- 本 ・本 (580ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344405516
感想・レビュー・書評
-
雫井さんの作品を読むのは初。
とりあえず1番登録者多く有名そうなこちらを購入。昨日今日で一気読み!分厚いのに。
人の執着や動機って怖いな。
その人にとっては、生きてきた環境経験などから作りあげられていることもあり、赤ちゃんの時のオギャーはみんな一緒のはずなのに。。
なので、めちゃくちゃ怖すぎたけど、なんかなんとも言えない……もちろんこんな人身近にいたら恐ろしいが。(旦那の方が終始イライラ)
ジワジワと攻めてきて、最後の恐怖感やばす。
とにかく、今日は買い物途中とかで、道を知らない人に尋ねられただけでもビビりそう
マンション隣の住人に偶然会い、挨拶されただけでもビビりそう
な自分がおります。。笑
義母さんの優しさ素敵でした!
なんだかんだでミステリーばかり読んでしまうんだよなあ〜〜
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
雫井脩介さんは初読みの作家さんだった。
『火の粉』
裁判官を引退し大学教授となった梶間勲の隣家へ裁判官時代に無罪判決を下した男・武内真伍が引っ越して来た。梶間を恩人と慕い、紳士的な身の振る舞いと溢れんばかりの親切心で徐々に勲の家族に接近してくる武内。だが、梶間家には次々と不可解な事件が起こり始める・・・
法曹界を扱った小説は数あれど、裁判官目線で物語が進むのは珍しく、とても興味深くて冒頭で引き込まれた。
そして武内と勲の再会以降は、勲に代わり2人の女性目線で物語が進む。
1人は、勲の妻で同居する姑の介護を献身的につとめる尋恵だ。
実母の介護はおろか看取ることすら出来なかった尋恵は、その分もと姑の介護に奔走し殆ど一手に引き受けている。家庭での勲はいわゆる亭主関白で、家ごとの一切合切は全て嫁の尋恵に任せているというタイプの人間である。
それを理解し、愚痴一つ言わず懸命に奮闘する尋恵の姿は、私の亡き母にも重なる所があり胸がいっぱいになった。
今から20年程前の作品なので、世相の影響も大きいが、直面する問題の本質はいつの時代も変わらないのだと思う。
もう1人は勲と尋恵の長男で司法浪人中の俊郎の嫁・雪見である。夫が司法浪人中で収入がないため、義理の両親と介護が必要な祖母と同居する事となるが、実母よりも尋恵のことを母親として受け入れている。しかし3歳のまどかの初めての育児に悩みながらも、夫の俊郎には負担をかけまいと一人で抱え込んでいる節がある。勝ち気だが、少し無鉄砲な所があり、危なかしくも応援したくなる存在だった。
この2人の女性の揺れ動く心理の描き方が巧みでリアルで、これを男性の作家さんが描かれたというのが本当に信じられない程だった。
ネタバレになるので詳細は触れられないが、最後の別荘でのシーンはサスペンスホラー映画を一本観た時の様な、驚愕と戦慄で身震いしてしまった。
真相を知ると、犯行の動機は全く理解不能でもなく、居た堪れない気持ちになった。誰でも見返りが欲しいのだと思う。それこそが歪んだ感情を生むのだとしても。
その人間味まで読み手の感情を誘える所が、雫井脩介さんの筆力の凄さなのだろう。
また、ある種の責任を全うしたラストの余韻が、瀬戸際で一番大切なものに気付けたという救いのあるもので安心した。
でも心の隙間なんてきっと誰にもあると思う・・・
(笑●せぇるすまんではありませんよ)
身近な家族であっても、遠慮して言わなかったり、見て見ぬ振りをしたり、本当の意味で相手のことを思いやれなかったり・・・
いやぁ気をつけなければ!!
