血と骨(下) (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 699
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401068

感想・レビュー・書評

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  • 血と骨の下巻では、怖いものなしで誰もが恐れていた天下の朝鮮人の主人公が、ある事故で奈落の底へと落ちていく。 今まで好き勝手やってきたつけが今返ってきた。   はじめは読者の誰もがむかついたえあろう者が、これほどまでにやられたい放題になるとは思いもしなかった。  目が離せません。

  • 2009.2.15

  • 結局主人公のキャラクターは救いようがなかったです。
    それでも、この仕打ちはかわいそうでもあります。
    誰が正しくて誰が悪いのかはわかりません。

  • 自己中心的オヤジ、金俊平の人生。
    身内にこんな人がいると嫌だね。。。

  • 読んでうれしくなる本がいい。
    この本はその反対。
    読んだ後に、ぼーっと脱力感がある。
    でも読んでよかったと思う。

  • 下巻である本書は太平洋戦争終結後の混乱の時代から金俊平の死までが綴られています。
     上巻と同様にこの下巻もおもしろくありません。しかし、これまた上巻と同様に読み始めると止まりません。
     この一見して矛盾している状態は上下巻通して徹底されています。

     また、この下巻では家族についてかなり厚く綴られていますが、良い意味で期待を裏切りながらも金俊平の家族に対する態度も終始徹底されています。

     さらに、本書では在日朝鮮人についてや彼らの社会について、そして彼らが日本でどういう状況に置かれていたかということについて、本来は隠したくなるようなことまでも赤裸々に綴られています。これも上下巻通して徹底されています。

     様々なことがとにかく徹底された作品です。これだけ徹底されていると、気持ちが良いくらいです。

  • 10/22読了

    在日朝鮮人である作者の実の父親の話。
    第11回山本周五郎賞

  • 圧倒的な暴力、暴力、暴力。だがのめり込んで読んでしまう得体の知れないものがある。果てない暴力と欲望、だがそれは世界を変えるようなものではない。ただ己の力で家族や周囲に圧倒的な立場を守ろうとするもの。そんな男に力で抑えつけられながらも離れることもままならない家族。昭和初期、どれほど多くの朝鮮の人たちが日本に働きに来たのだろう。日本全国に最底辺の労働をするためにどれほどの人たちがいたのだろう。そして結婚し子供が生まれあるものは帰国しあるものは帰化し、そしてその子たちにも子が生まれ・・・上巻で金俊平は金と女への欲望のまま暴力を振るう。恐ろしいと思う。その金も博打や酒のためのもので、極道よりも極道な生き方。物語は金俊平中心からその妻英姫へと移る。美人で働き者で商才もあり手堅く生きていたのに金俊平に無理やり妻にされてからその暴力に脅えながらそれでも4人の子供を生み、戦中と戦後を働きづめに働き子供を育て夫に食い物にされながらも生き抜く。朝鮮のオモニは強い。その時代の女の人だからだろうか。下巻に入り金俊平の子供たちが父の暴力に脅えながらそして抵抗しながら成長する。金俊平も蒲鉾工場を立ち上げ金を手に入れるが、それを家族のために使おうともせずただ吝嗇に溜め込み執着する。そして次々と妾を作るが、性の対象としか考えずあるものは出奔しあるものは脳腫瘍で介護が必要となり最後の女は新しい子供たちを生むが老いた金俊平からその金を奪っていく。壮絶な生き方が老いて暴力で支配することが出来なくなったとき手痛いしっぺ返しを金俊平に与える。以前玄月という人の芥川賞をとった小説を読んだが、こちらのほうがはるかに力強く在日朝鮮人社会のつながりの深さ、その底辺の生活から生まれる苦悩とか立場が出ているような気がする。迫力があると思う。解説に、読み捨てられるティッシュペーパーのような小説が大衆小説で純文学ではなく、この小説は在日朝鮮人文学の傑作であり日本語文学の傑作とある。確かに後世まで残るのはこちらのほうだろうと思うが、何故そんなジャンル分けが必要なのだろうかと思う。そして時にはティッシュペーパーが必要なときもあるだろうにと思うのだ。06・12・3

  • いろいろ考えさせられる。異国の地の厳しさもひしひし感じた。

  • やまなかった雨はないのです。<br>
    降ってもいない雨がやんだ(下)巻。

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著者プロフィール

1936年生まれ。『血と骨』『夜を賭けて』など作品多数。

「2020年 『魂の痕(きずあと)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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