- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344405035
感想・レビュー・書評
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やっぱり良いですね、乙川雄三郎。
何処がと言われても困るのですが、読み始めたとたん物語の中に引きずり込まれてしまいます。
物語は起伏はあるものの、淡々とした筆致で進みます。流れる先々で貧しくとも良い同僚に囲まれて、律儀に暮らしたい女と、一攫千金を夢見て、金のために様々な無理をする男。別れれば良いのに、別れ切れない。そんな、ある意味、ズルズルした話なのですが、何故か凛としたものを感じさせます。そういうところが乙川さんの魅力のようです。
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物語の最後が圧巻でした。
話に登場する女性達の力強さが、印象的です。 -
「運命に流されまいと必死に生きる女の、ひたむきさと切なさにあふれた時代長編小説。」
家計を助けるために妾奉公に売られた「菊子」。奉公先の息子が親を殺す現場に居合わせたばかりに二人で出奔し、さらに流れてゆく。
もどかしい弱い立場の女性を描きながら、どんな境遇に立たされてもかえってひたむきに生きる強さと清々しさを感じさせる。
乙川らしい作品でラストは見事だが、ついつい短編のキレの良さを期待してしまうがそういうキレはないように思う。 -
松代藩の貧しい足軽の家に生まれ、製糸で潤う商家に奉公に出された主人公の激動の半生を描いたお話でした。
時代小説ってそんなに沢山読む方ではないのですが、この人の作品は澄んだ空気が感じられるというか、背筋がピッとする雰囲気があり、また、読み易いので割と好きです。
……が、この物語は、重くて暗くて、読了に時間がかかりました…
色々と考えさせられたけど、上手くまとまりません。
消化するには、もうちょっと時間が必要かなあ。 -
2011.1.20(木)。
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女性の不思議、頼りない男のために必死に生きる。生きる事の不思議さ