とにかくあてもなくてもこのドアをあけようよ (幻冬舎文庫 き 3-5)
- 幻冬舎 (2003年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344403994
感想・レビュー・書評
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心に何か思いがある時、
誰かの言葉(詩集)はひどく胸に染み入る。
心に何もない時は
詩集の存在さえ目に付かない。
・・・という事は、今は胸のなかに思いがあるんだな。
そっと、書店の棚からこの詩集を抜き取った時、
何となくそう思った。
銀色さんの詩と風景写真のコラボ集。
開けたドアの向こう側には
ただ風に揺らいでいる花々や
遠ざかる空、
押し黙る家、
この地上のどこかにはあるが、
恐らく一生すれ違う事も
目に触れる事もない、
それでも何も変わらない
(ただの)風景が広がっていた。
向こうは私の事を何も知らない。
その事実が逆に
私の意識を軽くしてくれるかの様な気がした。
そして、
ぽつり
ぽつり
と
語られる
銀色さんの言葉らしからぬ
詩から聞こえてきたのは
とにかく
「伝えること」
だった。
もしもまだ、それが言葉として形になってない場合は
「この傷絆創膏を・・・」
貼るようにと、手渡された様な詩集だった。
(もちろん、心用です。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ほんの少しでも 好きなことをするために 知恵を絞らなきゃ
っていう、タイトルにもなっている詩の文章が好き。
何気ない言葉なのに、なんでこんなに胸に響くんだろう。 -
悪いことばかり考えても<br>
しかたないでしょう<br>
何をしたくて<br>
何を願っていたの<br><br>
ほんのすこしでも<br>
好きなことをするために<br>
知恵をしぼらなきゃ<br><br>
じっとして ここで<br>
イヤなことばかり<br>
思いうかべていたら<br>
本当にこのままじゃない<br><br>
とにかく<br>
あてもなくても<br>
このドアを<br>
あけようよ
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言葉もいいし写真も良い☺︎
涼しい夕暮れに会いましょう
移ろいやすい親密さ
楽しいとは影響力を持つということ
明日のことは明後日考えよう
異国情緒のささやき
私の願いを
知っているのは
私だけ -
明日のことはあさって考えよう
夜は等しく幕を下ろす
着陸しない飛行機のようなところに僕たちはいる
とにかくあてもなくてもドアをあけていきたい
自分のやりたいことをやっていた形 -
そうする。
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銀色夏生作品でいちばん好きな詩集。
写真もおしゃれで、写真集としても楽しめます。
元気がないときに読みたくなる、お気に入りの一冊です。 -
初めて読んで
しばらくして読んで
月日が経ってから又読んで
何か人に伝えたい時読んで
読む度に発見と感銘が変化していきます -
私が初めて読んだ銀色さんの作品です。優しくてどこか物悲しくも感じる写真と詩が私的に好きです。
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海外の素朴でどこか寂しげな風景、植物、物の写真と、淡々とした詩。
そのバランスと表しにくい物事を表現する力が素敵です。