低温火傷 2 (幻冬舎文庫 い 7-13)

著者 :
  • 幻冬舎
3.12
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本棚登録 : 134
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344402782

作品紹介・あらすじ

音海の兄のかつての恋人・夏芽は、別人のように美しくなり、新しい男・俊介と暮らしていた。なぜ兄を忘れ、違う人を愛せるのか?二人に憎悪を抱く音海は、俊介からさらに驚くべき事実を聞かされる。「お前の兄さんの死は事故じゃない。自殺だ」。愛の永遠を願い、恋の不確かさに身悶える少女をリアルに描く書き下ろし隔月刊行シリーズ第二話。

感想・レビュー・書評

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  • 読めば読むほど苦しくなりました。 あたしは音海に似ている。

  • ・つらいから、つらくない一瞬を、とても愛しく思えるのだ。
    ・「本当」の気持ちで生きることができる人は、なぜかどこか魅力的だ。
    ・好きなだけで良いと思う日と、どうしても手に入れたいと思う日がある。殺してでも手に入れたいと、思ってしまうときだってある。
    ・一生分の幸福を感じられる一瞬があったなら、それ以外の永遠がすべて不幸だって構わないじゃない。わたしはその一瞬の想いを、大切に保管する。思い出にわざと囚われる。
    人は忘れやすいから、毎日何度も復習するの。だれにも見つからないようにこっそりこっそり反芻して、一瞬を一生味わう。
    そしてそれを、一生かけて昇華するんだわ。
    『忘れない』っていうのは、そういうことだと思うの。

  • 2冊目は『わたしだけ好きなふりをして』


    私は、私だけ=自分だけ、自分ばっかりが好き…という意味で捉えていたんですが、これ、願い事なんです。

    主人公音海の恋愛相手(恋人…と素直には言い難い)には妻子が居るのですが、相手にとって都合のいい自分でいようとするのです。頑なに。

    嫌われないけれど、愛されない自分を当然のように受け止めようとして、その過程で自分に堆積していく『毒』を感じ続けていきます。そうするしか道がないと思っている以上、恐らく想う相手に何か言われてもそれは意味を成さないのではないかと思います。

    恋は確かに不確定要素が詰まっていて、好きになればなるほど信じることが難しいと思います。いちばん、になりたくて、いちばん、で居たくて。そして負担に思われたり嫌われるのが怖くて。一人で想っている時よりも気持ちを伝えた後のほうが何倍も私には怖いものに思えてなりません。

  • うまく表現できないけど、狗飼さんの小説でこれが一番好きかも。<BR>
    「恋は盲目なはずなのに、みんなきちんと目で見て確認してから<BR>恋に落ちることができるのですか」<BR>
    ひねくれてる主人公に共感する。

  • このシリーズの第一話もなかなか感情移入というか、共感できるところが多かったんだけど、今回のもよし。音海がはじめさんに「右手だけちょうだい」って言うところがあるんだけど、なんだか切ない。他の部分は奥さんのものでもいいから、せめて右手だけは・・・っていうのがヒシヒシと伝わってきたし。あとは、「自分が相手を想う気持ちと、相手が自分を想う気持ちと、どちらがより大切なものでしょう。自分が相手を好きならそれで良いって、そんなふうに言える人は強い人だ。わたしは言えない。だって怖い。好きな人に好きだって言って拒絶されたら、もう自分を愛する事なんか簡単にはできなくなってしまう。恋をすると、不安ばかり増えるような気がするのはなぜなんだろう?片想いよりも両想いのほうが不安なのはなぜなんだろう?相手に受け入れてもらえて、なにより幸せなはずなのに。幸せなのに」っていうのはコメントなしにこれを読めばそのままホントそのとーり!!って共感度100%でした。不安になるのはどうしてだろう?って本当に思うよ。この人の書き方は熱がこもってるわけではないんだけど、冷静な中に暖かいかんじがして好き。

  • シリーズもの。
    高校生にはうけると思う。

  • 若いって愚かだな〜と自分を思いかえしてしまった。

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