遺伝子インフェルノ (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎 (2004年4月6日発売)
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  • 本 ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344405066

感想・レビュー・書評

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  • 近未来を予言する連作短編集。1990年代後半の作品。

    警視庁捜査七課主任の城ヶ崎唯人と、環境省所管の近未来局総合コントロール室長の佐東巡哉が未来の危険なテクノロジーに挑む。

    取り上げているのは、テレパス能力が身につく危険な薬物、多重人格が生み出される危険なゲーム、寿命を縮める快適な老人ホーム、デザイナーベビーの試み、隔離されたローテク村、若返り、記憶力を高める危険な薬物、生殖能力を犠牲にした不老長寿技術、そして自我を持つコンピュータプログラムの誕生。

    読みやすく、そして面白かった。「博士の異常な発明」もそうだったが、著者のサイエンスもののSF、星新一ばりのキレがある。

  • いくつかの積み重ねられたエピソード。

    それぞれは短く、かつインパクトもあり、興味深い。
    飽きることはなく引き込まれる。

    ただ、ちょっと気になったのは、それともあたしの理解が悪いのか?
    散りばめられたエピソードが一気に収束するのではなく、一部は別の方向に投げられ、一部は連綿とつながり、
    一部はストーリーのコアの回りをただよう構成になっている点。

    これはこれでいいのだが、できれば一気に引っ張ると、最後に一本の線になってほしかったかな。
    ぐちゃぐちゃにからまった糸を、ゆるゆるひもといて、一度も切らずに修復するような作品の方が、あたしは好きだ。

  •  文庫本です。 またまた本を買った後から気づいたのだけれど、2000年の単行本時題名は『二重螺旋のミレニアム』。 フーム、たぶん読んだなあ。きっと読んだ。絶対だぁ! 改題して文庫化するときはもっと良くわかるところへ、その旨をハッキリと書いて欲しい。巻末に小さな字でこっそりと書くのはやめて! でも、たぶん内容はキッパリと忘れてるし、せっかく買ったのだからもう一回読むべ、ということにした。 ところが、これが大変面白かった。何本かの短編小説で出来ているのだけれど、全部が繋がっている連作短編(そんな呼び方あったか?)というやつです。 内容はSF。もう完璧なSFです。しかし、最近の難解なSFとは大違い。とーっても解りやすいSFなのです。そりゃ少しはコンピュータ用語やバイオテクノロジー関係の言葉なんかも出てくるけど、大丈夫フツーの人なら絶対わかる。 そして☆は5つです。 清水義範の作品はどれも面白い。面白いけど今一歩のところで感動や驚きにはとどかなかった。でもこの作品はその(わたしにとっての)壁の様なものが存在しなかった。 大好きなSFであって、難解でない。だから肩も凝らないしお気楽に読める。それでいてキチンとSFしていて大いに楽しめる。 清水義範というと「パスティーシュ」作品だけを得意とする様な先入観もありますが、こういうパスティーシュとは全く違った作品も面白く書けるのだなぁ、と思いました。 ハードなSFに挑戦し続けて、少しお疲れ気味のあなたにお勧めです。

  • 清水義範らしくないハードボイルドな語り口で進むSF。嫌いじゃないが笑いが少ない。サイエンス好きにはオススメ。

  • 2007/5/16読了。近未来SF、’70年代のSFを彷彿とさせる展開です。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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