童話物語 下 (幻冬舎文庫 む 4-2)

著者 :
  • 幻冬舎
4.17
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本棚登録 : 1135
感想 : 125
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  • Amazon.co.jp ・本 (549ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401303

感想・レビュー・書評

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  • (相対的感想五段階評価)
    明 ・・・・@ 暗
    衝撃・・@・・平凡
    一過・@・・・永年(読んだときの気持ちの燃費)
    論理・・・@・稚拙
    表紙 3

    高校生の頃に読んだ小説。
    ペチカという名前は、もうこの作品以外を思いだせなくて、いしいしんじさんの「トリツカレ男」に登場するペチカもこのペチカのことだというふうに刷り込まれている。
    詳しい内容を忘れてしまったけれど、塔にしがみつくみたいにしてのぼる様子だとか、世界が崩壊してしまう危機感や、なにもない草原に走るさみしい汽車のことなんかを思いだす。
    話の切れ目にある挿絵がちんまりしていてとてもかわいい。
    人間というものを信頼できるものとしてみていない少女ペチカが次第に回復していく様子が描かれている。
    文体は、若く不安定だったと思うが、それでも、想いはつたわってきた。
    なにせ、十年ほど前に読んだ本なのにまだ記憶に鮮明にのこっているのだから。いつでも、あの世界にふたたび迷い込むことだってできる。

  • この本はおばさんからもらって読み始めたのですが、私はもともとファンタジーものが好きだったのですぐにハマりました。ところどころに入っている挿絵もとても素敵です!
    日本人が書いてるファンタジー小説、いろいろと読みましたがこの話の世界観が好きで、大好きな1冊。
    分厚いのが上・下あって、かなり読み応えがあります。

  • 映画『もののけ姫』で最後シシ神が倒れ強風が村のケガレの総てをさらう。強い強い風は理屈ではなくまっさらな場所を作った。ファンタジーが最後に使うのはこの強い風で、これには善の力とか神の意志とかいくらでも後付は出来るけど、そういう言葉にされる前の純粋な動きが物語世界と主人公達を吹き抜けていったあと、読者には得も言われぬ清涼な空気が届く。『童話物語』の読了後、確かにこの静かで、広がりのある、あっけらかんとした満ち足りた爽やかさが広がった。久しぶりに味わえた、ファンタジーを、物語をくぐり抜けた感覚だった。というか涙の無駄遣いですよ・・・。下巻十回以上泣かされて、明日も目がむくんでたらどうしよう一応接客業ですよ。

  • 「人は変われる」とを教えてくれる童話。アニメになりそうな本です。

  • ないた。

  • おもしろかったーー。
    読もうと思ったのは人に勧められたから。
    私が好きそうだったらしいけど、本当に私好みでした。
    教えてくれてありがとう!

    毎日生きることで精一杯の貧乏な女の子が
    妖精と出会って変わっていく話。
    登場人物はみんな素敵でした。ただ、最後まで敵で謎だった
    守頭だけが怖かった・・・好きになれなかった・・・。
    彼女は一体なんやったんやろ?

    とてもいい話だった。でも長くて、壮大だったから
    なんかぼーっとする感じ。感想を書くのは難しいな。。
    最後はみんな無事でよかった。みんなよかった。

  • 元々昔話、童話というものは残酷が見え隠れしているものだ。
    現代のファンタジーも戦いあり、憎しみあり、そして愛あり・・・
    それで救われるのだがこのお話は最後まで手に汗握る・・・
    文章は簡潔でよどみなく読み進んでいく。
    そして・・不思議なことに読んで良かった!
    と思ってしまうのだった。[32]

  • ペチカ、ルージャン、フィッツの成長が変わることの素晴らしさを教えてくれます。おばあちゃんの優しさに何度も涙が出ました。

  • 上巻と比べて、ペチカやルージャンの胸のうちが、より強く迫ってくる。フィツと別れて一年後というブランクもあり、自分の心を、性格を、昔の自分の行動を、回顧することができるという成長を経たのだろう。各行動の裏に、思考がある。感情もある。だから読んでいてさらに引き込まれた。心がリンクする。だから、一緒に泣いて、一緒に笑う。
    とにかく、泣いてください。悲しいんじゃない。うれしくてあったかい涙を流せます。そのたびに、自分の心もあったかくなる。人間っていいなって微笑める。世界は敵じゃないって勇気が出る。変わることの素晴らしさを、歌いたくなる。
    この作品を薦めてくれた友人に、心を取り出してこの激しくも柔らかい光を証明したいくらいの共感と、感謝を。

  • 一人ぼっちのペチカは教会守をしながら辛い毎日を暮らしていた。優しいお母さんの思い出も忘れそうなほど辛い日々にスッカリ心もすさんでいたとき、教会の塔の上で妖精のフィッツと出会う。人間たちを観察に来たフィッツは守頭に見つかりペチカとともに村を逃げ出す。二人の旅が始まる。やがて「妖精の日」が訪れ心の汚れたものは滅びるという伝説のとおりにその時がきたらペチカも滅びてしまうのか、炎の妖精ヴィーは炎水晶を育て何をたくらむのか、ペチカに一言誤りたいと後を追ったルージャンはペチカに出会えるのか。びっくりするのは、しっかりとその物語の舞台となる世界の歴史や人々の生活や物語に登場しない街のようすまで出来上がっていていること。よほどファンタジーの世界が好きな人なのだろう。それとも最初にクローシャという世界ができてから物語が生まれたのだろうか。その世界の食べ物や信仰とか細部まで出来上がっている。でも、ちょっと物足りないのは肝心のペチカや、フィッツとヴィーのこととか、何かその辺をもうちょっとと感じた。優しさを忘れたペチカがフィッツと出会い旅で知り合った人と出会い、ウーン、まあ、面白かったからいいか。この物語は10巻からなる物語の5巻と6巻なのだそうだ。まだ他の部分は出ていないのかな。

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