ガンジス河でバタフライ (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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レビュー : 263
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344402089

作品紹介・あらすじ

20歳にして、長年夢見ていたひとり旅に出たてるこ。極端な小心者だからこそ、五感をフルに稼働させて、現地の人とグッと仲良くなっていく。インドでは聖なる河ガンジスを夢中に泳ぎ、ぶつかってしまった人に謝ると、なんと流れゆく死体だった…。ハチャメチャな行動力とみずみずしい感性が大反響を呼んだ、爆笑紀行エッセイ第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 二十歳のとき、それまでずっと夢見憧れていた海外への一人旅に出ることに決め
    初めての地・香港へと旅立ったたかのてるこさん。
    極端な小心者と自称するたかのさんは、初めての一人旅となる
    香港への出発を目前に、ドキドキしてソワソワして落ち着かない
    だけど嬉しくて期待があって、なのにほんとは怖くてしょうがない....という
    複雑な気持ちをこの手記の中でストレートに丸ごとさらけ出しています。
    関西人ならではの陽気でハイテンションなその言動には
    思わず笑えてしまうのですけれど、その笑いの陰に隠れている
    不安でいっぱいな気持ちが、なぜだか手に取るように伝わってきて
    まるで自分の事でもあるかのようにこちらまでがそわそわとしてきます。

    取り立てて自分を飾るということなどはせず
    心身ともにいつもすっぴん。

    たかのさんにそんなイメージがわいてきて
    あぁ..彼女なら大丈夫。きっとうまくいく。
    出発前からなぜかそう思えてしまったのは、たかのさんは
    私にはないもの(欲しいもの)を持ち合わせていて、私の中にある
    苦手意識(いらないもの)が彼女にはないのだろうなということが
    感じられたからでした。もう羨ましいやら妬ましいやら...。(笑)
    見習わなくてはいけないと思うことしきりでした。

    インドを旅する紀行手記を読ませて頂くのはたかのさんで四人目です。
    訪れた要所要所でたかのさんが出会った人たちと触れ合って
    感じ得たもの一つ一つをかみしめ受け止めていく様子は
    女性ならではの感情で書き綴られていて、多く共感させられました。
    二十歳のたかのさんにとって初めての一人旅での収穫は
    絶大なものだったに違いありません。

    そして、私がこの手記の中から感じ得たもの....それは
    たかのさんがおわりに書いていたほんの一言の中にありました。

    "自分がどこにいて何をしていようと、
    日常も「小さな旅」だと....(後略)"

    たかのさんがおっしゃるように、日々の暮らしの中では常に何か新しいこと
    昨日とは違うことをして、新しい出会いや発見をしている。
    それこそが旅をしていることの感覚とよく似た感情を引き出してくれる
    最大の喜びである..ということなのですね。

    生きていることそのものが旅をしているということ。
    そう思うと、日常の些細な出来事が楽しみになり、一日の終わりに記す
    日記にも書き留めておきたいことが増えていきそうで、旅する楽しみは無限大!

    そして、日々読む私たちも毎日どこかに旅をしています。
    この本を読んでいる間はたかのさんと一緒にアジアを旅し
    少し前には古き良き時代のアメリカを旅して、江戸幕末の京都や
    会津にも行った。それにぬいぐるみがしゃべるという摩訶不思議な
    世界へも行けてしまった私はなんという幸せものなのだろう..。(笑)

    今日という一日を旅をするように楽しむ。
    そんな毎日にしていきたいと思いました。

  • たかのてるこ氏による旅行記シリーズ1冊目。彼女の旅行スタイルはスケジュールを一切立てず、訪れる国に危険地帯があるかだけ調べて飛行機に飛び乗るというもの。
    シンガポールのレストランで合席になったカップルにマレーシア観光を薦められ、次の日にはマレ-シア目指して出発。到着先でたくさんの現地ホテル勧誘マンの中から一番若いからという理由で一人を選び、その紹介先のホテルで偶然同い年の日本人旅行者に出会う。ひとつひとつの選択が新たな出会いに繋がり、次の旅先が自ずと決まっていくことに、彼女自身も自らの旅の不思議さを語っています。
    「旅の面白さはどこに行くかより、どんな人に出会えるかだよね」という視点は自分には無いものです。あっという間に現地の人と仲良くなってしまうパワーがすごい。

