永遠の仔(二)秘密 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344405721

作品紹介・あらすじ

十七年後、優希は看護婦に、少年は弁護士・長瀬笙一郎と刑事・有沢梁平になっていた。再会直後、優希の過去を探る弟の行動と周囲に起きた殺人事件により彼女の平穏な日々は終わりを迎える……。

感想・レビュー・書評

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  • 17年ぶりに再会した優希、笙一郎、梁平が、互いのことを気にかけつつ、彼らが出会った頃のことを回想するシーンと、現在のことを描いたシーンが交互に描かれている。

    3人が子供の頃、同時期に小児精神科に入院していたことはわかるが、それぞれがなぜ入ることになったかはまだ明かされていない。

    ある日、虐待が疑われる子どもが、優希の病院に入院してきた。その様子を見た聡志が母親に厳しく当たる。

    全体を通して、子供の頃に受けた心の傷の深さを思い、子どもを育てることの責任の重さと恐ろしさを感じた。

  • 今のところ、家族狩りよりも読みやすい感じです。

    話のテンポもストーリーも全く飽きずに読み進めてます。

    物語が暗い方向に進んでるのが心配ですが。。。
    (ハッピーエンドが好きなので。)

  • 優希が双海病院に入院した理由は未だ明らかにならず。火傷の少女の母親殺しの犯人についても、思わせぶりな記述が続く。
    5巻まで読まずしての途中段階での論評は避けた方が良さそうだ。

  • 天童荒太は初めて読んだと思うが、かなり作家として気に入った。
    彼自身、この本(ストーリー)には相当なチカラが入っているようで、後書きの量もかなりある。
    幼児虐待が根底に流れており、参考にしたという本も謝辞を含めて列挙してあるのだが膨大な量だ。その中に「おたんこナース」も含まれているのが笑えるが。
    単行本で五冊にも別れているぐらい長編小説であるが、一気に読み終えてしまう。
    それほど、ストーリーにグイグイ引っ張られる。続きが読みたくてしかたがなくなる。ある時は午前四時まで読み耽けてしまったぐらいだ。
    そうとう内容が深いので、どういう本とかうまく表現できないのが残念なのだが、是非とも皆さんに読んでいただき、その感動をわかちあいたい。(かなり大袈裟)

    さて、昨夜、夕飯を食いながらTVを見ていたんだが、所ジョージが司会で「あらすじで楽しむ 世界名作劇場」というのをやっていた。
    文学とか名作とか、私にはほとんど解らない。
    昨夜は太宰の「人間失格」を取り上げていた。確か中学ぐらいの時に読んだかもしれない。なんとなくストーリーは解っていたから。
    ただ、改めて昨日の番組を見て思ったんだが、これ、カミュの「異邦人」に似てないか?どちらも主人公はマイノリティで、ストーリーは淡々とすすむ。。。のみ。それだけ。
    番組で取り上げられていた綿矢りさの「蹴りたい背中」も「インストール」もストーリーは淡々と進む、面白い展開など何もない。そもそも芥川賞って、芥川の本もなんか面白いと思った事がないからなぁ。
    文学とか名作とか言われている本で、面白い、感激した・・・とかそう言う感覚を持ったことがない。今回読み終えた「永遠の仔」などと比べたら雲泥の差だ。池波正太郎とか山崎豊子とか次も次もと読みたくなる作家、内容とはまったく違う。
    文学とか名作って、それほど深い物なのか、その深さが理解できないのはダメなことなのか、理解できる事が国語力なのか、、、
    わからない、悩むなぁ。

    さて、次は何を読もうかな

  • 【いちぶん】
    本当は愛したいはずの親が、愛情をかけるのに値しない親だったら……子どもだって、泣きながらでも、やり返すさ
    (p.323)

  • 一巻目を読んでから、大分時間が空いてしまった…。それもこれも、間違って、一巻、三巻、三巻、四巻、五巻なんて買い方をしてしまったせいだ。二巻を買いに行くまでかなり時間がかかってしまって、おかげでストーリーの大部分が抜け落ちていました。まあ、暗い。ここからどう展開していくのか、中学生だったときの感覚では、細かいニュアンスや雰囲気までは覚えていないので、読むのが楽しみで仕方ない!

  • 記録用(感想は(一)に記載)

  • 十七年後の再会を果たした優希は看護婦に、少年は、弁護士・長瀬笙一郎と刑事・有沢梁平になっていた。その直後、優希が固く口を閉ざす「過去」を探ろうとする弟・聡志の行動と周囲に起きた殺人事件の捜査によって、彼女の平穏な日々は終わりを迎える。そして笙一郎と梁平は、安穏とした日常に馴染めない本当の自分を見つけてしまっていた…。

  • 少しずつ過去は語られてきているが、まだ謎のままだ。虐待された人は同じことを繰り返すのか?手あかのついた議論ではあるが、まだ答えのない問いに真っ向から対峙している。
    奈緒子に素直になれない梁平の姿はとても辛くなる。

  • 梁ちゃん無いわー。これはダメだわー。いかんわー。


    だんだん、過去に何があったのかわかってきたぞ。
    それぞれの抱えてるものが見え隠れしてきた2巻。
    それにしても、2人も不審死してるよ。大丈夫かよ。

    虐待されたから、子供にまた虐待してしまう親もいれば、絶対にすまいとする親もいる。梁平はそういう意味で逃げの姿勢ばかり見えてすごいイヤだわ。他の二人の方が前向きな部分が見えて好き。
    このあと変わるのかね?
    とりあえず、なおこさんに謝れ!と思いつつ2巻読了。

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著者プロフィール

天童 荒太(てんどう・あらた):1960(昭和35)年、愛媛県生まれ。1986年「白の家族」で野性時代新人文学賞受賞。1996年『家族狩り』で山本周五郎賞受賞。2000年『永遠の仔』で日本推理作家協会賞受賞。2009年『悼む人』で直木賞を受賞。2013年『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。他に『あふれた愛』『包帯クラブ』『包帯クラブ ルック・アット・ミー!』『静人日記』『ムーンナイト・ダイバー』『ペインレス』『巡礼の家』などがある。

「2022年 『君たちが生き延びるために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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