青い鳥―シナリオ集〈1〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344405646

感想・レビュー・書評

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  • 脚本家・小説家の野沢尚さんの訃報を聞いた日のことは、
    今でも鮮明に覚えています。
    前の年に読んだ「青い鳥」「眠れる森」「結婚前夜」の3つの脚本から、わずかながらも、野沢さんの考え方に触れて強い共感を覚えました。
    こういう人がもっとたくさんのドラマを作ってくれたら、
    視聴者がもっともっとドラマを芸術作品として鑑賞してくれるかもしれない、そんなことを考えていました。

    朝食をとりながら見ていたニュース番組で流れてきたその知らせに、食器を取り落としそうになるほどのショックを受けました。

    受験勉強に明け暮れた夏。
    なんとか、目標とする勉強をこなせた自分へのごほうびとして、
    脚本作品の文庫版を三冊買いました。

    「追悼」の帯がかけられたその文庫本を手に取ったときに
    たいへんなひとをうしなってしまったのだ、という寂しさや
    悔しさがぐっとこみ上げてきたのを覚えています。

    前置きが長くなりましたが、この脚本が私は一番好きです。

    なぜなら、他の作品に比べて登場人物それぞれが
    深い愛情を抱いている、という安心感があるからです。

    たとえそれが不器用な表現だとしても。

    第一部を終えた時点ではどん底に落とされたような気持ちになりますが、第二部を読み終えると、救われたような気持ちになります。

    セリフの一つ一つが、とても細やかでリアル。
    ヘタに気持ちをぽんぽんとセリフにすることなく、
    間合いの取り方、言い切らなかった語尾に全てをこめている。

    ドラマでしか出来ない表現技法(情景が、セリフや行動を補っていく)を、存分に生かしきった作品だと思います。

    ここからは余談ですが。
    野沢さんは「肉皿」が好物なんだろうなぁ、と推測しています。
    別の作品にもカギになる食べ物として登場するので(笑)
    その話は、またいずれ。

  • 本当に大切なものをどこまで守れるか考えさせられる一冊。

    今から約10年前にドラマで放送されたシナリオ集であり、当時の時代背景も伺える。

    何かを得るためには犠牲は勿論必要だが、得た後にも犠牲を強い続ける、つまり償い続けることができるであろうか。
    また、この世の中で本当に大切なものとは一体、何か。

    不遇な愛と、板挟みの子供。
    スマートな容姿からは想像もつかない不器用な生き方と、無鉄砲なまでの頑なさ。

    とても「運命」という並々な言葉だけでは片付けられないアフェアを、星が綺麗に見える田舎町の駅員さんが巡る物語。

  • 素晴らしい。

  • 眠れる森に続いて。やっぱりシナリオ集は野沢さんの本業なので読んでいて凄く、面白い。最初は自分の中でキャラや場面を想像しながら読んだ後、ドラマではどんな配役だったのかチェックしてまた読み直すと二度楽しる。

    (※一部と二部になぜ分かれているのか最初知らなくて、一部の最後の出来事にはかなりショックを受けた。えっそこで‥みたいな)

  • 言葉にならない表情がそこにはある。

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