幸福の軛 (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎 (2005年10月6日発売)
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本 ・本 (468ページ) / ISBN・EAN: 9784344407060

感想・レビュー・書評

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  • 中学校で起こる猟奇殺人の話。
    中原よく出てくるな、犯人だったらいやだな、と思ってたら犯人だった。壊れてしまった、鬼に憑かれた子供、その原因は親の愛がないこと。そこに原因を求めるのはもやっとする。追い詰められるいじめ、暴力がなければそんなことにはならなかったし、完璧に愛を注げる親なんて幻想。
    館林の言う、中原さんは間違ってたよ、はそうだなぁと思う。

  • 犯人が分かってからは微妙


  • サカキバラ事件を彷彿とさせる出だしながら、その類似性や猟奇性の追求はない。

    出てくる心理カウンセラーが2名いるのだが、片方の必然性が見えず、なぜに2名にしたのかわからず。
    ちりばめられた登場人物の心象描写がほとんどないためまったく誰にも感情移入できず。
    犯人役に途中恋人ができるのだが、恋人役も精神的に病んでおり、え、そのつながりでつき合うの?で?
    なんて思っているうちに唐突にやってくるエンディング。
    そこに恋愛ごっこをもってきた理由も見えず。

    ということで、事件は起きるし人も殺されるし当然犯人もいて、さばかれる・・というか犯行が露呈するのだが、
    表面だけをするするなでて、本が終わる感じ。

    ・・・うーん、この人は、短篇の方がよいね。

  • 読んでいて苦しくなるくらい、現代の教育や子どもの闇の部分を描き出した作品だと思う。
    教育について一生懸命に取り組み、子どもと向かい合うことを第一とする教育カウンセラーの中原を軸に物語が進む。
    読後感がいいとは言えないが、考えさせられるという意味ではいい作品だと思う。
    2007年2月23日

  • この本を最初に見たときに、「鬼目羅…」という文字ばかりが目に入り、
    「ああ、あの事件をモチーフにしたものなのかなあ」
    と思い買うのを躊躇した。
    しかし、読んでみると作者が子供の心の問題に真正面から取り組んでいる姿勢が伝わってきた。
    一応ミステリーではあるが、ミステリーとしての評価よりも扱ったテーマに意味のある一冊だと思う。

  • 安心して読めました。犯人はわりとすぐにわかりましたが。もうパスティーシュは書かないのかな?

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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