ガンジス河でバタフライ (幻冬舎文庫 た 16-1)

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  • / ISBN・EAN: 9784344402089

作品紹介・あらすじ

20歳にして、長年夢見ていたひとり旅に出たてるこ。極端な小心者だからこそ、五感をフルに稼働させて、現地の人とグッと仲良くなっていく。インドでは聖なる河ガンジスを夢中に泳ぎ、ぶつかってしまった人に謝ると、なんと流れゆく死体だった…。ハチャメチャな行動力とみずみずしい感性が大反響を呼んだ、爆笑紀行エッセイ第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 書店の新刊コーナーでチラリとみた帯が気になったのですが、タイトル著者共に覚えてなくて朧げな記憶を頼りに検索をしてるうちに「たかのてるこ」=「ガンジス河でバタフライ」にたどり着きました。
    20代の頃に何度か行った海外旅行を思い出させていただきました。あの頃、若さと好奇心を鎧にして得た優越感の更にもう一歩先がこの本には詰まってました。私にとっては玉手箱の様な本でした。

  • 思いつきで海外へ飛び立ってしまうてるこさん。
    それもインドへ。小心者とあったが、並外れた行動力には驚いた。
    1人旅なのに、いつも周りには誰かがいて。無計画だからこその自由気ままな旅。異文化で、カースト制度等の心が痛むようなこともあるけど、明るく陽気で個性的なインドの人々のことが写真付きで載っていて、インドに対する印象がこの本を読んでかなり変わった。ところどころクスッとしてしまう内容もあり、サクサクと読めた。他の本もぜひ読みたいと思う。

  • 二十歳のとき、それまでずっと夢見憧れていた海外への一人旅に出ることに決め
    初めての地・香港へと旅立ったたかのてるこさん。
    極端な小心者と自称するたかのさんは、初めての一人旅となる
    香港への出発を目前に、ドキドキしてソワソワして落ち着かない
    だけど嬉しくて期待があって、なのにほんとは怖くてしょうがない....という
    複雑な気持ちをこの手記の中でストレートに丸ごとさらけ出しています。
    関西人ならではの陽気でハイテンションなその言動には
    思わず笑えてしまうのですけれど、その笑いの陰に隠れている
    不安でいっぱいな気持ちが、なぜだか手に取るように伝わってきて
    まるで自分の事でもあるかのようにこちらまでがそわそわとしてきます。

    取り立てて自分を飾るということなどはせず
    心身ともにいつもすっぴん。

    たかのさんにそんなイメージがわいてきて
    あぁ..彼女なら大丈夫。きっとうまくいく。
    出発前からなぜかそう思えてしまったのは、たかのさんは
    私にはないもの(欲しいもの)を持ち合わせていて、私の中にある
    苦手意識(いらないもの)が彼女にはないのだろうなということが
    感じられたからでした。もう羨ましいやら妬ましいやら...。(笑)
    見習わなくてはいけないと思うことしきりでした。

    インドを旅する紀行手記を読ませて頂くのはたかのさんで四人目です。
    訪れた要所要所でたかのさんが出会った人たちと触れ合って
    感じ得たもの一つ一つをかみしめ受け止めていく様子は
    女性ならではの感情で書き綴られていて、多く共感させられました。
    二十歳のたかのさんにとって初めての一人旅での収穫は
    絶大なものだったに違いありません。

    そして、私がこの手記の中から感じ得たもの....それは
    たかのさんがおわりに書いていたほんの一言の中にありました。

    "自分がどこにいて何をしていようと、
    日常も「小さな旅」だと....(後略)"

    たかのさんがおっしゃるように、日々の暮らしの中では常に何か新しいこと
    昨日とは違うことをして、新しい出会いや発見をしている。
    それこそが旅をしていることの感覚とよく似た感情を引き出してくれる
    最大の喜びである..ということなのですね。

    生きていることそのものが旅をしているということ。
    そう思うと、日常の些細な出来事が楽しみになり、一日の終わりに記す
    日記にも書き留めておきたいことが増えていきそうで、旅する楽しみは無限大!

    そして、日々読む私たちも毎日どこかに旅をしています。
    この本を読んでいる間はたかのさんと一緒にアジアを旅し
    少し前には古き良き時代のアメリカを旅して、江戸幕末の京都や
    会津にも行った。それにぬいぐるみがしゃべるという摩訶不思議な
    世界へも行けてしまった私はなんという幸せものなのだろう..。(笑)

    今日という一日を旅をするように楽しむ。
    そんな毎日にしていきたいと思いました。

  • この人のコミュニケーション能力すごいなー!言葉は通じなくても思っていることが通じる、それは自分に伝えたいことがあるからではないだろうか。香港〜マカオ〜マレーシア〜インドまでの旅。最後のインドがいい。

  • 本の表紙からしてすでに笑わせにきている。

    家の中で声を出して笑い、
    電車の中、マスクの下で笑いを堪えるのが大変だった。

    新型コロナウイルスの影響で外出する事もままならない現在、
    私も作者と共に海外旅行へと連れ出してもらえた気分。

    飛行機苦手、お腹が弱い私にはマネ出来そうもないが、
    やはり一人旅は憧れる。

    ゲラゲラ笑って最後には少しシンミリ。
    良い気分転換になった。

  • 著者はご自分のことを小心者と謙遜しますがどうしてどうして…。

    だって、初海外旅行の飛行機で「ビーフ オア チキン」と聞かれているのに「ビーフ&チキン」と返せる小心者がいるでしょうか??

