転生 (幻冬舎文庫 ぬ 1-1)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344403246

感想・レビュー・書評

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  • 心臓の病を抱えていた大学生の和泉は、ドナーを得て心臓移植手術を受けた。
    術後の経過は順調で回復も早かったが、以前にはなかった身体の変化に戸惑う。
    これはドナーの記憶や嗜好なのではないか…という疑問を持ち始め、それと同時にドナーへの強い興味を覚える。
    しかし、ドナーの名前等は知ることが出来ないことになっている。
    もちろんコーディネーターや医師が、それらを教えてくれることもない。
    ただ、性別と年齢やどうしてなくなったのかまでは教えてもらえた。
    ただ、和泉は奇妙な夢を見たことで、その夢に出てくる女性こそがドナーてはないかと確信し、その遺族を探すことを決意する。
    しかし、それは容易いことではなかった。

    もし、自分にも同じことが起こったら…?
    きっと自分も同じ思いを持つと思う。
    その行動力があるかは別として…
    医学の発展の良し悪し等、深い題材。

    2023.5.7

  • 貫井徳郎さんの『転生』を読了。

    臓器移植のお話。

    心臓移植を受けた主人公。
    それから趣味嗜好特技が変わり、
    まるでドナーの記憶が引き継がれたよう。
    また夢に出てくる謎の女性。

    こんなこと本当にあるかよくわからないけど
    でもテーマは人の死の定義と絡んでいてとても重い。

  • 心臓移植がテーマ
    謎解きとしては微妙だけど、レシピエントの抱える課題とか、対象者の選択等社会的な課題をうまく織り交ぜて書かれている。

  • 「臓器移植」に材をとった社会派ミステリーである。デリケートなテーマでありつつも、ファンタジー性、家族愛、友情、恋愛に、科学・医学の蘊蓄など盛りだくさんの内容で難解さも無く、分厚さが全く苦にならない面白さだった。ラストの落とし所も、題材の重さとエンタメの嘘とのバランスが丁度よい。

  • 貫井さん初読み。
    心臓移植がテーマやから難しいかと思ってたけど読みやすかった!個人的に人体実験は賛成派。

  • 心臓移植を受けた青年が心臓の持ち主の記憶を受け継いだような気がする話。
    途中ちょっとまどろっこしいけど、話の展開は早く、飽きさせない。ラストもきれい。

  • 2015.06.06読了☆

  • 臓器移植がテーマ。どういう展開になるのかドキドキしました。重いテーマだったけど爽やかな感じ。
    貫井氏の作品は独特な重さ、荘厳な空気。そういうところがいいなぁ。
    ただ、ちょっと最後は物足りない感じがしたかな。よかったけどね。想定外でもあるし、個人的には想定内でもあった。終わり方は素敵。

  • これは面白かった。☆4.5くらい。こういうの好き。
    心臓移植でドナーの記憶まで移植されてしまう、記憶転移の話。東野圭吾の「変身」を思い出した。話は記憶転移にとどまらず、臓器保存にまで至り、さらにミステリ要素も含まれいて、読む手が止まらない。こういう本に出合うと嬉しくなる。
    ドナー登録をすべきか、否か。。ちょっと悩まされた。

  • 内容は心臓移植を受けた主人公が、その心臓のドナーの意識が移り、ドナーが誰か?を通じて心臓移植の真相を突き詰めるという話です。
    ドナーの意識や性格が心臓移植を通じて移ってしまうという奇抜な発想の話ですが、提供された側と提供者側とで、さまざまな登場人物が絡み合い話に引き込まれました。
    この本を読み終えたとき、以前読んだ東野圭吾の「秘密」と何となくダブる感じがあったのですが、あとがきで貫井徳郎が東野圭吾の影響も受けていると書いてあったので接点があるのかもしれませんね。

著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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