    それでもたかの氏はただ無鉄砲な人間では無く、大変感性が豊かな方でもあります。「インドには物の値段があるようで無い所がある。観光客にいくら?と聞かれれば商売人は当然自分の欲しい金額を伝えるだろう。値段交渉をすればいいだけの話だ」
    物の値段があるようで無い…単にボッタクリと捉えればそれは悪印象で終わってしまうので、こういった認識を出来るか出来ないかによって、だいぶイメージが変わってきますよね…。
    夜行列車で出会い泊めてもらった家族の家では、日常の中で根強く残るカースト制度差別を目の当たりにします。優しいお母さんが些細なことでお手伝いを罵倒し、幼い子供が何の悪気も無く最下層の人間を馬鹿にする。「生まれた場所が違うだけで、もし自分もインドに生まれていたら、当然の様にこのシステムの流れに組み込まれているのだろう」
    また彼女はインド旅行中「あなたは何を信じていますか?」と現地の人に幾度も問いかけられます。仏教とも、無宗教とも違う私たち日本人の信じる物とは一体何なのか?どうして世界にはこんなに貧富の差があるのか?生きるって何なんだ?

    自分のなかのモヤモヤした感情や疑問を言葉にするのが上手く、その答えを真剣に追求する彼女の姿勢には好感が持てます。なぜたくさんの人がインドに惹かれるのか私自身気になっていたのですが、読み終わって人と出会う旅がしたくなりました。

  • ベトナムの屋台街で「児童労働」について考えさせてくれた花売りの少女、カンボジアのキリングフィールドで「途上国」への関わりを決心させてくれた男の子、アメリカで「愛」を教えてくれたホームステイの家族、語学力とコミュニケーション力、何よりも自分を表現する力を授けてくれたドイツの友達、音楽と食に興味を持たせてくれたオーストリア、自然の偉大さを教えてくれたフィンランド、海と建物の調和の素晴らしさを教えてくれたスウェーデン、自分にも馴染めない国があることを教えてくれたイギリス、芸術から歴史を感じることを教えてくれたフランス、ゆったりな生き方を見せてくれたスペイン…沢山の国で感じた事・出会った事を思いだせてくれた本。

    そして、会社員になっても旅はできると証明してくれた本。

    ちょっと涙が出ました。

    こんな素敵な本を紹介してくれた友達に感謝。

  • 大阪生まれの彼女はネタとして旅したわけでもないだろうに
    笑える笑えるw女一人旅とは思えない無謀の連続!
    旅には出たくなるけど、はっきり言って真似できないし、したくありませんw
    著者初めての一人旅、香港・シンガポール編とインド編。

  • 「どこの国も、行ってみるまでは怖く思えて仕方がない。だけど、インドでさえこうなんだから、きっとこの世にはそんなに変わった国もないし、そんなに変わっている人もいないんだろう。秘境や辺境などと呼ばれる場所でも、住んでいる人にしてみればごくごく普通にそこで暮らしているだけの話で、変わった場所だと思い込んでいるのは、そこに行ったことのない人の偏見なのに違いなかった。」

    共感。
    思い込みってもったいない。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「思い込みってもったいない」
      たかのてるこって素敵ですよね、私もこんな風に世界を回りたいナ。。。
      「思い込みってもったいない」
      たかのてるこって素敵ですよね、私もこんな風に世界を回りたいナ。。。
      2012/08/19
    • 茜さん
      nyancomaruさん
      コメント、フォローありがとうございます。
      たかのさん素敵ですよねー。
      私、これがドラマ化されたやつで知ったんですけ...
      nyancomaruさん
      コメント、フォローありがとうございます。
      たかのさん素敵ですよねー。
      私、これがドラマ化されたやつで知ったんですけど、本もわくわくしまくりました。
      nyancomaruさんもぜひ世界へ!!
      2012/08/21
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「これがドラマ化されたやつで」
      それは知りませんでした。レンタル屋で探せばあるかなぁ~
      「ぜひ世界へ!! 」
      有難う。頑張って一歩踏み出しま...
      「これがドラマ化されたやつで」
      それは知りませんでした。レンタル屋で探せばあるかなぁ~
      「ぜひ世界へ!! 」
      有難う。頑張って一歩踏み出します。
      2012/08/28
  • 映画会社に勤めながら、毎年2週間、海外へ旅行に出かける体験記を発表している著者。1971年、大阪生まれ。
    これは学生時代の最初の旅二つを描いたもので、一番有名な作品。
    小さい頃はメガネザルと言われたいじめられキャラで、おどけて笑わせてから面白キャラに。
    今でも気が小さいときと大きいときの幅が大きいとか。
    旅を経てたくましくなった長兄の様子を見て旅行に憧れつつ、まだ海外はどこへも行ったことがなかった小心な頃の話や、準備に悩む話。
    一人旅で宿も予約せずに出かけ、知り合った人の家を泊まり歩くという旅。もちろん泊まる前にはお互い一生懸命喋り合って仲良くなり、信頼関係が出来てからなのだが。
    今でも前夜は眠れなくなるそう。
    行った先での思いがけない出来事、土地の人を大笑いさせる特技、たくましい放浪ぶり。
    これが爆笑もの!
    中高と水泳部で至って健康、何を食べてもお腹もこわさないとは羨ましい。
    インドはそれでなくともエキゾチックで、とんでもないことが起こりそうな国。
    期待に違わず、濃厚な体験記です。

