血と骨(上) (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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本棚登録 : 894
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401051

作品紹介・あらすじ

一九三〇年頃、大阪の蒲鉾工場で働く金俊平は、その巨漢と凶暴さで極道からも恐れられていた。女郎の八重を身請けした金俊平は彼女に逃げられ、自棄になり、職場もかわる。さらに飲み屋を営む子連れの英姫を凌辱し、強引に結婚し…。実在の父親をモデルにしたひとりの業深き男の激烈な死闘と数奇な運命を描く衝激のベストセラー。山本周五郎賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • こんな世界があったのか!と面白くてスルスル読んだ。内容がハードすぎて、自分一人で抱えてられなくて、読み終わったあと、まったく関係のない外国人の友達に、拙い彼の母語でしゃべりまくったのを覚えている。

  • どす黒い本やった。朝鮮の人ってすごい罵りあったりその場限りで動いたり、でも女の人はずっと耐え続けるのが性分なんかなーっておもった。
    暴力と色欲と金とが絡まってDV男のせいで子供は餓死するし。金さん賭博に女に仕事もしないで金だけ嫁にせびるし、もうなんか私利私欲のための男っていうかなんだかなー。憎悪とかもうすべての、もやもやが詰まった本。ここで普通だったらやり返し的なのが起きるはずなのに、毎回毎回暴力と責任逃れとで自分の思うようにいかんかったら、癇癪起こして暴れまわってすげーわほんと!
    歴史についても少し詳しくなった。苗字に『金』とかついとる人がなんで朝鮮なんかも、それは戦争で全部日本人にするために名前変えないかん方針になったみたいで、もうめちゃくちゃw

  • まずはRIP、最近多いような気がするのは単に歳による気のせいです。
    ★評価は再読了後にですが、まぁ男の作品ですね、良くも悪くも。設定・描写とかそんなことないでしょ、という気がする、でもそういう時代だったのか、同時代を生きた女性作家の同時代を描いた作品が少ない気がする。
    ともあれ朝鮮の人たちの苦渋は終わったこととして片づけることは永遠にできないと思われ。

  • 山本周五郎賞

  • f.2023/8/12
    p.2023/5/10

  • 昔読んだ本

  •  本書を知ったのは、最初は映画だった。北野武主演の映画で、出来はそこそこだったが、昭和の世界観が良くて原作も期待して見た。
     原作は映画とは比べ物にならないくらいに読んでいくのが辛い。映画では嫌な気分になるほどの引き込みを感じはしなかったが、小説は金俊平の溢れる暴力によって暗い雰囲気に溢れている。子供達が死んだりするシーンなども辛いし、金俊平に耐えるしかない人々が辛い。年代は1930年代からで、途中で戦争も始まる。
     登場人物は大変な時代を生き抜いて行くのに必死だ。金俊平の地元からの知り合いの高信義は良い人だが、金俊平を悪い奴では無いと言っているくらいなので、お人好しすぎるだけだと思う。金俊平の妻の英姫は気立てが良くて美人だが、金俊平に好かれたのが一番の災難だったことだろう。運が悪いとどうしようもない。
     金俊平は圧倒的な欲望を暴力で解決していく。体が大きくて喧嘩が強いといっただけの人間なのだが、それがあまりにも強すぎて誰も逆らえない。もしかしたら、この小説は寓話性があるのかなとも感じた。悪魔としてか、混沌をもたらすものとしての現象として居る存在にも見えた。
     朝鮮の巫女の歌の中に、血は母より受け継ぎ、骨は父より受け継ぐという一節があるらしい。ここから題名が取られたのだろうが、金俊平の骨を受け継いだのは息子の成漢ってことかな。父から子へなんてまた寓話性を感じる。
     神話と同じように、退治してくれる神は現れるのだろうか。それとも父殺しなどになるのか。

  • うろおぼえなんですが、この野獣みたいな金というおっさんが本当に嫌で、なんでこんな本読まなきゃいけないんだろうと心にダメージを受けながら読みました。押しが強いとかそういうレベルではなく生理的に受け付けなかったなあ。。。

  • 下で

  • 凄い本だった。戦中戦後の大阪に住む朝鮮人、金俊平の凄まじい生涯の話。人間のもつ誠実さや他人を慮る優しさなどなく、とにかく不条理な暴力でかけぬけた一生を描いている。疲れる小説だが時間がある方は読んでみるては。

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著者プロフィール

1936年生まれ。『血と骨』『夜を賭けて』など作品多数。

「2020年 『魂の痕(きずあと)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梁石日の作品

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