ライン 幻冬舎文庫

著者 :
  • 幻冬舎
3.24
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  • (19)
  • (7)
本棚登録 : 645
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344402317

作品紹介・あらすじ

受話器のコードを見るだけで、ライン上で交わされる会話が聞こえる女がいるという。半殺しにされたSM嬢、男の暴力から逃れられない看護婦、IQ170のウエイター、恋人を殺したキャリアウーマン。男女の性とプライドとトラウマが、次々に現代日本の光と闇に溶けていく。圧倒的な筆力で現在のコミュニケーションを描いたベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • 薄っぺらいもの、イージーなものに触れていると人間は暴力的になる。トートロジーだが、暴力はイージーの最たるものだ。断っておくが、決して、本書がイージーだというわけではない。

    本書は近代という大きな物語が終わった後の物語だ。関係性は切れ切れだ。著者はあとがきでかいているが、大きくはポスト近代の物語として解釈できる。

    登場人物に、共通なのは、葛藤がない、自分がない、ということだ。いみじくみ最後のユウコの感慨が「わたしには他人というものがない」であった。

    しかし、可能性はある。「信号というのはそういうものじゃない」とのユウコのセリフがその唯一の鍵だ。自他を分けるもの。違和感がここにある。

    田口ランディの解説に「病む」ことが「ライン」を抜けるゲートとあった。その通りだと思う。異常性に悩む、逸脱を抱え込む。そこにしか人間らしさはない。

  • 現代の人生の薄暗さに打ちのめされながらも、一気に読んでしまった。
    この小説が書かれてから20年くらい経っているけど、人々の間の空気はほとんど変わっていないと思う。

  • 村上龍ならではのどぎつさ、生々しい感じがどこまで受け入れられるかというところ。まだLINEなどなかった時代の小説だが、人のつながりをラインと題したところが作者の先読みの鋭さを出しているのだろうと今になって感じる。

  • 人と人はつながってる。色々な接点もしくは線、面で。様々な人が出てくるが、その色それぞれに魅力的である。
    スマートフォンのアプリ「LINE」を著者は先取りした部分もあると思う。やはり著者は凡才ではない。

  • 日常の人の繋がりを、人間の内面から描いた小説? 力強い描写で引き込まれ、一方で生々しい。

  • 人は会う人ごとに、別の人間になっているんだと思う。なんて鋭い視点何だと思った。登場人物と登場人物のつながり、ライン。この構成が秀逸でかっこいい。

  • ラインを抜けるために

  • 構成はすごくおもしろい。主人公がすりかわるところがすごいすき。

    でも・・・
    これが現代の人間関係?コミュニケーションのありかた?
    こんなのやだー

    あと描写がぐろい・・

  • 好きか嫌いかで言ったら村上龍のこと好きなんだろうね、私。

    電話線などの「ライン」を見ただけで、その中を流れている音声が聞こえる女がいるらしい…。
    そんな噂がある街で、ある夜、ほんのちょっとだけ交錯していくほんのちょっとだけ狂った人たち。
    まるで1本のラインのように連鎖していく人々の物語。

    ああ、また狂った人たちの話だ…。
    狂っているっていうのとはちょっと違うかもしれない。
    まだ現実味のなる、普通じゃない人たちの話。

  • 村上龍らしい、刺激のある小説だった。
    登場人物も魅力的な落伍者がいっぱい。
    でもホントに小説の中に出て来るような、ダメ人間って世の中にいっぱいいるのかね。
    自分の今の生活の周りにはマトモ人間が多いから。
    でも、一歩道を踏み外すとマトモ人間も危ないのかもね。

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プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

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