つぶやき教師 (幻冬舎アウトロー文庫)

吉川勇

• 幻冬舎 (2005年12月1日発売)

感想・レビュー・書評

[キじばと。。さんの感想 · 2017年8月28日]

38歳で高校教師の上原は、２歳年下で元ミス大学だった聡美と結婚しますが、早漏のために彼女を満足させることができずにいました。さらに、彼女が妊娠中に同僚教師である後藤政志に誘われてファッション・ヘルスに行ったことがバレてしまい、それ以来彼女から愛想を尽かされていました。

そんなある日、今度はアイドル顔向けの美少女である堀江菜穂子に誘惑され、彼女にフェラチオしてもらいます。さらにその後も彼女は上原をホテルに誘い、お小遣いの10万円を要求しますが、上原は後先のことを考えず、喜び勇んでホテルに入り、しつこいクンニリングスで彼女を責め、その後セックスします。しかし早漏の彼はたちまち達してしまい、10万円を受け取った菜穂子はさっさとホテルを後にし、空しい気分で一人残されることになります。しかも、菜穂子が援助交際を申し出たのは佐川という男子生徒たちの差し金だったことが明らかになり、上原は彼らから脅迫されることになります。

一方で上原は、後藤の幼なじみで建設会社の専務を務めている大沢という男と知り合いになり、彼らといっしょに風俗店を訪れたり韓国に旅行してカジノを楽しんだりしますが、やはり後先考えずに金を使ってしまう上原は、大沢からの借金を重ねていくことになります。

ところが、上原が借金を返すめどが立たないことを知った大沢は、元ミス大学である聡美を抱かせるよう、彼に迫ります。上原は大沢を家に招き、彼に迫られるまま聡美を襲わせます。それでも彼は、隣室で２人のセックスしている様子をうかがうことしかできません。その後も聡美は、夫の借金を減額してほしいと大沢に申し出て、彼とホテルに出かけていきます。上原はそんな妻の行動を止めることもできませんが、彼女から大沢を刺してしまったという連絡が入り、ホテルへと駆けつけます。そして最後に、思いもよらない結末を迎えることになります。

実用目的の純官能小説ではなく、ハードボイルドなストーリーと、主人公である上原の冴えない一人称語りのミスマッチを楽しむ作品という印象です。

[tana-pさんの感想 · 2006年2月16日]

現代にあるべくしてある本だと思いました！！