マグネット (幻冬舎文庫 や 1-10)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 946
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344402355

感想・レビュー・書評

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  • これか、色彩の息子が一番すきかも。
    多分中高で江國香織さんや川上弘美さんとかにハマってた時期に古本屋で見つけ出して読んだ。

  • ようやく分かった。僕は、山田詠美的な格好良さが苦手だ。多分、そういったら、山田詠美に「あなたは選ぶ側じゃない。選ばれる側よ」とか言われそうだ。遠くで眺めて満たされる「かっこよさ」なんだろうな。向き合ったら、逃げると思う。

  •  いきなりだが、性行為を中心とする、男女の性の有り様について、品格と機知を伴って、9編は描かれる。ただし1人称小説が多い。
     山田詠美を「短編小説の名手」と評価する、評論家が現れたことも肯ける。
     黒人男性との性行為を描いて出発したイメージの強い、山田詠美の作家としての成長を読む思いである。ネタバレを書いていられないので、関心を持つ方へはご1読を薦める。もっとも、もっと荒々しい世界を描き続ける作品を期待する、僕もいた。
     彼女を見直して、後期の小説をもっと読みたい思いがする。

  • 結末のはっきりしない物語ばかり。でも少し過激なシチュエーションにおける少し複雑に考えすぎた人間の思考の流れ、という共通点がある。山田詠美の言葉使いを楽しむのには申し分のない短編集。


  • はじめて読んだ山田詠美さんの本。
    描かれているのは恋愛と罪の意識。
    どれも都会っぽいおしゃれさとロマンチックさが詰め込まれているかんじがして、なるほどこれが山田詠美かと思いました。笑
    歯が浮くようなセリフを堂々と言う登場人物にすこしドキドキしたり(外国っぽい!)泣きそうになる切ないお話もあったり。
    特に忘れられないのは「熱いジャズの焼き菓子」と「瞳の致死量」 ダントツで好きだった。

  • 色んな罪と罰を描いた短編集。
    やっぱり山田詠美さんの文章が大好き。
    胸を打たれる表現が次から次へと出てくる。
    妄想を突っ走る女性が主人公の「アイロン」のお話が特に面白かったな。
    「最後の資料」は、義弟が自分の病気を「今回のケース」と表現していたこと、「骨は人を諦めさせる」という言葉が印象に残った。

    やっぱり良いなーいつか読み返そう。

  • 1番刺さったのはあとがき。
    「人との関係を作って行く時、必ず、後悔という事態に遭遇する。」

    泣いたのは、最後の資料。
    憧れたのはマグネットの由美子。
    好きなのはYO-YOの門田くん。

    しかし、性格的に近いのはアイロンの私かしら。
    (電車で何かが起きたことは無いけれど)

  • あんま好きじゃなかった

  • 10年前の作品と思えないぐらい、今の時代の若者にマッチしてると思う。
    罪を犯さない人っていうのは、現実問題いないような気がする。
    日常生活の中で、罪は日常と非日常の間にあるような気がして、私も日常を生きるのに疲れたとき、日常を憎んでしまったとき、罪にぶつかってしまうんではないかっていうのはある。
    罪についての短編集と最後のお話は義理の弟さんが病で死んでしまったことで描かれた短編集です。
    あとがきもハッとさせられました。
    大満足です。

  • 9つの作品を収録する短篇集。いずれもきわめて都会的なセンスにあふれた物語だ。この意味では特には「YO-YO」(東京)、ニューヨークを描いた「瞳の致死量」、パリを舞台にした「COX」が光る。「瞳の致死量」は、ヒッチコックの『裏窓』を思わせるが、これは当然それと知っての山田詠美の仕掛けだろう。前の8篇はいずれも男女の物語だが、やはりそれぞれにタイプの違う女が秀逸。また、巻末に収められた「最後の資料」は、義弟への追悼作。彼女はこんな小説も書くのだ。そして、山田詠美はまさに義弟の「おにい」が言う「本物の作家」だ。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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