- 本 ・本 (470ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344401914
感想・レビュー・書評
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やっぱり好きな小池真理子。
少しだけ「欲望」を思い出させるテイスト。
謎の美青年、東吾。
一体何を隠しているのか…後半に二回も騙されました。
それも、紗江を本当に心から愛した証の嘘。
この時代に生きてなければ、こんな悲劇も起こらなかったのかも。
紗江が東吾と別れたくなくて、感情を爆発させ、自分の足を傷つけるシーンが、切なくて悲しかった。
しかし、小池さんの恋愛小説で誰も死なずハッピーエンドで終わる作品はあるのでしょうか(-_-;)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めての小池さんの本でした。何冊か読んだ今でも一番好きです。
私はこの学生戦争の時代を知らない年齢なんですが、その激しさと存在の大きさがすごくわかりました。
あとこんな綺麗な風景の中で住みたいと思いました。駅から遠くても隠れ家的な菓子屋が遠くても。
前夫を心から愛した紗江も、東吾もすごく好きです。不倫だったけど素敵な2人だったのに…結末が儚すぎてつらかったです。
芸術にも生き方にも美しくて、高級菓子を少しずつ食べるような気分で読んでました。 -
芸術家の心の闇を描きたくて、こうなったのでしょうけど、東吾の選択が何だかすっきりしない。
それに、狂おしいまでに東吾を求めていた紗江が、あの変な言い訳みたいな理由で納得するのも、そこまでが痛々しすぎるだけに、違和感があった。
学生運動の盛んだったあの時代だからこそ、成立する話かな。
好きな話ではないけど、文章はいつものようにうっとりするほど綺麗でした。 -
親子ほども年の違う天才的木口木版画家を夫に持つ紗江。急死した夫の挿画集制作を引き継いだ愛弟子の東吾との生活。東吾と紗江と美の世界が広がる。1960年代の学生闘争時代。
おもしろいんだけど、なんか違う、という感じ。『恋』を意識してるのかなとも思ったし。読者のことよりも、小池真理子の書きたいものを書いたという感じかな。それまでそんなそぶりも見せなかった東吾が結局ゲリラ自殺してしまうし。官能的な幻想的な世界を書いているはずなんだけど、心にその情景が浮かんでこない、うわっつら。 -
小池真理子の描く女性は、どうも苦手。言わなくてもいいことまで口にする感じがしちゃって。
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相変わらず濃密で、狂おしい小池真理子の世界。
時代とからめて個人を書かせると本当に巧い。
このパターンで一番好きなのは『恋』だな。
今作。
東吾、ももちろん素敵だけど柚木のキャラクターに惹かれた。
東吾は結局・・・その結末を知った今でも、よく解らない人。 -
【2004.01】
「美」とは何か?柚木、紗江、東吾の三角関係。紗江の揺れ動く心と、人を愛する強い思いには共感できる。東吾の求めていた「美」は真実のものだったのか、彼のしたことは間違っていなかったのかという点については疑問が残るところである。
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確か、仙台の瑞宝殿が出てくるんだ。
版画師の話だったかな。
恋愛小説だけど、綺麗な話。
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恋愛小説です。主人公に感情移入して読める恋愛小説はいいね(*´Д`*)
著者プロフィール
小池真理子の作品





