虚貌〈下〉 (幻冬舎文庫)

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  • 幻冬舎
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レビュー : 135
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344403468

感想・レビュー・書評

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  • 「虚貌(下)」
    クライマックスは川で。


    序盤からテンポがどんどん上がっていき、ラストまで駆け抜けていく。クライマックスの川辺のシーンとショウさん追悼のための鮎釣りシーンがハイライトで、真犯人の心情と描写が秀逸。


    二十一年前の美濃加茂事件の加害者の内、ヤク中の坂井田、暴力団の時山が殺され、現場から荒の指紋が見つかり、荒を本ボシとして動くモリさん・辻コンビ。しかし、荒と共に追っていた山田裕二と思しき死体が発見され、更にボスのショウさんにアクシデントが発生する。


    一方で結局ヌード写真を了承した朱音は、同僚とも険悪になり、更にヌード写真を見て自分がどんな表情で撮られていたかを目の当たりにする。それをきっかけに自らの顔を醜いと思い込む様になる。更に朱音はヌードをきっかけに整形するよう社長に勧められる。


    刑事小説路線も朱音の物語も一気に加速して、最終的には2つは同じところに行き着く。どちらともに重要な存在はモリさんだ。癌に侵され闘病中だった彼は、美濃加茂事件を完全に終わらせる為、命をかけて盟友シュウさん率いる現場に舞い戻る。そして見えてくるのは、驚くべき真実。


    そんなモリさんは父の姿も見せる。現役時代のモリさんは、朱音の世話は亡き妻に任せっきりだった。その上に朱音の芸能界入りは反対だった為、彼女との関係修復から始まる(とは言ってもひどく悪い関係ではない)。そこから病にかかり、自らを見失い、そして湯本に依存する朱音を助けようとする。この時は、刑事ではなく父だった。


    モリさんは、美濃加茂事件の重さ、シュウさんとの絆、そして娘の為に命をかけて真犯人を追うのだ。そして全てを終える。かっこよかった。

  • 最高

  • そうゆうのはあり?
    あるのか?

    なるほど、
    だから表紙がこうなのか。

    <本文より>
    顔などというものは実のところ、すべて仮面だと思っています。
    心の動きは普通、顔に出るものです。しかし、故意に出さないことも容易にできる。表情とは違うことを考えているということは、むしろこの世の中では当たり前のようになされているわけです。~略~
    物事を把握し、考え、選択するというような、その人間の人生を動かしていくのはすべて人間の内面にある心です。

  • 20190628 帯状疱疹入院後、帰省最終日

    火の粉、望み がおもしろくて雫井を読み漁っているが、仮面同窓会についで面白くなくて不満

    放火事件の犯人が続々殺されていく話


    犯人のトリックうんぬんは推理小説がすきなわけじゃないからどうでもよくて、容姿へのコンプレックスの書き方が不満。
    様々な登場人物を通して顔へのコンプレックスを一貫して書いてるのに、書き方が薄く一側面からしか書かれてないように感じて面白くなかった。
    顔面コンプレックスが題材の小説が出回る中、あえてそれをテーマに選んでこの薄ぺらさなのかと物足りなく感じた。容姿のコンプレックスから伝えたいことが違うんだろうから、この感想は正しくないだろうけど、そういう題材はやっぱり女性作家の方が面白いのかなて思った。

    あとそんなに厚くもないのに上下巻わける文庫がある一方で、白夜行くらい分厚い文庫があったりするのはなんなのか。

  • 上巻の勢いから一気読み。ミステリーのトリックとしてはチョット反則だけど、それを差し引いても十分面白かった。前半の容疑者から後半の容疑者への転換はお見事。
    ただ、最後の「俺はやってない」の台詞が意味不明。3兄弟が真犯人かもって曖昧さを残したかったのか?

  • 下巻に入ってから物語が急速に進む。ただ,犯人の容貌のトリックがイマイチでリアリティに欠けていて一歩引いて見ちゃう感じになってしまったのが残念。でも,キャラクター設定とかトリック以外のストーリーは入り込みやすく,どんどん読める雫井節が感じられて良かった。

  • 面白かった。
    ミステリーとしては、ちょっといまいちでしたが、エンターテイメントとしては楽しめました。
    本題の虚貌とある通り、本書のテーマは「顔」にまつわる物語。
    「顔」にもつコンプレックスや思いがあちこちに散りばめられています。
    人はそれぞれ仮面をまとっている。そんなところが根幹にある物語です。

    そして、いよいよ下巻です。
    滝中の娘は、事務所の社長から整形手術を強制され、そこから逃げ出します。
    彼女の心が壊れていくところが怖い。
    さらに、自分の付き合っている男が21年前の事件の共犯者の一人と知ってしまいます。

    一方で、捜査を進めていくうちに、見つかった荒の死体。
    誰が荒を殺したのか?
    一連の殺人事件の犯人は誰か?
    そして、いよいよ、犯人らしき人が明らかになりますが、その殺人のトリックというかネタがミステリーではちょっと禁じ手(笑)
    ちょっとそれは無いのでは?

    そして、その犯人は最終的に目的を達成するという事になります。

    そして、ラストの展開へ...
    この展開はちょっと切ない。

    下巻では、仮面というかたちで顔が語られます。

    ということで、ミステリーとしては、そりゃないよね。っていうところがありますが、エンターテイメントとしてはとても楽しめる物語でした。

    お勧め!

  • ミステリーを読んでいて映像が浮かぶって事は大事.ただ最後が今一つ

  • 2018.8.2-155

  • 予測できない展開だが、確かに現代ミステリーにしてこのトリックはどうなんだって感じだな。

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著者プロフィール

雫井 脩介(しずくい しゅうすけ)
1968年、愛知県生まれの小説家・推理作家。専修大学文学部卒業後ひとたびは就職。出版社などを経て、1999年内流悠人(ないる ゆうと)という筆名で応募した『栄光一途』が第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、2000年同作でデビューする。
2004年『犯人に告ぐ』が、2004年版「 週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、2005年版「このミステリーがすごい!」で第8位、第26回吉川英治文学新人賞の候補として選ばれ、第7回大藪春彦賞を受賞。豊川悦司主演にて映画化・ドラマ化。代表作となる。
2006年に恋愛小説『クローズド・ノート』を発表し、沢尻エリカ主演で映画化。2013年刊行の『検察側の罪人』は2013年度「週刊文春ミステリーベスト10」4位など評価を受け、2018年8月24日木村拓哉・二宮和也共演で映画化。

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