ひな菊の人生 (幻冬舎文庫)

著者 :
制作 : 奈良 美智 
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1295
レビュー : 124
  • Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344407824

感想・レビュー・書評

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  • 奈良美智とのコラボレーション。ひな菊の一人称で語られる、淋しい夢を見たかのような物語。主人公のひな菊と、他の登場人物との関係性がなんだか希薄だ。かといって、ひな菊が孤独だというわけでもない。お互いの間に葛藤や目立った軋轢もない。それでも、ひな菊は一人暮らしを選ぶ。日常はありふれていつつも、輝きがないわけではない。しかし、「たった一瞬前のことだというのに、もう時間は戻らない」。環境こそ違え、同じような人生を送って来たはずのダリアは亡くなり、ひな菊は彼女の生を生きている。はかなさの中に暖かさのある物語だった。

  • 「天とか運命とかは、首の事故で彼を俺たちから奪うことはできても、あの楽しかった時間を奪うことは永遠にできないから、俺たちの勝ちだと思うんだ。」
    自分が経験したこと、関わった人と過ごした時間、それらの積み重ねが人生だと思わせてくれる。大切な人を想い出しながら読んで胸が熱くなった。

  • 別れのときが来ると、いいことばっかりだったような気が、いつもする。思い出はいつも独特の暖かい光に包まれている。私があの世まで持っていけるのは、この肉体でもまして貯金でもなく、そういう固まりだけだと思う。

  • しびれた。

    70ページのこの部分。深い。

     「なにかを徹底的に受け入れようとすることは、
      この世で起こっていることに関して普通の百倍
      くらい敏感になることだった。決して鈍くなって
      乗り越えようということではなかったように思う。」

  • 奈良美智の挿し絵が、意外に説明的であった。
    どれも、各場面を忠実に説明した挿し絵で、これは、奈良さんでなくとも良かったのではないかとも思った。

    主人公が、母親と同乗した車で交通事故にあい、母の死を隣で目撃するシーンがあるが、私は私の母が死ぬのではなく、私の息子から見て、私が死ぬシーンを想像してしまい、息子の絶望たるや、とそういう感情移入の仕方をして、可哀想な息子、と、私は死んでもないのに、息子が悲しみにくれる様子を勝手に思い浮かべて、涙が出てしまった。無駄な涙だ。私はこれからも生きるので。

  • どんどんかがやきをなくしてるね。ねたぎれか、旬が終わってるでしょう

  • 一章ごと、一冊丸々でも読みやすい長さ。
    よしもとばななの描く人間関係の波長というか、細々であったり見えないけど根深い縁というものがいいなあと感じた一冊。

  • よしもとばなな氏が好きかと問われたら、はいと言えない気がする。それなのに、作品中そこここに言葉のきらめきを感じる。それが私がよしもと作品を読む理由になっている。この作品は驚くほど何も起こらない。ただ、個人的に今現在生と死についての考え方が変化してきているので、この作品のラスト数行は気になるものだった。

  • どこかの学長がスマホをやめて読書をしろという演説をしたらしいから今日は小説を読んでいた。よしもとばななの、死と焼きそばとお好み焼きとダリアと首と夢というとっ散らかったキーワードの小説だった。でもこれを読んでいる間あらゆる思い出が蘇っては消えていった。

  • ばななさんコンプを目指して再開!再会!わりと薄い本(あの意でなく)が多くてそれも短編集が多いので飽きっぽい私には ほんとうに持ってこい。高校の美術の先生が奈良美智さん好きだったので、見るたびに懐かしい

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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