- 本 ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344405004
感想・レビュー・書評
-
いろいろな人の日常がまとめられてて、インタビュー形式で一人当たりのページが少なかったから読みやすかった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
筆者の上原さんにインタビューしたこともある、BBのきよたくんに貰った本。
インタビューはここ。WEB MAGAZINE この惑星http://konohoshi.jp/interview/UeharaTakashi/index.html
一冊を読みおわってあとがきを読むまで、取材をする上原さんの自我を全く感じなかった。最後までずっと透明だった。
人は、みんな自分の視点からしか、世界をみることができない。
文庫版のためのあとがきに、恋人や友達に「おまえは人の気持ちが全然わかってない」と批判されたことについて書かれている。
どんなに細部まで観察して、一緒にいて、どれほど心を寄せているつもりでも、相手が「私のことなんてちっとも分かってない」と感じるのは、それがやっぱり自分中心の視座からしか人を観れていないからだと思う。
上原さんが書くときに思い出すのは、取材をした人々の、小さな仕草や表情なのだという。話すのが苦しいような話をするときに、手元のグラスの刺さったストローを回す手のこと。解説を書いてくれた鶴見俊輔さんを師とあおぐ人が、鶴見さんの前であおげば尊しを歌ったときの顔の皺。
私の鶴見さん贔屓を含めても、鶴見さんの解説がすてきなのは、上原さんをこう評価しているところ。
「売り物になる文章を書くところまで達した人は、そこでなんとなく、あとは、侫人になる。へつらう人という意味だ。だが、この人は、そういう人にならずに書き続けた。」
そう、人は、みんな自分の視点からしか、世界をみることができない。
鶴見さんは、「そのことは、しかし、共同の世界があることを否定しない」という。上原さんの提示するエピソードが、ひとを語る。それは確かに彼の目が観た、彼の書いた世界なのだけど、たくさんの小さな仕草や、表情や、周りの匂いや、色やそういうものがたくさんの人々の言葉と一緒に優しく包まれて、提示される。
上原さんの作品はこれが一冊目だったけど、アマゾンで探して出て来た本のタイトルがどれもそそるので、ほかにも読んでみようと思う。 -
2000年以前のドキュメントなので、2024年に読んでもピンと来なかった。文章が綺麗にまとまりすぎて、特に前半はフィクションっぽく感じた。
その頃私は10代後半だったので、ああそんな感じだったのかもな、って感想。いつの時代もいろんな人がいて、いろんな人生があるんだな。 -
どの話も簡潔とは思えず、深みが足りないと感じてしまいました。
-
世の中、様々な人生を送っている人がいて、でもそれを表立って口にする人は少なくて。みんな見えないところで闘っているのだなと感じた1冊。ノンフィクションだからこそ、身近に感じられたり、どこかリアリティーがある。
-
「人生でやらねばならないことなんて
案外いま、やってることだったりするのさ」
著者プロフィール
上原隆の作品