  • いやぁ~おもしろかったので、一気に読んでしまった。
    小心者の海外ひとり旅。
    小心者といいながら、いろんなことに自ら飛び込んでいくたかのさん。
    小心者の旅人さんは、素直な心と好奇心で、香港、シンガポール、マレーシア、そしてインドで見て聞いて、身ぶり手ぶりで喋って笑って、食して考えて。
    旅に恋してしもたんよね。
    今を生きること。帰る処がある幸せ。いろんなことに気づかせてくれるのが旅。
    ほんまに世界はひろいよなぁ。

  • 昔から知ってたけど、なんだかタイミング合わずで読めなかった一冊。ようやく読めた…。

    この本を読み始めてから、卒業旅行で女2人バックパッカーの旅に出たときのことを思い出していた。
    私たちはどの国に行っても、自然に分かれて行動することがとても多かった。
    ある日、ビエンチャンのゲストハウスに泊まってたとき、友達がロシア人のおじさんと一緒に帰ってきた。おそらく50歳くらいの、恰幅のよいおじさんだった。
    そのときびびった。私はその日一人でただメコン川を眺めて過ごしてたのに、友達はどんどん世界を広げていることに、なんだか越えられない壁を感じてしまったのである。

    バックパッカーってそういうものなんだと、今なら思う。たかのさんにとっての旅の醍醐味も、きっと人のつながりにあった。
    あの1ヶ月、相変わらずふさぎ込んで黙って過ごしていたことが、今となっては勿体なかったように思う。
    …でも、きっと今のわたしが行っても同じようになる可能性は非常に高い気もする。私は立っても座っても逆立ちしても人見知りだった。

    人事の仕事に就いて以降、ほんとんど毎日人を評価する日々だ。こんな私が人を評価していいのか!?という話はいったん置いといて、改めてコミュニケーション力に勝る力はないと実感している。頭がよくてコミュニケーション力が高ければ、ほとんど一次面接は合格にしてる気がする。
    ”本を読む”という行為はINPUTな行為だけど、いろんな情報を吸収する中でOUTPUTの大切さを実感する日々だ。私は自分のことを嫌いではないけど評価もしてないが、自分の結界をかなり複雑に張り巡らせているところは、どうにか直したいと最近思う。

    いろいろ話はそれたけれど、つまりこの本は紀行本ではなく、本当のコミュニケーション力について説く本でないかと勝手に解釈した。

    とか言いつつ、インド行ってみたい欲が改めて爆発して友達に声をかけてしまった。ここ10年ほど、ずっとインドに行きたいと言い続けているのに未だ行けていないのがとても悔しい。この本を贈ったら、友達は一緒に行ってくれるだろうか・・・。

  • 大好きな本のうちの一つ。そして推理小説好きの母も何故かとても気に入っていた不思議な一冊。
    何だか旅に出たくなるというより、いろんなことをしたくなってワクワクしてくるのだ。
    旅に出る前にドキドキして不安になってやめたくなる気持ち、でも行ってしまうと逆に日常になって意外と普通に過ごしてしまうこととか、それなのに戻ってきて思い出すとキラキラしてみえるとことか。
    何に関しても新しい事をするとき同じことが起こる。わかってるのに二の足を踏んでしまったり、やらなかったりすることが多くてもったいない。
    そんな気持ちを思い出させてくれる。
    時折読む必要のある大事な本です。

  • 旅に行きたくなる本でした。
    文章から、ノリが若い感じがよいな!
    (高校生、大学生のプレゼントで贈りたい)

    引用
    〝精神が「旅人」の人しか本当の友達になれない」
    分かる~。

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