三三七拍子 (幻冬舎文庫 は 7-6)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344405745

感想・レビュー・書評

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  • 話によるとこの本は太田光さんのエッセイ三部作の一番最後に出版されたそうです。しかし、僕が不勉強な限りで申し訳な意のですが、その辺の事情はまったくわからないで読んでしまいました。でも全く問題はないです。

    この間この本が偶然あったので、 手にとって読んでみました。聞いた話によると、この本は太田光のエッセイ集三部作の最後のひとつらしいのですが、そんなことは露知らず、小一時間ほどで読み終えてしまいました。さらりとよめて、結構面白かったです。こういうエッセイが後に彼の短編小説である「マボロシの鳥」につながっていくのかと思うとなんだか感慨深いものがありました。

    ここに書かれているのは1990年代の末期から2000年のあたりで、当時の太田光がどういう目線で世の中を見ていたのかが垣間見えてやはり、彼の視点は、シニカルだけれど、独特のユーモアがあってそこが彼の売りなんだということはかねてから知っていましたが、この本を読んで再確認ができました。しかし、僕が一番面白かった箇所は「十年」というタイトルのエッセイで、妻である太田光代さんと二人で籍を入れた日と、その十年後の結婚記念日で同じ渋谷にある台湾料理店で食事をしていたときのことがかかれてあって、結婚したときと十年目の結婚記念日に注文したメニューがフカヒレスープを除いて全て同じだったということや、

    太田光代さんが結婚したときの食事の帰りに
    「十年後のお互いに手紙を書こう」
    と提案され、十年後に同じ台湾料理店でそのときお互いの書いた手紙を読む。その様子がなんとも仲睦まじく思えました。そのとき感じたことを彼はこう書いていて、以下に紹介すると、
    「なんと幼かった事か。私たちは、何も知らなかった。あの時、ここでシジミを食べていた頼りない私達が、その後の十年の間に起きた様々な事をどうして解決出来たんだろう。それは奇跡のような気がした。」
    と述懐されてあって、太田夫妻の『絆』の深さをうかがい知ることが出来ました。そのほかにもサッチーの学歴詐称問題や、神の国発言など、当時の雰囲気を忍ばせる旬の話が彼独自の切り口で紹介されてあって、今読んでも楽しく読むことが出来ると思います。

  • 一番好きな項は「表現」
    「言葉では表現できないような複雑な感覚・・それを人に伝える為には、自分の中の漠然とした複雑な感覚を誰にでも解る具体的な”わかるもの””みえるもの”に変える作業が必要で、それが芸だと私は思っている。」

    「少年達は自己表現をしているつもりでも、人々が見るのは、彼等が起こした事件であって、少年自身ではない。彼等は自分の表現に、自分の存在を無視されることになったのだ。・・・少年達は、表現するということを甘く見ている為に、何も伝えられずにいる。」

    ここの「表現を甘く見ている」っという言葉は残るなぁ。

  • 太田がすきである。頭がよく、危なっかしい人だ。何か小難しい文章を書くのではないかと。その点では裏切られた。明快な言葉と流れで書いていた。上手とは言いがたいし、帯についていた「こんなに深いこと」でもない。それでも私は感激した。それを選ぶ太田が好ましいからだと思う。

    爆笑問題のススメでみせるような、根本的な問題に真面目になったり、実体験を話す無防備な「ゼロ」に戻る状態もある。そうかと誠実に読んでいると、ふざけたものをいつの間にか混ぜていたりする。ゼロの読者を、外から傍観させるポイントのある、憎らしくも照れ笑いを誘う体験だ。ゼロと外のコントロールなんて、こんなものでいいのだと言っている気がした。まさに意識における「トカトントン」。

    高校の同級生を思い出した。非常にもてた男の子だったのだけど、私はいつも太田と被るなあと思っていた。飄々としていて、私と同レベルに物理のできが悪かったけれど、難しい漢字をいっぱい知っているような人だった。来年同窓会があるけれど、太田っぽさが薄れていたら嫌だなあなんて考えていたら、夢に出た。

  • 太田さんの本の中で一番面白かった。
    これを読んでいると、自分も小説とか、色んな想像をしてみたくなる。
    そんな背中を押してくれて感謝してしまう。
    なんで太田さんの考えにいつも共感してしまうのだろうか。

  • うまいんだよな太田

  • 忌野清志郎に太田光が怒られていた。
    反論したが最後は考え直していた。
    こうして人は成長するのね。

    田中が泣きながら云った。
    「いつからこうなっちゃったんだろう。昔は本当に仲良かったのに、いつの間にかお前だけ成長して。俺は全然成長していない。」
    太田は云った。
    「そんなの、知るか。」
    中沢新一は云った「田中が妻で、太田が夫。」

    TVブロス掲載のエッセイに特別対談を追加して編集。2001年初版。

  • 高校生の頃には太田光に影響を受けた気がする。この本にも少なからず影響を受けた。

  • 笑えた。
    考えてることがほんと面白い。

  • 図書館本。
    私のいく図書館は爆笑問題の本が結構おいてある。
    一時期結構読んでたけれどこれは未読だったので。
    太田節。

  • 10年前に出版された爆笑問題太田光氏の本。
    今でも人気を博す太田氏だが、10年前と今とでは、語っている事は大して変わらない。

    「それ、何度も聞いたよ!」

    突っ込みを入れたくもなるが、それがいつも新鮮な話に聞こえ、毎回笑えるのはなんででしょう?

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著者プロフィール

一九六五年埼玉県生まれ。八八年に田中裕二と「爆笑問題」を結成。二〇一〇年初めての小説『マボロシの鳥』を上梓。そのほかの著書に『違和感』『芸人人語』『笑って人類!』などがある。

「2023年 『文明の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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