コンセント (幻冬舎文庫 た 12-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401808

感想・レビュー・書評

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  • “『その少年はコンセントに繋がったときだけ動くことができるんだ』引きこもりの末餓死した兄はそう言った”

    この話は凄い。
    ただ夢中になると壊れそうになる。
    著者の実体験に基づいているからかもしれない。田口ランディは心理学の、それも分裂症の話が多くそれでいて分裂症の人々を崇めている部分がある。
    その意識になんだか共感できる。

    この小説は小説自体がプラグだ。

  • コンセント読了
    読みながら魂の振動を感じた。ユキがわかってからの圧倒的な疾走感。周りのの粒子が超高速で流れて行く感覚。言葉にするのがモドカシイ。官能とは感応である。
    ただ…向こうとこっち、風の歌等…似ている、非常に似ているのだ。セックスで精神を解放。精神と肉体の関係を表そうとすると、どうしても似てきてしまうのだろう。

  • 割合的にはそこまで多くないんだけど、
    性描写がなんていうか割とあれで
    わぁ…ってなったりもしたけど
    文体やテーマはすごく好みだった
    この人は人間のダークサイドを書くのがうまいなぁ…

    個人的には納得のラストだった。
    続編のアンテナも追っかけてみようかな。

  • 久々に再読。まあ、わりとどうでもいい。

  • う~ん。

    難しい精神世界を書いているな。というのが率直な感想。

    先日読んだ明日の記憶では、記憶障害になっていく中年男性の悲しい話が、共感できる分かりやすい現実的な内容として書かれていたが、こちらの作品はさらにそれを越えて、現代病ともいえる精神病をさらに深い観点から描いてるとも言える。

    精神病は本当に病気なのか?

    実はちとと違った能力への入り口であるにもかかわらず、その他大勢のふつーの人との区別のために薬漬けにされていないだろうか?という問題提起をしているようにも見える。

    コンセント。 電気を取り出すプラグではなく、電気を供給する壁につくコンセントを、女性に見立て、世界残酷物語という映画に出てくるコンセントにつながれないと動かない精神病と診断された少年を挿話に話が進む。

    触れづらいテーマに取り組んではいるが、概念的、思想的な要素が含まれるため、誰もが受け入れるという内容とはかないか。

  • 厚さと飢えに耐えながらこの部屋に閉じこもって
    生きるという営みを放棄した兄
    死んだ兄の部屋で、最初に目についたのは
    まさに掃除を始めようとしてコンセントに繋がれた
    掃除機だった。

    生前に兄が話していたコンセントの話し
    ユキに起こる兄の幻覚に幻臭、兄の死と自分の身に
    起こっている事を知るため
    かつて心理学を学んでいた指導教授に
    カウンセリングを受けることにする。

    人を生かすエネルギーはどこからやってくるのか
    兄はユキをどこへ導こうとしているのか
    そしてユキのコンセントはどこへ繋がっているのか
    不思議な力で最後まで目が離せませんでした。

    精神世界をコンピューターのOSやアプリケーションに
    例えいるところは分かりやすく、身近に感じられて
    おもしろかったが、主人公のユキの分かりづらい
    人間性に少し消化不良な感じ。
    好き嫌いがはっきり分かれる作品だと思う。

    作中に「掃除、洗濯、育児、介護、植物の世話
    という行為は御霊送りをすることができるようになるための
    大切な修行なのだとあった
    修行という言葉になると何だかありがたいもののように
    思えてくるから不思議。

  • 前半と後半の印象が異なる。
    それぞれにおもしろいけど、後半の精神世界の話になって最初のわくわく感がなくなってしまった。
    まぁ筋が通ってて面白いとは思った。
    最後のセリフがちょっとなぁ・・・

  • ミステリー、とも少し違うような。
    精神世界。
    グロテスクな表現が苦手な人にはきついかも。
    深く難しく考えさせられる感じが面白かった。

  • 田口ランディはじめてー。
    好きってわけでもないけど、わりと読みやすい。女性作家って感じだなー。

    お話の内容自体も、好みではない。
    普通にミステリー風味なのかと思えば、心理学とかオカルトちっくな方角に進んでくし・・

    特に後半はすごい。もうぜんぜんわけわからんくてついていけない!
    作者の世界観やばいよー。

    なのに、なーんか圧倒的なパワーがあって、どーしても目を離せない!もう目の前がちかちかぐるぐるして、とんじゃう感じ。主人公といっしょに。

    作品では彼女のような状態は精神異常じゃなくてシャーマンということになってるけど、どうしても狂気を感じます。
    作品の誘導通りに納得はできないなぁ。

    でも、おもしろかったです。

  • 哲学的な小説である。解説では、フッサルの「現象学的判断停止」であるという。つまり、「スイッチを切る」=コンセントを抜く、行為だと。

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著者プロフィール

作家。

「2015年 『講座スピリチュアル学 第4巻 スピリチュアリティと環境』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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