コンセント (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎 (2001年12月発売)
3.37
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401808

作品紹介

ある日、アパートの一室で腐乱死体となって発見された兄の死臭を嗅いで以来、朝倉ユキは死臭を嗅ぎ分けられるようになった。兄はなぜ引きこもり、生きることをやめたのか。そして自分は狂ってしまったのか。悩んだ末に、ユキはかつての指導教授であるカウンセラーのもとを訪ねるが…。彗星のごとく出現し、各界に衝撃を与えた小説デビュー作。

コンセント (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 田口ランディが女性と知らずに読んだ。ショッキングな描写も出てきて、確かに話題性はあると思う。
    コンセントというのは、自我のあちらの世界とこちらの現実をつなぐ概念として描かれている。孤独死した兄がどうして死んだのか探ろうとする妹。何が正常で何が異常かがあいまいだが、この妹も病んでいて、相談していた心理学の教授や精神科医と関係を持ってしまう。そのうち、自分自身もトランス状態を体験し、その世界にはまっていく。
    ラストがチープで残念。唖然という感じ。

  • ところどころの表現が印象的でした。
    特にトランス状態になるところ、あーなるほどね。
    でも、映画かアニメ等で見たような感じでもある。
    兄の死をあんなに追っていても結局なんだか浅い理由だな~。
    もっと深くどろどろなほうが、全体のバランスに合ったような。
    印象的な描写がリズム良く出てくるから読みやすいけど、
    アンバランスにも感じる話でした。
    コンセントを使うのはイメージしやすいです。
    話ではなく自伝みたいにも感じました。

  • 初の田口ランディ♪

    衝撃!!
    小説の中にズルズルと引き込まれて、色んな色の映像を匂い付きで見せられた感じ。読みながら、時々吐きそうな感覚に陥ったのは初めて。

    生きることをやめ餓死した兄。その理由を知るために奔走する妹のユキ。しかし、ユキもまた狂っていきそうになる過程で、コンセントの存在に気付く…。

    心理学と精神世界に興味があったので、専門用語(シャーマン、ユタ等)もすんなり頭に入って来ました。薄々感じていたけど、精神世界とセックスって切り離せないのね。

    この小説に散りばめられている言葉達が魅力的。
    やっぱり一番は、「感応=官能」。

  • ヒットした当初は、過激な性描写で読者を惹きつけているだけの作品だと思っていた。しかし、今回は読後の感覚が多少異なった。兄の呪縛から解放され自由になった後のユキが、結局娼婦のようになって終わるエンディングに以前にも増して嫌気がした。一方で、作中の性描写には、初めて何となく意図を感じる事ができた。それは、女性の性に対するネガティブな思考からの、逆転の発想による性の解放だったと思う。

  • アパートの一室で腐乱死体となって発見された兄。その死臭を嗅いで以来、朝倉ユキは死臭を嗅ぎ分けられるようになった。兄はなぜ引きこもり、生きることをやめたのか。そして自分は狂ってしまったのかー。

    読んでいる途中で、まずい、と思った。自分の中にある価値観の一部分が、壊されていくような感覚。それを感じてしまった。

    そのことに対する善悪の判断もつかないままに読みふけってしまい、途中で本を置くことができなかった。そして、読み終えてしまった。それくらいに面白い。

    評価に迷う作品だったな。

  • ものすごいトランス感。

    人間が壊れる瞬間の描き方でここまで納得してしまうものを読んだことがない。(壊れる瞬間ってなかなか書かないけど)

    自殺のような死に方をしてしまった兄の真相を追い求めて推理していく元心理カウンセラーの妹の視点で語られるお話です。

    田口ランディさんの著書はこのほかに「できればムカつかずに生きたい」というエッセイを5年位前に読んでいたんだけど、お兄さんの件は殆どノンフィクションみたいです。

    このエッセイのお兄さんに関する部分はとても印象的だったのでこうして小説に取り入れられてるのを読んで、本当に小説みたいな亡くなり方だったんだなぁと。

  • 切れる本。

    コンセント、アンテナ、モザイク。
    順番は忘れたが、この3部作、究極のトランス小説だと思う。トランスする過程は言葉ではとても表現できない。

    高揚感。

    ところが、なぜか脳の奥底では「理解している」感覚が残る。『共感』とかなんとか、そういう安っぽい次元の話ではなく、外から来たはずの言葉なのに、なぜか「自分の中に帰ってきた」ように感じてしまう。

    自分が生きている世界も、コミットしている仕事も、住んでいる街も、地下鉄の独特の不快感も、全てがどうでもいいことのように思えてくる。似たような感覚を、音楽で体感したことがあって、アンダーワールドのライブとか、DJ YODAのプレイとかがそうだったのを思い出した。そう、この小説は「快楽・娯楽の疑似体験」ではなく、「快楽そのもの」を読者に提供している。快楽にはまると人間はそれをむさぼらずにはいられない。俺も、コンセント以降、むさぼるようにモザイクとアンテナを読んだ。没頭している間、それは俺にとっての快楽そのものだった。
    読み終わった後、充実感もカタルシスも無く、ただ快楽がなくなったという空虚さだけが残る。

    「乖離」というものに近いところにいる人には、とても受け入れやすい小説だと思う。

  • シャーマニズムが出てくるまではのめり込む様に読めたけれど、後半その勢いが落ちた。
    頭の中が見えない両手でわしゃわしゃとこねくり回されているような居心地の悪さ。
    なのに体の芯は熱を帯び、頭の中では別の熱を交えた陶酔感が湧いてくる。

    私にプラグを差し込んだ男たちは、私からどんな記憶を引き出していたんだろう。
    それとも引き出していたのは私の方?

    どちらでも構わない。
    いま、無性に人の熱に溺れたい。
    その時、その場所で生まれる何かを、もう一度ちゃんと実感したい。

  • 面白い!
    田口ランディってこんな感じか〜
    処女作がこれってすごいな、と思ったけど、あとがき読んだら体験の強みみたいなのもあるのかもと感じてしまい、次はまぁいいかなと思ったり。

  • 一言で・・・面白かった。でも良く判らない。
    この人の文章は読みやすい。時々目を引くような表現もあるのだが、全体としては平明(平凡)といえる。しかし、一つ一つは平凡な石が組み合わさって一つの構造物が作られるように、平凡ともいえる文章を組み合わせて大きな物語が形成されていく様に見える。
    全体の2/3はこうして淡々と物語が進む。主人公の心理描写が見事である。理性的と言える。しかし、最後に行くにつれ、どんどんオカルト的な物語になっていく。そして最後は・・・。
    初めての作品なので、この人の考え方がわからない。ほんとにシャーマニズムに何かの答えを持とうとしているのか。それともそれは何かの暗喩なのか?次作を読んで見るしかあるまい。
    ところで、珍しいことなのだが、私が読む前に高校生の娘がこの本を読み終えた。この作品の中にはしばしば倒錯的な性が表現される。ちょっと複雑な気分でもある。

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