誰にでもできる恋愛 (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎 (2001年4月1日発売)
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本 ・本 (215ページ) / ISBN・EAN: 9784344401020

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛をする資格があるのは「自立」した男女だけである。これは村上龍のエッセイで幾度となく繰り返されてきたことで、本書はそれをさらに深く解説した一冊となっている。村上龍独自の国際的な観点、経済的な観点、等さまざまな話題から読者の女性に対してメッセージを伝えている。

  • 力強い。ここで語られるような思想は他の作品においても投影されているような気がする。

  • 自立大事

  • 誰でもできる恋愛なんてなくて、男女とも自立してないとできないよーって書いてました。

  • 恋愛の格差を読んで、村上さんの歯に衣着せぬ物言いについハマって2冊目。平成13年に出版された本だが16年経った今読んでも自分のことのように面白かった。
    男女ともに恋愛には自立が必要というのが作品の端々に出てくる。
    キューバ人が驚くほど日本の週刊誌の内容がつまらないというのには納得。
    先進国首脳会議の橋本龍太郎氏の奇妙な踊りのくだりも面白くて動画を探してみたがさすがになかった。

  • 「結論から言うと、誰にでもできる恋愛などというものはありません。男も女も同じです。リスクを背負える人間、つまり自立した男女にしか恋愛をする資格はないのです。」p11 本文が始まった途端にこの手のひら返しが来る本書は、確かにただの恋愛指南書ではなかった。女性雑誌向けに村上龍が書いたエッセイなので、各章が短く読みやすい代わりに、内容が散発的に感じたり重複もある。また、90年代後半の作品で、時事問題に関しては少し古い印象もある。巻末の黒谷友香さんの解説が秀逸すぎて、下手な感想が書けない。この本、恋愛の話は全体の40%くらいで、実は当時の社会問題を扱っている部分が多い。こういう社会問題があって、これが恋愛にはこう影響します、という感じ。当時と違うこともあるけど、当時から変わっていないこともあるし、そういう観点で読んでも本書は楽しめる。

  • 16年度明治安田生命が行った調査で
    ①恋人がいる20代は男性が20%女性は33%、
    ②交際経験がない20代未満が男性は53%(3年前30%)女性は34%(3年前28%)
    という結果になっている。
    この統計から恋愛する男女は減少しているとわかります。

    村上氏は恋愛にとって一番重要なことは、
    経済的独立をしているか、していないかと指摘しました。
    それから20年で日本社会は激変して若者を取り巻く環境は、
    よりシビアになっています。大学の後輩に夢を聞いた所、
    「正社員になる」と「安定したい」と返答でした。
    今は恋愛どころじゃないのかもしれない。

  • 自立、リスクを負う、自分を高める努力

  • 君が孤独とき、人々の生態は、奇妙に映る、
    君が一人ぼっちのとき、人々の顔つきは
    みにくく見えるものだ


    死人のような女子高生ができるまで

  • 「誰にでもできる恋愛」などというものはない、ということを論じたエッセイです。

    恋愛をする資格があるのは自立した男女だけで、相手に依存する人には恋愛する資格はない、というのが、著者の議論の要諦です。ただ、たぶん私自身が著者のようにきめ細かな感性を持っていないせいだと思うのですが、著者の言おうとしていることが理解できていないと感じるところも多々ありました。

    たとえば、なぜ恋愛をするのに自立した人間である必要があるのかという問いに対する著者の考えは、リスクを負うことができるのは自立した人間だからだ、ということになるかと思うのですが、自立した「個」であるような人間がなぜ恋愛に向かうのか、ということは、明示的には書かれていません。

    おそらくですが、自立した「個」であるような人間は、他者から「個」としての待遇されることを望み、みずからも他者の「個」を尊重するような生き方をするはずであり、そうした「個」と「個」の関係が、自立した男女の恋愛を生み出すのだ、ということになるのではないかという気がします。

    もしこうした理解が正しければ、著者の考える「個」は、「強さ」を持っているがゆえに他者に対する「優しさ」を持つ、と言えるのかもしれません。もっとも、その「優しさ」が、「強さ」を持たない人に対しても投げかけられるのか、という疑問も感じないではありませんが。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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