

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  • メルカトル鮎シリーズ第5弾!

    こ…これは…Σ(ll゚Д゚ll)
    期待を裏切らない麻耶雄嵩作品!!

    メルカトル…お前は一体何者なんだっ(-∀-`; )



    凄い!!
    面白い!!大好き*.♡(*´∇`*)♡

    この作品、1冊で何味も楽しめます。

    今回の舞台は、地図に載っていない閉鎖村。

    主人公の珂允(かいん)は、弟、襾鈴(あべる)が死んだ手がかりを追い、この村に辿り着く。

    村に着くなり鴉の大群に襲われる珂允。
    親切な村人に救われ、傷が治るまで滞在させてもらえる事に。

    弟の死の理由を探っていくと、村には絶対的な神がいる事を知る…。


    メルカトルの洋風なタキシード姿に似合わず、時代に取り残された村で起こる殺人事件のお話。

    何が素晴らしいって、結末は勿論の事、要所に散りばめられた伏線とトリックがピカイチ!!

    これもか、これもか、これでもか!とミステリネタが目白押しです。

    洋館モノじゃなくてもドンピシャで私好みなんだなぁ〜(๑¯ㅁ¯๑)♡


    ただ、賛否は分かれると思います。
    こんなん分かるか!!
    って、イマイチに思う方もいらっしゃるかと…笑

    とにかくクセが強い!笑

    私はどハマり中ですので、大好きです(♡>艸<)


    綾辻行人と共に麻耶雄嵩大好きかも♡


    続きは『木製の王子』


    楽しみながら読みたいと思います(〃´-`〃)
    早くメルカトル鮎に会いたい♡
    大好きな探偵ダントツでNo. 1です!!


    おすすめです!!




  • 地図にも載っておらず、大鏡が支配する歪な村で起こる連続殺人。そこに錬金術や五行思想と色々な要素が盛り込まれていて、ワクワクしながら読めた。
    中盤までは少し冗長に感じたが、
    そこは麻耶雄嵩。ラストにかけての怒涛の解決編に圧倒されました!!
    「翼ある闇」や「夏冬」のような全てを無に返す結末は、初見は開いた口が塞がりませんが、今はもう虜になってますw

  • 十数年ぶりの再読。初読時(取り分け死んだと思われた橘花が珂允の許に現れた箇所。495頁)に感じた世界がぐらつくような感覚こそ薄れはしたものの、今度はその構成の強かさに感嘆させられる。〈人格が変わると顔まで変化する〉というのはミステリ的にはかなりアウトな気がするのだが、それでも『夏と冬の奏鳴曲』と並ぶ麻耶雄嵩の二大傑作である点は揺らがないと自分は思っている。

  • 実に麻耶雄嵩らしい一作。
    探偵小説家が固有名詞を伏せたら基本的に叙述トリックを疑うことにしているので、やはりといったところではあった。
    ただ、それを明かすのにくどい説明がないのがとても良い、やっぱりどんでん返しは数行でスマートに決まるとかっこいい。

  • 2013年初めの読了本。
    弟・アベルの失踪と死の謎を解くために、地図にない閉鎖された村に入った兄・珂允。村の支配者である大鏡と村の思想とそれに従い、村から出ずに生活する村人たち。話は兄の視点と、村にいる兄弟の弟の視点からの2つの視点で描かれているが、これが最後のどんでん返しにつながっている。この本のテーマは、兄弟の名前から連想されることだったんですね。それでも、そこに行きつかなく、結局騙された。

  • 面白かった。

  • 「やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、今迄流れてもゐなかつた川床に、水はさらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました……」

    マイオールタイムベストミステリ。
    小説好き、特に本格ミステリ偏重(麻耶信者)になったきっかけの作品。

    ラストの大破局+アイデンティティクライシスが本当に中毒的。
    加えて大好物の村もの......村の偏執性や謎、欺瞞がトリックにしっかり関わって描かれているので言うことなし。

    雪密室の井戸のトリックは微妙ですけど、
    人形や浮かび上がる痣などの小道具は効いてたし、
    鬼子と村の秘密・並行する櫻花の話と繋がった瞬間のインパクトは強烈。
    「木製の王子」並みの逆転現象のアイデア+「蛍」ばりの叙述トリック、ちょっと長すぎる(錬金術の説明とかペダンなだけで要らない気が......)点を除けば絶対読むべき一冊です。

    <トリックメモ>
    色盲トリックは普通、犯人または被害者だけが色盲、つまり色盲者がマイノリティなのですが「村人全員が色盲で、異邦人である主人公だけが正常」と多数派少数派を逆転させる発想が素晴らしい。
    それゆえに正常な人間が「鬼子」と呼ばれてしまう構造がミスリードを誘う意味でもうまいです。

    櫻花の話を並行させる叙述トリックは、直接メイントリックに関わりはしませんが、大破局をより衝撃的にする意味では不可欠だと思います。「夏と冬のソナタ」好きにはたまらん。

    叙述トリックは、読み進める中で徐々に感じる違和感が寒気にも似て快感ですよね。いかに全貌は掴めないままラストまで読めるかが大事ですが、麻耶作品はやられてばかりなので幸せです(葉桜とかは、違和感が消されすぎてて、ふーんで終わっちゃ居ました......)

  • 犯人当てたのにトリックで見事騙されました(伏線には気付けたのに←
    ラストが衝撃すぎて…えもいわれぬ気持ちで溢れてます。
    そして安定のメルカトル。龍樹家にそんな謎があったとは…&人の切り捨て方が相変わらずでw
    これもかく語と同じく、初麻耶にはお勧めし難い作品だと思う。個人的に。

  • クソッ最高だった!!!!!以上!!!!!

  • メルカトル鮎シリーズ

    弟・アベルの失踪と死の謎を解く為に異境にやってきたカイン。到着早々鴉の大群に襲われる。彼を救った千本頭儀。大鏡と呼ばれる現人神が修める村。外人と呼ばれるカインや他の人々。大鏡の側近として村で過ごしていたアベル。アベルの秘密を探るために大鏡が棲む聖地に侵入したカイン。カインを責める遠臣。薪能が行われた日。舞台上を襲う鴉たち混乱した村人。その夜殺害された遠臣。半年前に自殺した長野瀬。大鏡に反発していた長野瀬。人形作りをしていた外人・乙骨の殺害。彼が作っていた人形に隠せれた秘密。メルカトル鮎とカインの出会い。鬼子が生まれたという理由で滅ぼされた龍樹家。千本家でも頭儀の娘・松虫が鬼子として殺害されていた。事件を捜査していた少年の死をきっかけに暴走する村人。メルカトル鮎が暴く大鏡の秘密と鬼子の謎。

著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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