嫌われ松子の一生(下) (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344405622

作品紹介・あらすじ

30年前、中学教師だった松子はある事件で馘首され故郷から失踪する。そこから彼女の転落し続ける人生が始まった……。一人の女性の生涯を通し愛と人生の光と影を炙り出す感動ミステリ巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻読了。
    出だしから腹立たしい登場人物。
    教師、しかも校長という立場にある者の浅ましい行い。「校長としての矜恃はないのか!」と。
    この悪い人間との出会いは一人の女性教師が転落人生を歩く切っ掛けとなる。
    それにしても松子さんのあまりにも不器用な生き方。出会った男達も悪かった。
    高学歴でしかも眉目秀麗、才色兼備で幸せな人生を歩ける条件は揃っていたのに…。
    甥が松子さんの死後、彼女の人生を辿りながら真実を知っていく。
    タイトルの様な女性では無かった事を知り彼の今後の人生にも何等かの影響を与えてくれるかもしれない。何より松子さんの真の姿を知ってもらえ嬉しかった。

  • 松子は、人に依存するタイプの人

    って短絡的に思ってしまうけど、

    人の幸せが、自分の幸せになるタイプの人なのかな

    自分の打算的な性格に改めて気付かされました泣

    中谷美紀さんが大好きで、映画観て読みました

  • 松子役は、映画の中谷美紀さんより、テレビの内山理名さんのイメージが強い。
    とても頭の良い松子なのに、どうしてこう不器用なのだ
    修学旅行の一件が印象深い。挙句の果て孤独に。

  • あっという間に読み終わった。ラストはあれで良かったのだろうか。ちょっと最後は展開を急ぎすぎた感じが。。どんな人の人生にも味方になってくれる人はいるし、裏切ってくる人もいる。僅かなボタンの掛け違いが、大きく人生を変えてしまう。あの時もっと素直になれたら、と後悔する前に立ち止まって考えたい。

  • 再読。
    10年前読んだ時は、「何という悲劇…」と思っていたのだけれど、今回は最後に松子の光が見られた気がして
    救われた。

    松子の間違いは、自分の大切な部分を人(男)に託してしまった所かと。
    本当に本当に大事にしたいことは、しっかりと自分の中に入れておかなければ。
    いつ変わってしまうか分からない人間というものに、
    自分の大切な気持ちを預けてしまうのは怖いし
    余りにも脆すぎる。

    同じ本でも読む時期によってこんなにも思う事が違うなんて。
    再読っていいなぁ。

  • これでもかと悪い方向に転がってしまうが、決してあり得ない話ではない。死ぬまで、人生がどうなるかは分からないから。
    愛を信じ、誰かに必要とされたい松子の欲求が、いつか満たされることを祈った。最後は浮かばれたかな。
    許すことができるかという物語でもあると思う。すべてのことは、巡り巡って自分に返ってくるから、人を許すことは自分を許すことと一緒だ。

  • だいすき、物語は救われないはずなのに、読むと心が救われる

  • 面白いくらいすれ違いの連続で人生が上手くいかず悪い方向へ向かって行く。
    関わる男もクソみたいなやつばっかで、それでも人生捨てたもんじゃない的な話しが続く。刑務所で美容師目指すところが面白かったかな。

  • 一気に読んだ。
    最初、プライドだけが高くて不器用ですぐ男にはまってバカだと思ってたけど、単純に愛して欲しい、必要とされたいってだけだったんだよなあ。
    切ない。
    もっと読んでいたかったし、もっと松子を知りたかった。
    幸せになれなかったのが悲しい。
    浮上できそうだったのに。
    なんか自分の人生と重ねてしまう部分があってしんどい気持ちがありつつ、前向きになろうとも思えた。

  • 驚きの転落人生。松子を嘲笑うことはできない。彼女は懸命に生き抜いたと思うけど。でも共感もできなかった。
    どうして最初に自分が盗んだことにして同僚の財布から金を盗んでしまったのか。その行動が心底理解しかねたよ。普通に考えればわかる、それは生徒のためにも自分のためにもならんだろう。。。
    父親の愛情に飢えて自己肯定感が低く、己の目的はなく、勉強はできても挫折を経験せずにきた松子。求められ利用されることを愛と勘違いせざるを得なかった切なさよ。
    終盤でようやく穏やかな生活が訪れるかと思いきや、瀧は愛を知らぬが故に松子を恐れて逃げ去った。悲しすぎる。松子、幸せになってほしかったよ。
    甥の笙が松子の人生を理解し涙し怒ってくれたのが唯一の救いだった。

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著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』『代体』『人類滅亡小説』『存在しない時間の中で』など。

「2022年 『SIGNAL シグナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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