昭和歌謡大全集 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.47
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本棚登録 : 249
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401259

作品紹介・あらすじ

原付バイクに乗ってきた女は、モップに取り付けた包丁をスギオカの喉に突き刺した。夜な夜な集まりカラオケ大会に興じる若者たちと、名前が一緒というだけで親交を深めるおばさんグループ『ミドリ会』の抗争はこの件で激化する。何のために彼らは歌うのか?殺し合うのか?現代の孤独と憂鬱を軽々と吹き飛ばす壮絶な戦いの物語。

感想・レビュー・書評

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  • へそ曲がりなわたしはW村上と呼ばれた社会現象が嫌いでした。当時、彼らの作品を徹底して無視しました。でもあれからものすごく時が経ち、ようやく彼らの旧作を読みたくなりました。

    昭和歌謡大全集、懐メロな題名ですが、狂気に溢れた作品です。登場人物の誰にも共感出来ません。しかし、読んでるわたしは夢中になりました。最悪な展開なのに、なんでこんなに快楽を感じるんだろう!?

    最近の村上龍はすっかりエッジがまるくなった気がします。やはりこの時代の作品を読み漁っていきます。

  • 「半島を出よ」を読む前の再読です。今回は、目眩く狂気の世界の中に、哀愁というか悲しみを感じました。殺し合う、若者のグループもミドリ会も、これまで誰からも気付かれなかったのに、抗争の中でイキイキしてくるのが悲しい。あと今回心にきたのが、ミドリ会って三十半ばだということ…同世代。。進化を辞めておばさんにならないことを、改めて誓いました。それは恐ろしいことだったわ。最低。

  • なんとなく集まって酒を飲んで笑って歌う日々を終わらせたのは
    なんとなく刃を滑らせたら目の前に転がったおばちゃんの死体。
    ダスキンが報復の凶器と化す。
    まばたきの瞬間に命は終わる。
    日常に忽然と銃が出てくる。
    ミサイルが放たれる。
    異物感とバカバカしさを超えて描かれる生と死。

  • 若者グループと、同じ名前のおばさんグループがお互いを殺し合うクライムサスペンス。著者の小説でたまにある、読みづらい部類に入る。ただ、読みすすめるのはしんどいが、両グループとも人間性を獲得していくのは面白かった。

  • 「最悪の状況こそが次の希望への第一歩なのだ」

  • あとがきの調布の話が良い

  • 馬鹿馬鹿しさがここまで突き抜けていると愉快
    読んでいてものすごく楽しかった

    イシハラ達はコンビニがそこらじゅうにあって、欲しい物があればいつでも簡単に手に入る環境で育ってきた世代
    そうした世代にとって本当に欲しい物、夢中になれるものを見つけるのはなかなか難しい
    イシハラの馬鹿笑いは、笑うことなんかに意味はないしそこまで笑うほどのこともないけど、この退屈な現状をとにかく誤魔化そうという意思表示なのではないか
    人と話していて「恐らくこの人は私に笑ってほしいんだろうな」と察してしまった時の誤魔化し方と、発生する過程は同じ
    イシハラの場合はその過程に、馬鹿笑いを聞いている人の神経を刺激する「何か」があるのだと思う
    けれどその「何か」がわからない
    ミドリ世代のコンプレックスを刺激するようなものだろうか?

  • 何故か埼玉と群馬の県境の描写が強く印象に残った。田舎の寂しさをこれほど上手く表現した作品が他にあるだろうか。

  • 夜な夜な集まっては呑んだくれ、浜辺でカラオケ大会に興ずる「若者たち」と、同じ「ミドリ」という名前を持つということで親睦を深めるオバさんグループとが、妙な一件から血みどろの抗争を始める。殺戮は次第にエスカレートし、とんでもない結末へと向かっていく……。

    妙なタイトルと、それに似つかわしくない荒唐無稽な「狂った」内容。この作家の作品、何となくスタイリッシュとか都会的なイメージで見られがちな気がするが、文章や行間に詰まった「狂気」には時折、吐き気すらもよおすような感覚を覚える。

    その点では―全く異なるけれども―夢野久作辺りに通じるような気さえする。

  • 映画から入った作品。
    主人公が松田龍平でいい具合にぶっ飛んでた。

    やっぱり狂気を描く上手さと描写の生々しさは最高。

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