最後の家族 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.48
  • (37)
  • (68)
  • (149)
  • (14)
  • (0)
本棚登録 : 614
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344403574

作品紹介・あらすじ

引きこもりを続け家族に暴力を振るう二十一歳の秀樹。援助交際で男と出会う女子高生の知美。若い男と不倫をする昭子。会社からリストラされる秀吉。過酷な現実にさらされ崩壊へと向かう内山家。一人ひとりはどうやって生き延びていくのか?家族について書かれた残酷で幸福な最後の物語。テレビドラマ化もされたベストセラー、ついに文庫化。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ひきこもりの長男を抱えて、崩壊の一途をたどるばかりのとある家族の物語。
    社会派サスペンスのような要素が強く、ぐいぐい読み進めてしまいました。
    この内山家は、ひきこもり長男の秀樹はもちろん、父親も母親も、そんな家族にうんざりしている女子高生の知美も、全員が全員に寄りかかり切っている印象があった。
    私が育ってきた家庭も問題だらけでほぼ似たようなものだったので、誰に感情移入したかと言えば知美かな。
    一刻も早く脱出したくてしかたがなかった。
    そんな気持ちばかりが先行してしまう多感な女子高生を、導いてくれるような立場にあたる近藤にも好感がもてます。
    宝石デザイナーへの夢、道、現実。近藤の言葉は静かに私のなかにも沁み渡りました。

    家族はどうあるべきなんだろう。家族ってなんなんだろう。残酷で暗くてそんなことばかりぐるぐる考えさせられる話でしたが、あの形の結末はベスト。むしろあれ以外に無いベストな結末だった。
    家族って到達点ではないんだ。必ず全員個人としての人生があるし、子供はそこからがすべてのスタート。
    内山家のドライな後日譚はいくらかさみしいかもしれないけれど、家族の先にあるのがてんでバラバラの希望と未来でもそんなの全然かまわないんだと思えました。
    家族はただ家族なんだから。

  • 2013.4.16読了。

    ニート長男のダメっぷりが不愉快で不愉快で。母親も何故そうもあっさりお金を渡すの?
    まあ、父親も父親としてダメなところはあるんだけど、長男も母親も、自分で稼いでから好き勝手しろ!なんて。

  • 子どもは判ってくれないからのリファレンス。

    引きこもりの長男、よく分からない男に影響される長女、不倫気味の母そして家のローンを返す事にひたむきな努力を注ぐもリストラされてしまう父。かなり特攻野郎なファミリーの物語。

    家族の生活は消費社会においてモジュール化されてしまった、と子どもは判ってくれないの著者、内田樹は主張します。読み始めた時は本書もそれを表象する80年代のものかと思いきや、リストラされたお父さんも、自身の依存体質に気づいた長男も、皆自律を手に入れていきます。

    家族のあり方は確かに一度モジュール化されてしまったかも知れませんが、ここに描かれたのは、それを超えて行く家族という組織の強さと生々しさではないでしょうか。2001年の一冊。

  • 現代の家族が崩壊した社会の中で
    新しい家族の形を模索する作品。
    個人的には、この小説に描かれた家族の形が
    今の時代にはマッチしているような気がしてならない。

  • 弁護士田崎が言った、大切なのは1人で生きられることなんだよというセリフが心に残った。

    あと、地道な作業の中でこれは自分には向いてない辞めたいって思った時、自分がやめたいんじゃなくて、誰かが辞めさせようとしていると考えたらいいよっていう言葉も心に沁みた。

  • 10年ほど前に読んで面白かったなという印象が残っていたので
    もう一度読んでみました。

    私も家庭を持つ身ですが子供がまだ小さいので引きこもりになるなど
    想像もしていませんがそういう可能性もあるんだよなぁと
    他人事とは思えないというかそんな感じで読んでいました。

    この本の家族は引きこもりの家族を通じて自立について
    自分なりに誠実に考えており、最後に向けて家族一人一人が
    自立に向けて歩みだすところが読んでいて清々しかったです。

  • すごくリアルで、切実で、
    さすが村上龍、なおもしろさ。

    自分勝手な思考とか
    身勝手な欲望とか
    読んでいくとすごく伝わる。
    圧倒的な現実感。

  • ひきこもりの娘がいるため
    内容が身にしみた
    私はもうほとほと疲れた

  • 「あるべき家族」の姿を守ろうとした父親。
    その箱の中に収容された家族。

    それぞれが幸せならば、家族の形など取るに足らないものではないか、それが愛情ではないか。

    弟が好きだと言っていた理由がわかった。

  • 引きこもった21歳の青年、ライトな援助交際をする女子高生、プチ不倫の母親、リストラされる父親。そんな家族が救われる物語。

全59件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

最後の家族 (幻冬舎文庫)のその他の作品

最後の家族 単行本 最後の家族 村上龍

村上龍の作品

最後の家族 (幻冬舎文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする