血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
制作 : 梁 石日 
  • 幻冬舎
3.56
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  • (10)
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本棚登録 : 489
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401068

作品紹介・あらすじ

敗戦後の混乱の中、食俊平は自らの蒲鉾工場を立ち上げ、大成功した。妾も作るが、半年間の闘病生活を強いられ、工場を閉鎖し、高利貸しに転身する。金俊平は容赦ない取り立てでさらに大金を得るが、それは絶頂にして、奈落への疾走の始まりだった…。身体性と神話性の復活を告げ、全選考委員の圧倒的な支持を得た山本周五郎賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • うろおぼえなんですが、この野獣みたいな金というおっさんが本当に嫌で、なんでこんな本読まなきゃいけないんだろうと心にダメージを受けながら読みました。押しが強いとかそういうレベルではなく生理的に受け付けなかったなあ。。。

  • 実話なら凄まじい。

  • 結局これは俊平の物語のようでこの大きな台風の影響を受ける周りの人々の物語なのだ

  • P462
    第11回 山本周五郎賞 受賞作品

  • 下巻になると親子の確執が明確になってくるのだが、その描写が凄まじい。
    金俊平は本当にひどい男だが、実際にこんな人はいたのかもしれないと思わせる。暴力に怯え、儒教による親子観に縛られ、父親に屈する子どもたちは、濃い「血縁」から逃れられない。
    親子の確執が描かれるだけでなく、戦前から戦後の日本と在日朝鮮人のリアルな姿が描かれている気がした。

  •  強烈な小説だ。主人公の人物像はフィクションでしか存在し得ないと思うほど、想像を超えた「極悪人」である。本書の書評で金石範氏が、これまでの在日朝鮮人文学をがたがたにするほど衝撃を与えたと述べているが、それはこれまでの在日文学がどちらかといえば「上澄み」的であったのに対して、『血と骨』は「どぶろくもろとも発酵するものをひっくり返したような混沌の真実」を生々しく描き切っているからだ。私はこの表現がひどく気に入った。小説を呼んでいる間中、マッコリや焼酎、ホルモンの匂いにむせるような感じが続いていたからだ。
     この小説の中に、戦前、関西に暮らしていた在日朝鮮人を中心にして、済州島・大阪航路の運賃引き下げ闘争が組織されたことが描かれている。その中心が、既存の運航会社に対抗して自前で用船する運動だ。私は、戦前にそのような闘いがあったことを知らなかった。これは、キング牧師が1955年にモンゴメリーで始めたバス・ボイコット運動と同じものではないか。運動は失敗に終わったといえ、それよりも25年も前に市民による不服従運動が起きていたことに瞠目した。
     同名の映画は、この小説で言うと戦後の部分だけを抜き出して描いている。ビートたけしの怪演が光る。映画を観て小説を読むと、主人公の金俊平の人物像が映画の中のビートたけしと同一化してしまうほどだ。

  • 暴力的な金俊平は妾を作り、自分勝手な生活を続ける。
    蒲鉾工場を経営するため、妻の英姫に金を工面させ巨額の富を得ることになるが、家族には着物の一つも買ってやろうとはしない。
    家族との溝は深まるばかりで、その内年齢とともに体力も落ちていく。
    さんざん暴力をふるい、人を信じずに金ばかりを大切にしてきた俊平に、息子も手を差し伸べることはなかった。
    孤独な男の寂しくも哀しい人生だった。

    2015.4.20

  • うーん、上巻から金俊平がどうも苦手だと感じてたのはあれだ、『酒乱の父親』ってのにトラウマがあるからだと気づいた

  • 壮絶な親と子の確執
    エゴまるだしで冷酷な父親の業が因果応報のように
    かえってくる壮絶な物語

  • 因果応報といえばそれまでなんですが、それで片付けきれないですね。英姫に対しても子供たちに対しても、あまりにひどい仕打ちをしてきたので成漢のとった選択は当然だと思います。それなのにラストの成漢は後悔するどころか罪悪感さえ抱いているように見えました。
    “血と骨”なんだなと思います。
    成漢の中で金俊平という男は、ただの復讐や憎しみの対象というだけではなかったんじゃないでしょうか。超えなくてはならない父親としての壁だったのかもと思います。
    金俊平の手を振り払うことは成漢にとって超えたことにならなかったんでしょう。ただ情のない父親と同じことをしてしまったという罪悪感。あそこで手を取っていたら、父を超え打ち勝つことができたのかしれません。
    なんとなく苦い気分ですね。

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