転生 (幻冬舎文庫 ぬ 1-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344403246

感想・レビュー・書評

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  • 心臓にちょっと触りがあって、3ヶ月に一度、循環器内科の検診を受けています。
    今日はその検診日で、病院の常として長い待ち時間を予想して、あと三分の一を残すのみとなった「転生」を読み進んでました。
    読み終わって3分ほどで診察室に呼ばれた時、「じつは重篤で移植が必要…」と言われるような気になってしまいました。
    これって高倉健のヤクザ映画を見終わった人が映画館から肩で風きって出てくるのと同じバージョンですね(汗)。
    映画から出てきた人が数分で普通の人に戻ったように、診察室で「良好です。目立った問題はありません」で普通に戻ることができました。
    ミステリー風味に書かれているけど、この小説のテーマはなかなか重いです。

  • 心臓移植後に数々の不思議な体験をする。絵が上手に書ける、甘いものが好き。心臓移植に伴い、ドナーの記憶や趣味嗜好までもが転移していた。その後様々な伝を辿ってドナーの遺族を探す。会う事に成功。だが、読み進めれば読み進むほど謎が深まる。後半は、一気読みでした。

  • 心臓の病を抱えていた大学生の和泉は、ドナーを得て心臓移植手術を受けた。
    術後の経過は順調で回復も早かったが、以前にはなかった身体の変化に戸惑う。
    これはドナーの記憶や嗜好なのではないか…という疑問を持ち始め、それと同時にドナーへの強い興味を覚える。
    しかし、ドナーの名前等は知ることが出来ないことになっている。
    もちろんコーディネーターや医師が、それらを教えてくれることもない。
    ただ、性別と年齢やどうしてなくなったのかまでは教えてもらえた。
    ただ、和泉は奇妙な夢を見たことで、その夢に出てくる女性こそがドナーてはないかと確信し、その遺族を探すことを決意する。
    しかし、それは容易いことではなかった。

    もし、自分にも同じことが起こったら…?
    きっと自分も同じ思いを持つと思う。
    その行動力があるかは別として…
    医学の発展の良し悪し等、深い題材。

    2023.5.7

  • 貫井徳郎さんの『転生』を読了。

    臓器移植のお話。

    心臓移植を受けた主人公。
    それから趣味嗜好特技が変わり、
    まるでドナーの記憶が引き継がれたよう。
    また夢に出てくる謎の女性。

    こんなこと本当にあるかよくわからないけど
    でもテーマは人の死の定義と絡んでいてとても重い。

  •  心臓移植、ドナー、レシピエント…この三題噺で読まねばならぬ、と思う。読みは「てんせい」となっているが「てんしょう」の方が良くないか。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    自分に移植された心臓は、ドナーの記憶を持っているのか?移植手術を受けた大学生の和泉は、これまでとは違ってきた自分の趣味や嗜好に戸惑う。突然夢に現れた恵梨子という見知らぬ女性の存在も気にかかりながら心惹かれてゆく。やがて和泉は夢の記憶だけを頼りに、タブーであるドナーの家族との接触を図り、恐るべき近代医学の闇に直面する。

  • 心臓移植がテーマ
    謎解きとしては微妙だけど、レシピエントの抱える課題とか、対象者の選択等社会的な課題をうまく織り交ぜて書かれている。

  • 移植により人格や趣味嗜好が変化して、それを暴くような題材はたくさんあるので、、貫井サンならではの展開があるのか!!と思ったら……なかった(笑)慟哭で、びっくりこいたから期待しすぎた?かも。それでも、飽きずに最後まで一気読み出来ました。内容より、あとがきが面白くて頭に残ってる。

  • 心臓移植手術を受けた大学生和泉は術後、自身の能力や嗜好の変化を感じ、夢に出てくる女性に惹かれるようになる。それらはドナーの心の影響と考えた和泉はドナーを探し始めるのだが…。推理小説風、社会小説風の青春小説か。

  • 「臓器移植」に材をとった社会派ミステリーである。デリケートなテーマでありつつも、ファンタジー性、家族愛、友情、恋愛に、科学・医学の蘊蓄など盛りだくさんの内容で難解さも無く、分厚さが全く苦にならない面白さだった。ラストの落とし所も、題材の重さとエンタメの嘘とのバランスが丁度よい。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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