やっぱり家族とは何でも話して、言いたいことは溜めずに話し合うのが一番なんだろうなぁと本作を通じて改めて感じた。
読後ふと見れば、全てはカバーイラストが・・・
タイトルの付け方も、唸るほどセンスが抜群だ。
565頁の長編小説だったが、展開も上手く、目線を変える構成が違和感なく秀悦で、全く長さを感じずにほぼ一気読み。
雫井脩介さん、また素敵な作家さんに出会ってしまった。是非他の作品も読んでみようと思う。
余談だが、
参考文献にあった『窯焼きピザは薪をくべて』
ここからあのバームクーヘンが生まれたのか・・・と感慨深くも癒されつつ、そりゃあピザじゃなくてやっぱりバームクーヘンですよね、
何回も何回も・・・ね。
って、やっぱり怖いわ〜
と最後まで尾を引いてしまった。
-
一家惨殺の犯人とされた男が無実の判決を受けたことから、話は始まります。
最初からなんとなくずっと不穏で、登場人物の誰にも共感出来ないし、なんなら嫌悪感もあるくらい。
毎朝通勤時に読んでいて、嫌ーな気持ちのまま仕事にいくという日々でした。(機嫌悪くみえたかしら)
前半は張り巡らされた違和感と不穏が続き、しっかり読む側に嫌な感じを染み込ませてからの後半の巻き返しとスピード感が凄かったです。
そうかな?違うのかな?いや、違うの!?えっ?そうなの!?そうなんだー!!みたいな(語彙よ…どこに)
面白かったとお伝えします。とっても厚いけど、一週間で読めました。
-
こちらはオーディオブックで拝聴。移動中にちまちま聞いておりましたが漸く聞き終えました。
怖すぎる隣人と言えば『クリーピー』を思い出しますが、あの気持ち悪さをまろやかにしてシリーズで深掘り(?)されていたらしい特殊性癖をとっぱらったような主人公一家のお隣さんの武内。一家の長である勲が裁判官時代に無罪にした男です。
勿論、この無罪の真偽を物語を通して読者は考えさせられる事になるのですが、後半は最早そんな事考える余裕がなくなります。
武内のテンションMAXになっていく姿が怖すぎて思わず私の家の隣人さんの顔を思い出しては、大丈夫!優しい奥さんと旦那さん、それに紳士的なおじいさまだから!と言い聞かせてました。
オーディオブックだったので読み手さんの演技力のお陰でかなり肝を冷やしましたが、前半は介護問題と育児問題にかなりのページを割いてあります。
物語の大事な肝なので仕方ないとは思うのですがこの介護問題についてが少し長く感じられ、もしかするとサスペンスではなくて社会問題の話?と前情報も無しに聞いていたのでテーマが迷子になりそうでしたが、後半はきちんとサスペンスに戻り、人を裁く事の難しさを考えさせられました。
司法試験を目指している敏郎がもう、本当にイライラさせてくれます。雫井さんの力量による所なのですが頼むから嫁の雪見に謝って欲しい、と真剣に思う程。土下座を教えてやらないといけません。
しかしこの俊郎が司法試験を目指しているという点も、皮肉のようにも、問題提起にも思えます。
冒頭で気持ち悪さをまろやかにして、と書きましたが武内も中々に別方面で凄いです。
詳しくは書けないのですがこんな友人がいたら三日三晩どうしたら穏便に縁を切る事が出来るだろうかと徹夜して考えると思います。
聴く小説についてなのですが、オーディブルとオーディオブックの両方を試してみましたが、使いやすさと書籍の数で圧倒的にオーディブルに軍配が上がりました。
ご検討されている方は、オーディブルの方をお勧めします。-
2023/11/14
-
1Qさん、
ひとーつ!
それは1Qさんラブ♡のあれですかぁ?!好きー!(((((((((っ・ω・)っ (ポリコレ関係の方に怒られそう笑)
...1Qさん、
ひとーつ!
それは1Qさんラブ♡のあれですかぁ?!好きー!(((((((((っ・ω・)っ (ポリコレ関係の方に怒られそう笑)
ふたーつ!
ちょっと雫井さんに進言してきます!おらぁ!そこにまず膝をつけぇ!!
みーつ!
結局、紙の本が良いと思います笑。聞いてると登場人物がごっちゃになってきて誰?ってなる時が…笑2023/11/14 -
お姉様、読んでらっしゃったー!
ヤクルト、ダメ、絶対:( ˙꒳˙ ):
あとなんでしたっけ?マドレーヌ?あんな作り方する人初めて見ました:...お姉様、読んでらっしゃったー!
ヤクルト、ダメ、絶対:( ˙꒳˙ ):
あとなんでしたっけ?マドレーヌ?あんな作り方する人初めて見ました:( ˙꒳˙ ):
大人でも食べたくない…
あ、そうかー!笑。『クリーピー』にとんだ風評被害を食らわせてしまいました!笑
(でも作者さんだから、良いか笑)2023/11/14
-
-
これは面白かった…
冒頭、裁判シーンで死刑判決か否かの話から始まったので、法曹界のストーリーかと思いきや、全然関連ない不気味な隣人の話に。
自分達の身に何か良からぬ事が続いているという不気味さでは、池井戸潤のようこそ我が家にに似たような内容だったが、こちらは隣人の武内がぐいぐいと中に入って来る点でほんとホラー小説だった。。
お婆さんの事や池本夫妻の話、夫婦仲が破綻になるよう仕掛けたりと展開後全く読めず、次が気になりすぎてページを捲る手が止まらなかった。
最後の別荘シーンはまさに驚愕の一言。
なぜか映画のエイリアンを思い出した。
好き嫌い分かれそうではあるが、とても面白く秀逸な作品だった。 -
「犯人に告ぐ」以来の雫井さんの作品。
心がザラザラする、バッド?ハッピーエンド?なんとも言えない読了感が好みです。
武内は恐らく病的ですが、他の登場人物も紙一重のところにいるのでは?と感じる。
東野さんの「悪意」を読んでからのこの作品だったので、狂気的な感情や、何気なく人を陥れる感情、総じて人間って怖っ!と思った2作品でした。
満足です! -
初めて読んだ雫井作品。
純粋に面白かった。
ストーリーこそ読んでいてなんとなく分かってしまうが、それでも飽きることなく、読まずにはいられない流れでした。見事に一気読み。 -
豹変型サイコパスのお話。
前置きが丁寧で、背景をしっかり理解することが出来る。これが、クライマックスの臨場感に拍車をかけてくれた。
ユースケ・サンタマリアさん...怖い
著者プロフィール
雫井脩介の作品





