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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784344406100
作品紹介・あらすじ
15歳の夏、恐ろしい病魔が少女から青春を奪った。数々の苦難が襲いかかる中、日記を書き続けることが生きる支えだった。最期まで懸命に生きた少女の言葉が綴られたベストセラー。
感想・レビュー・書評
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筆者の木藤亜也さんは「脊髄小脳変性症」という病気にかかる。この病気は、運動をするのに必要な脳の神経細胞が変化し、ついには消えていってしまう病気であり、病気の進行とともに、徐々に全身の運動能力が蝕まれ、寝たきりの状態となってしまう。通常は、発症から5~10年で亡くなるのが普通である。
木藤亜也さんは、中学生、14歳の時にこの病気が発見される。そして、25歳の時に亡くなる。その間の(といっても、20歳までの)ご本人の日記の抜粋を中心に書籍化したのが本書である。
この病気は、人の助けがなければ生きていけない。日記には、時に、自分の世話をしてくれる人たちへの遠慮や感謝が書かれていたり、逆に、なぜ自分がこのような病気にかかってしまったのかという不運をうらむ気持ちや、日々進行していく病状に絶望を感じたりということが記録されている。それは、涙を誘う記述であるし、また、けなげであり、この子が頑張っているのだからと励まされる気持ちになったりもする。
本書の救いは、本書の最初の出版が、木藤亜也さんが存命中になされたことだ。それは、本人や家族の励みや救いになったはずである。亡くなられたのは、1988年5月23日なので、既に35年が経過する。これだけの長い間、読み継がれてきたことがよく分かる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人の人生、我が人生 生き抜く力
脳の細胞が消滅し始め身体的機能が全て失われていく先天性の病気で発病から6年間日記を綴ることで懸命に生き抜いていたが、その後4年間は生きる屍のような辛い余命だったに違いない。その亜也さんが最後に先生に聞いたことは「先生、私・・結婚できる?」という少女の切ない夢と希望だったのが印象に残った。また、残された兄弟姉妹の「人を思う優しい心」がみんなに伝わり教訓となったことは、姉亜也さんの短い人生でも素晴らしい遺言になった気がした。「生き抜く力」をもらった気がした。 -
何年ぶりかの再読でした。
以前読んだ印象とはまた違って、今は親目線での気持ちがとても心に刺さります。
人の重荷になって生きている気持ち、想像するだけでも苦しくて仕方がありません。
それを支える家族や医師たち、信頼関係や愛情が最後のときまで気持ちを支えてくれていたのだと感じます。
私自身も悩んで壁にぶつかって、足踏みの毎日だと生きていましたが、もっと強くならなきゃと思いました。 -
読後感じたのは『えらい』です。
何故えらいのかは上手く言えませんが、一つ間違いなく言えるのは『自分には出来ない』事だと思う。
ご本人は相当辛かったはずだけど… -
意識は清明、知能は保たれたまま身体の機能だけがどんどん衰えていく脊髄小脳変性症という病気。
中学から高校という、人生で最も楽しく、キラキラと輝く時期にその病気にとらわれてしまった亜也さん……
その境遇を思うだけで、涙がでてくる。
でも、彼女はどこまでも清らかで前向きで…健康な人を妬むことも、自分を排除した人たちを恨むこともなく、『今の自分にできることをする』ということに真っ直ぐだった。病気や運命を呪うこともあっただろうに、書かれているのは前向きな言葉と迷惑をかけてしまっている家族や友人への謝罪の言葉ばかり。
もし亜也さんが、こんな病気になっていなかったら、どんな輝く人生を送っていただろうと考えると悲しすぎた。
思春期の子どもたちには是非読んでもらいたい一冊。 -
大学の授業で病気の紹介として出てきたので読んだ。(脊髄小脳変性症)
感動を無理に誘うとかではなく、ノンフィクションとして実際の日記をそのまま載せた作品。
難病患者とその家族の心情がリアルに書かれており、とても勉強になった。
他の闘病記のような作品も読んでみたい。 -
そうなりたくて障害になったわけではない、話したいのに話せない、歩き回りたい、走り回りたいのに体が動かないことへの悔しさがひしひしと伝わってきた。
障害というと一括りに見がちだったが、生まれた時から障害を持って生まれる人、途中から障害を持つ人が違うのはもちろんだが、中途の中でも状態が変わらず元気な人と、徐々に後退していく人がいると改めて分かった。自分の意思がある中で出来なくなることが増えるのは悲しいだろうなと感じた。
障害や病気は、いつなるかわからないし、なってはじめて「普通」じゃないことを痛感するんだろうと思う。自分は当たり前の生活を、毎日感謝して送れているだろうか。
失ったものではなく、残されたものに目を向ける、という言葉が素敵だなと思った。 -
主人公である15歳の少女、亜也を難病がおそう。病気が進行するにしたがって、入院生活を余儀なくされ、楽しみにしてた高校生活を送ることはできず、体が不自由で強いられた車椅子生活、など多くの苦難を経験しながらも生きる支えとなっていたのは日記を書くこと。
3度目の入院で山本先生という医者が「医者をしている限り、亜也ちゃんを見捨てないからね」と言ったことは弱っていた主人公とその母親をどれほど気持ち的に救ったかと考えると1番印象的な部分でした。
主人公の亜也がかかった難病のように、医療が発達した現在でも治せない病があるのが現実で、この本を読んでより考えさせられた。今現在、健康に毎日を送ることができていることを幸せだと感じ、毎日を生きていこうと思える作品でした。
本館3階東閲覧室(人文系)
請求番号 916 Ki
ハンドルネーム だく-
涙物はあまり読みませんが、なにか辛いことがあったときにでも読んでみたいと思いました。
ハンドルネーム ちょす涙物はあまり読みませんが、なにか辛いことがあったときにでも読んでみたいと思いました。
ハンドルネーム ちょす2019/12/03
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病と闘いながら懸命に生きた亜也さんの実話。
多感な時期に病にかかり、日々自分の体が自分の意思で思うようにならなくなっていくことに向き合い生きていく少女の強さと儚さ。
彼女を支える家族、友人、医療関係者のノンフィクションは現在健常者として当たり前の日常を過ごしている私の心に一条の光を照らしてくれた。 -
ドラマを観て、実際はどうだったんだろうと思って読了。
やっぱりドラマみたいに、優しい彼氏がいたり、クラスメイトが歌を歌ったりはない。
ただ亜也ちゃんは、すごく優しいし、できるだけできることをしようと頑張ったんだと伝わる。
お母さんをはじめ周りの人も優しい。
亜也ちゃんがいう、決して何の役にも立たなかった人生などということはなかった。
みんなに必死に生きる大切さを教えた。
事実入院中の他の患者さんにも刺激を与えたようだし。
木藤亜也の作品





