暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.80
  • (1981)
  • (1941)
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  • (128)
  • (20)
本棚登録 : 13750
レビュー : 1791
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344402140

感想・レビュー・書評

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  • 2006年に映画化した乙一の長編小説。目の見えない女性ミチルと職場の人間関係に悩むアキヒロ。とある事情から同棲生活が始まり、それぞれの立場で視点を入れ替えながらストーリーが進みます。

    乙一氏については、その『乙一』という名前が、私と妻の名をくっつけたような名前なので、すごく気になっていた作家さん。実家にポイッと置かれていたので一気読みしました。

    読後の感想はストレートに「切ない・・・」。乙一氏の作品は、印象や文庫本の表紙イラストから、ものすごく「ホラー」だと思ってたんですが、ホラーだけではなく、切なさを訴えかけるような作品(またはその両方を併せ持つ作品)もあるんですね。本作はその「切ない系」です。

    うちにこもってしまう心情がしっかり描かれており、同棲生活の状況も相まって、こちらまで息を詰めながら読んでしまいました。

  • 諸々の理由で社会と距離をおく男女が偶然出会い、お互いの存在を「感じ」一つ屋根の下に暮らしながら徐々に心を通いあわせていく。殺人事件が絡んだミステリ要素は隠し味程度でプロットに意外性はないが、乙一独特のシチュエーション(+心理)描写を楽しめる。

  • 視覚障害者の女性の家に殺人事件容疑者が身を隠すシュールな設定を通して、人が他人への依存なしに生きられないという普遍性を気づかせてくれる内容。とりあえず読めばわかるが面白い。
    それにしても、設定にしろあとがきにしろ、どこかに不健全さがあるところが乙一さんらしいというか・・・そんな小説設定に共感してしまう自分も不健全なのかなと思ってしまうのです。常識的に考えたら、絶対警察に届けるよな・・・。

  • 初めての乙一作品。なんとなく、乙一作品とうことで敬遠していたが、薦められるままに読んでみたらこれがなかなか面白かった。先が気になってページを捲る手が止まらなかった。ラストもほんわかした感じ終わってくれてほっとした。

  • うおーーあったけーーってなる本。
    失はれる物語とかでハマった人は是非こちらも読むことをおすすめします。
    登場人物の設定が非現実的なところも彼の特徴だと思いますが、今回もばりばりそれがいい味出してます。
    ハートウォーミングってこういうのかと思いました。

  • 何度か読んでます。
    物語の中のさみしさとやさしさに胸うたれます。

  • 視力を失い一人暮らしをするミチルのもとに殺人事件で追われるアキヒロがそっと逃げ込んだ。
    居間の片隅で息をひそめるアキヒロと暗闇に閉じこもるミチル。
    徐々にミチルは自分以外の存在に気づき始めるが…

    乙一作品としては奇抜さは控えめ。
    でもその分心がぬくぬくする物語です(表紙にだまされないで)。
    涙もろい自分は電車の中で目がウルウルしてしまってちょっと恥ずかしかった。
    最後ちょっとしたどんでん返しもありますが、ほっこりしたい気分のときにおススメ。

    (お気に入り作品のレビューのための再読シリーズその2)

  • 不覚にもきゅんきゅんした。
    暖かい気持ちになれました。

  • さすが、乙一さんって感じですね^^

  •  視力をなくし、父親にも早く先立たれ一人暮らしをするミチル。
     職場の人間関係がうまくいかないアキヒロ。
     駅で起きた殺人事件。
     事件が孤独な2人を引き合わせ、妙な同居生活が始まった。

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     目が見えなくなる、ということがもし自分に起きたら非常にうろたえると思うのですが、それを静かに受け入れるミチルが印象的でした。ミチルとアキヒロの寂しい気持ちが痛いほどでした。暗いところを単純にミチルの目が見えないからかなとも思ったのですが、孤独=暗さと捉えることも可能なのかもしれません。
     毎回乙一さんは、あ、なるほど!と何か1つ「あっ!」があるのですが、今回もありました。犯人、そうか、なるほど!完全にあの人だと思ってました。きっとミチルとアキヒロは、これから静かに支え合っていけるパートナーとなるのだろうと思うと、ミチルのショックとアキヒロの苦労を思うと単純に喜べないのでしょうが、なんだか安心しました。静かに、静かに、お互いを探りながらそれでも温かさを見つけて言葉がなくとも心を通わせていく、そんな描写が秀逸でした。言葉を交わして、ミチルが外へ飛び出していく、壁を破るスピード感の描写も最高でした。

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著者プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

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