    「一番」と書かれたTシャツを着るだけでも凄いのに、何の一番なんだ?と突っ込まれて「アイム ナンバーワン・コメディアン」と返せる小心者がいるでしょうか??

    それよりなにより二度目の海外でインドを選ぶ小心者が…(以下ry

    著者マジリスペクトです。(*´ω`)人(´ω`*)

    若い頃はまだしも、今はとても行ける気がしない国インド。リアルなインドを本で体験できるのはかなりお得かと思います。

    でも、一番気になるのは、50代で腹話術師になったという著者のお母さんの方ですが…

  • たかのてるこさんの本にはまり中。
    この本もとても面白くて、風邪気味のちょっと元気ないときに読んだけどすごくパワーをもらえた。
    気に入った言葉は、
    「世界中どこの国の人も、メシ食ってクソして寝てる毎日を過ごして、私の生活とそう変わりない」
    これ、言われてみれば当たり前のことなのに、なんか目から鱗だった。
    なんで、すぐ他人と自分を比較しちゃうんだろう。実際にはそう変わらないのに。
    あと、あとがきの「日常も小さな旅」という言葉も、とても素敵だなと思った。

  • 「どこの国も、行ってみるまでは怖く思えて仕方がない。だけど、インドでさえこうなんだから、きっとこの世にはそんなに変わった国もないし、そんなに変わっている人もいないんだろう。秘境や辺境などと呼ばれる場所でも、住んでいる人にしてみればごくごく普通にそこで暮らしているだけの話で、変わった場所だと思い込んでいるのは、そこに行ったことのない人の偏見なのに違いなかった。」

    共感。
    思い込みってもったいない。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「思い込みってもったいない」
      たかのてるこって素敵ですよね、私もこんな風に世界を回りたいナ。。。
      「思い込みってもったいない」
      たかのてるこって素敵ですよね、私もこんな風に世界を回りたいナ。。。
      2012/08/19
    • 茜さん
      nyancomaruさん
      コメント、フォローありがとうございます。
      たかのさん素敵ですよねー。
      私、これがドラマ化されたやつで知ったんですけ...
      nyancomaruさん
      コメント、フォローありがとうございます。
      たかのさん素敵ですよねー。
      私、これがドラマ化されたやつで知ったんですけど、本もわくわくしまくりました。
      nyancomaruさんもぜひ世界へ!!
      2012/08/21
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「これがドラマ化されたやつで」
      それは知りませんでした。レンタル屋で探せばあるかなぁ~
      「ぜひ世界へ!! 」
      有難う。頑張って一歩踏み出しま...
      「これがドラマ化されたやつで」
      それは知りませんでした。レンタル屋で探せばあるかなぁ~
      「ぜひ世界へ!! 」
      有難う。頑張って一歩踏み出します。
      2012/08/28
  • 人との出会いが旅。インド人は未来のために今を生きるんじゃなくて、今を楽しむ。軽やかに。そのとき楽しいことをやればいい。

  • たかのてるこ氏による旅行記シリーズ1冊目。彼女の旅行スタイルはスケジュールを一切立てず、訪れる国に危険地帯があるかだけ調べて飛行機に飛び乗るというもの。
    シンガポールのレストランで合席になったカップルにマレーシア観光を薦められ、次の日にはマレ-シア目指して出発。到着先でたくさんの現地ホテル勧誘マンの中から一番若いからという理由で一人を選び、その紹介先のホテルで偶然同い年の日本人旅行者に出会う。ひとつひとつの選択が新たな出会いに繋がり、次の旅先が自ずと決まっていくことに、彼女自身も自らの旅の不思議さを語っています。
    「旅の面白さはどこに行くかより、どんな人に出会えるかだよね」という視点は自分には無いものです。あっという間に現地の人と仲良くなってしまうパワーがすごい。

    それでもたかの氏はただ無鉄砲な人間では無く、大変感性が豊かな方でもあります。「インドには物の値段があるようで無い所がある。観光客にいくら?と聞かれれば商売人は当然自分の欲しい金額を伝えるだろう。値段交渉をすればいいだけの話だ」
    物の値段があるようで無い…単にボッタクリと捉えればそれは悪印象で終わってしまうので、こういった認識を出来るか出来ないかによって、だいぶイメージが変わってきますよね…。
    夜行列車で出会い泊めてもらった家族の家では、日常の中で根強く残るカースト制度差別を目の当たりにします。優しいお母さんが些細なことでお手伝いを罵倒し、幼い子供が何の悪気も無く最下層の人間を馬鹿にする。「生まれた場所が違うだけで、もし自分もインドに生まれていたら、当然の様にこのシステムの流れに組み込まれているのだろう」
    また彼女はインド旅行中「あなたは何を信じていますか?」と現地の人に幾度も問いかけられます。仏教とも、無宗教とも違う私たち日本人の信じる物とは一体何なのか?どうして世界にはこんなに貧富の差があるのか?生きるって何なんだ?

    自分のなかのモヤモヤした感情や疑問を言葉にするのが上手く、その答えを真剣に追求する彼女の姿勢には好感が持てます。なぜたくさんの人がインドに惹かれるのか私自身気になっていたのですが、読み終わって人と出会う旅がしたくなりました。

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