週末婚 (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎 (2002年7月31日発売)
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本 ・本 (294ページ) / ISBN・EAN: 9784344402607

感想・レビュー・書評

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  • 「義理と演技」のパートIIらしいのでそれも読みます。
    男女のキョリ、違い、恋愛、結婚、ここに全て書かれてる!
    姉妹の確執やお互いコンプレックス抱き合うのもリアル
    以下引用
    「必ずお姉ちゃんより幸せになってみせる。私はお姉ちゃんの幸せを何一つ邪魔しなかったのに、もっとすごい幸せを手にしたというのが一番の復讐になるのよね」
    月子「私の背骨は家庭であり家族なの。そこに責任を取ることで初めて私がすべてに安らげる。私が私でいられる」
    月子、航一離婚
    航一「女房なんてつくづく沢山だよ。「私が私じゃなくなる」「何のために生きてるの」だのってね。そんなこと、男だって同じだっていうのにうっとうしいこと叫ぶなって言うんだよ」とわらっていたらしい

    解説↓
    昔はオス・メスの体格差がすごかった。メスは大きなオス(群れの中でやっつけられない大きく強い)を選ぶよりなかった。猿人類も体格差があったが、現代人では男女の差は1.1倍程度。
    群れの中の順位、つまり性交権をめぐって紛争が絶えない社会はしんどい。
    一夫一妻の番をつくる動物は少なくないが、共同生活を送る動物のなかで、一夫一妻のペアをつくる動物は大変珍しいという。 霊長類ではヒトだけ。
    そして色恋の悩みが現れ、恋人以外の魅力的な他人と出会い、欲望をそそられ、無限にさまよい続ける。この課題は解決しっこない。
    およそ今ほど人間が厳しく評価され、競争させられる時代はなかったのではないか。巨大な資本主義社会に放り込まれ、個々人は利潤を生むかどうかで計測され、レッテルをはられる。
    どんな人間も、ある一点において周囲から一目置かれなければ生きていけない。
    現代社会はその評価システムによって「何の取り柄もない、何の特徴もない、完璧なダメ人間」を作り出し続けている。本来そんな人間など1人もいないはずなのだが…

  • 週末だけ絶対に2人で過ごす、その他の日も一緒に居たければOKだし、病気やトラブルがあったらフレキシブルに対応という週末婚を実践するふたり。
    最初はいいけど、嫁姑問題、仕事激忙し問題とかで徐々に破綻。忘れられない過去の男に再開し、誘うけど振られる。そして最後どうなるのかと思ったら、離婚して、付き合ってる時にもどってこれで幸せってオチ・・・なめとるね。
    そもそも週末婚自体は素晴らしいシステムなのに、主人公夫婦が決めたルールを守らないから破綻しただけ。
    不倫テーマの面白い小説ってことで読んだけど、特に主人公夫婦が不倫するわけでもないし、オチも期待はずれだった。

  • キャッチーだけどそこまで奥行きがない。

  • 夫婦って難しいなー
    でも一緒にいてすべてをさらけ出すからこそ
    より深みにいけるのかな。
    それでもやっぱり私は同居婚が良い

    純さんがとても素敵。

    月子が傷ついたときに、陽子に会いに行くシーン。
    「おんな」ですよね~
    そんな月子に共感できちゃう自分も、
    どろどろの「おんな」。

  • 再読。
    美人で翻訳家である姉と地味なOLの妹、姉妹間の確執、嫉妬、松下由樹、永作博美のドラマが印象的だった。
    週末婚という形態、収納をアドバイスするハドルコーディネーターという肩書きなど、男女雇用機会均等法後の女性の社会進出をことさら取り上げていた当時の世相を反映していて懐かしい。
    ラストはちょっと驚いた。

  • 【本の内容】
    お姉ちゃんより幸せになってやる。

    それが、私の復讐―。

    姉・陽子に結婚を誓った恋人との仲を引き裂かれた月子は、仕事も恋人も手にすることのできる「週末婚」を思い立つ。

    家庭と仕事の両立、セックスレスなど、現代の結婚が抱える様々な問題に焦点を当て、テレビドラマ化も大評判に。

    タイトルも社会現象となった話題作、ついに文庫化。

    [ 目次 ]
    ラストの主人公の言葉には興ざめだが、それ以外は興味深く読むことができた。

    人々の暮らし方が多様化して、生活時間帯もさまざまな今。

    タイトルの『週末婚』は、結婚する、しないではなく、結婚生活にも選択肢があるのだというひとつの提案なのだろう。

    おそらく週末婚という言葉を使わなくとも、仕事の都合や、それ以外の理由からすでにこのスタイルをとってきた夫婦はいるだろうし、その方がうまくいっている例もあるのだろう。

    本書は、幾通りもの読み方ができるけれど、結婚を、扉の先の別世界のように感じている未婚の者の背中を押してくれるように思えた。

    結婚によって、どのように時間を重ね、関係を築いていくか、そのための方法や様式は二人で話し合うしかないし、試行錯誤しながらお互いにとってよりよい<選択をし続けていく>しか方法はないのだろうな、と感じた。

    [ POP ]
    松下由樹さんと永作博美さんが出ていたドラマがあまりにも面白かったので、つい買ってしまいました...。

    恨み重なる姉妹の罵り合いが面白いという点では、原作もドラマも同じでした。

    ドラマの方が、より刺激的になるように演出されていたなという感じ。

    本の方は、意外に落ち着いて読める作品でした。

    「性別を理由に、仕事上軽視されたくない」「認められたい」という気持ちが、とても良く分かります。

    働いたことのある女性なら、必ず悔しい思いをしたことがあると思う...。

    結婚したのに週末しか会えない「寂しさ」や「苛立ち」も、分かるような気がします。

    こういう作品は、女性でなくては書けない本だと思います。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ドラマみたいな展開。

  • 平日は仕事に趣味にと自分ひとりの時間を大いに楽しんで、週末だけ夫婦一緒に暮らしましょう。
    独身生活と婚姻生活のいいとこ取りのような生活スタイルだが、果たしてそううまくいくのか。

    冴えない妹である主人公が、才色兼備の姉の結婚を機に「姉より幸せになってやる!」と決意したことから始まる、姉妹の愛憎劇を絡めながら進む恋愛小説。

    「面白い」の一言に尽きる。

  • あんまり好きな本じゃなかったな。
    主人公のひねくれ具合が改善されなかったから。
    どうしたって人は無い物ねだりなんだと思う。

  • お姉ちゃんより幸せになってやる。それが、私の復讐―。姉・陽子に結婚を誓った恋人との仲を引き裂かれた月子は、仕事も恋人も手にすることのできる「週末婚」を思い立つ。家庭と仕事の両立、セックスレスなど、現代の結婚が抱える様々な問題に焦点を当て、テレビドラマ化も大評判に。タイトルも社会現象となった話題作、ついに文庫化。

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著者プロフィール

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業。1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)、「小さな神たちの祭り」(2021年アジアテレビジョンアワード最優秀作品賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)に入賞するなど幅広く活躍し、著書に映画化された小説『終わった人』や『すぐ死ぬんだから』『老害の人』、エッセイ『別れてよかった』など多数がある。元横綱審議委員で、2003年に大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。2019年、旭日双光章受章。

「2023年 『今度生まれたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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