彼女は存在しない (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.11
  • (108)
  • (410)
  • (659)
  • (291)
  • (83)
本棚登録 : 4388
感想 : 557
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344404410

作品紹介・あらすじ

平凡だが幸せな生活を謳歌していた香奈子の日常は、恋人・貴治がある日突然、何者かに殺されたのを契機に狂い始める…。同じ頃妹の度重なる異常行動を目撃し、多重人格の疑いを強めていた根本。次々と発生する凄惨な事件が香奈子と根本を結びつけていく。その出会いが意味したものは…。ミステリ界注目の、若き天才が到達した衝撃の新領域。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 私自身がミステリをよく読んでいるという事と、
    少し古い作品という事もあってか、
    かなり序盤でトリック、結末が予想できた為、
    後半は予想している結末と伏線やミスリードを突合しながら読了。
    またキャラクターの感情や描写などに共感が持てず、
    違和感があった為、少し評価は低め。
    作者の特徴ではあるが、少しエログロ要素がある為、苦手な方は注意が必要。

  • 読後の感想は、完全に騙されていた。
    最後にやっと気づきました。
    伏線が確かにあったのですが、全くスルーしておりました。
    何てこった。こういう作品があるから読書はやめられないですね。


    平凡だが幸せな生活を謳歌していた香奈子の日常は、恋人・貴治がある日突然、何者かに殺されたのを契機に狂い始める…。同じ頃妹の度重なる異常行動を目撃し、多重人格の疑いを強めていた根本。次々と発生する凄惨な事件が香奈子と根本を結びつけていく。その出会いが意味したものは…。ミステリ界注目の、若き天才が到達した衝撃の新領域。

  • 解離性障害のひとつの症例、解離性同一性障害を題材にした作品。多重人格がテーマとなると、貴志祐介の13番目の人格に引っ張られてしまう。

    あまり印象には残らなかった。

  • 私は、存在しない。

    多重人格を扱った小説は多々あるが、多重人格者の視点で、これほど生々しい心理描写をしてみせたものはないだろう。
    ミステリとして見ると、携帯のストラップの伏線などもあり、多少予想はつく。
    それでも、あの“崩壊”は本当に心が締めつけられる。

    文章は特段上手いというわけではないが、浦賀和宏は本当に小説が巧い。自分が読んだ作家の中では、リーダビリティはダントツ。読む度に、凄さを再認識させられる。

  • '22年1月9日、読了。浦賀和宏さんの作品、初。

    …もう、吐き気がする程の、アクロバット(*﹏*;)いやあ、やられた!凄い!そのアクロバティックさでは、ここしばらくの間に僕が読んだ小説では、群を抜いている、と思います!(+中々のグロさ。)

    正直、…題名から、こういう展開で、こういう系のドンデン返し、なんだろうなぁ…と、予想はできました。まあ、「それ系」ではあったのですが…しかし!凄い作品に、出会ってしまった(>0<;)

    言うまでもなく、上記、あくまでも僕の、個人的な感想です。ですが…未読の方、是非是非!(グロさが苦手の方は、ご注意を!)

  • 面白く、練りに練られた作品。
    叙述のトリックは序盤でわかってしまったが、それがわかったとしても後半に向けて狂気が加速する。
    最初の冒頭の作品内での小説引用や、冒頭の亜矢子と由子の出会いのシーンの印象が読了後では全く違う。
    亜矢子が殺害を犯していく動機や、根本の行動のいくつがが少しおかしいのではないかと思うこともあったが、全体としてとてもよく練られていて面白い。

  • これ、結構古い作品なんですね。
    2.3年前位かと思ってました。読み初めてから、流行の曲や携帯電話の話題で気づきました(^_^;

    20代の頃、ダニエル・キースの「五番目のサリー」や「ビリーミリガンシリーズ」を読んで、衝撃を受けた『多重人格』

    本作は、それをトリックに使用したミステリーになっています。
    ただ、本を読み慣れている人は、たぶん前半でそこには気づいてしまうと思う。だからラストの衝撃とかはないけれど、所々違う意味で驚かされた(笑)

    「え?そんなあっさり殺されちゃうの?」
    「そんな、グロイ殺し方するんだ?」
    ・・・って感じ(;゜ロ゜)

    全体的に面白かったんだけど、ちょっとラストが不完全燃焼・・・。
    終盤、私はある心配をしていたので、そこはどうなるんだよって思ったし・・・途中まで☆4だったんだけど☆3にしちゃいました。うーん。


    ・・・がっつりネタバレ注意↓・・・













    「タイトル」と「視点」から誰が多重人格かすぐにわかってしまったので、騙されることはなかった。伏線もわかりやすかった。けど、ラストをどう結んでいくのかが楽しみで、読み飽きる事はなかった。

    で、貴治っていったいどんな人だったの?どう思ってたの?っていうところが知りたくなった。

    それと途中から、お兄ちゃんが「そんなことしたら犯人って疑われるよね?」っていう行動ばかりするからハラハラして仕方なかった。
    そしてラストがそれではますます・・・

    っていうのと、伏線の回収がそれだけ?などなどもやもやが残りまして。

    結構面白かっただけに、ラストまで読んでちょっとなぁってなってしまった。

    浦田先生でシリーズ化してほしいなぁ。。。

  •  会社近くのTUTAYAにて、「あなたもきっと騙される!」的な吹き出しで平積されていた本書。読んでみました。

    ミステリー?になるんでしょうか?東野さん達を読みなれた私には「何これ?」でした。
    二人の視点のみで描かれた物語です。これがミステリーになってる原因。トリックは全くなし。映像化されたら、ありがちな「多重人格殺人事件」です。

    ストーリーは面白く少し青春小説的な部分もあり、グイグイ読みましたが、謎解きを考えていたのに最後は「視点でコントロールしただけじゃん」と少しガッカリです。
    これは「どんでん返し」とは言わないと思う。

    TUTAYAに期待させられた分、評価が辛いかもしれませんが、それでも★×3は付けられます。

  • 見事にミスリードされました。 ただ自分の理解力が乏しいせいで読後でも、トリックがどういうことなのか理解できませんでした...。 解説を読んでやっと7割くらい理解できました。 もう一度読みます。

  • 最後まで読んでから再読すると、冒頭からしっかり伏線があったことに、まず驚く。
    そして、やはりタイトルの巧さが光るクライマックスは見事。
    物語の構成はやや複雑なため、評価は分かれるかもしれないが、しっかり作りこまれている良作だ。

全557件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年、神奈川県生まれ。1998年、『記憶の果て』で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー。『時の鳥籠』『頭蓋骨の中の楽園』など、著書多数。2020年、急逝。

「2020年 『こわれもの 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浦賀和宏の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×