- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344408302
作品紹介・あらすじ
七十五歳になる周作は、真珠湾攻撃から五十年の節目に、戦友の早瀬、栗城とともにハワイへ向かった。終わらない青春を抱えて生きる男。その男を生涯愛しぬいた女の死。人生の輝かしい一瞬を求めて、男ははばたく。感動の長編小説。
感想・レビュー・書評
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序盤は、戦争の残酷さを全面に出す物語なのかなー、小枝の日記キモいなーとか思いつつ。読み進めると、自分の人生にも繋がってくるようなエピソードがたくさん盛り込まれ、小枝の日記も気づいたらこんなにダンナを思える人って羨ましいなーと思えてました。
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75歳の戦争経験者、それゆえの頑固さという点でなかなか主人公に共感することができず、ページをめくる手がとまらない!とまではならなかったのが正直なところ。
しかし、そうはいってもやはり、辻仁成の文章そのものには惚れ惚れしながら読み進めた。
何気ない情景や心情が辻仁成の筆にかかると何だか耽美なものに昇華されるのだ。
辻仁成は日常を切り取る眼差しが他の作家のそれに比べて繊細で、そしてそれを表現する言葉の解像度が高いといつも感じさせられる。
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青春の末期。
人生終わりに向かおうとする75歳。
でも心は何も変わらずに歳を取るんだなぁと、あらためて感じました。
後悔をしたくない…誰しも思うであろう気持ちに、一つの答えを貰ったような気がしました。
認知症で壊れていく自分を見せたくないと思う小枝の気持ちも、真っ直ぐで素敵だなと思った。
素敵な物語でした。 -
2013.9.11
おじいちゃんの気持ちに少しは近づけたかな。 -
周作への愛が詰まった小枝の日記は
愛くるしさと刹那さの両方が胸にささる。
少し現実離れするシーンもあるが、
ハワイでつながっていく人間関係の展開は
とても心温まる作品となる。 -
読みながら、20歳の頃はまだ良さがわからなかっただろうな、と思ってしまいました。
すれちがう男と女。
また10年後に読んでみたいかな。
広島育ちで子供の頃平和教育を受けてきたわたしは、
戦争の話は読むだけで暗い気分になります。
消化できないな… -
戦争を共に戦った戦友達がハワイに向かって、青春をもう一度取り戻そうとする。
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ダイヤモンドヘッドに行ってみた
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「人生を諦めた時が青春の終わり」
→ 死ぬまで青春していたいね。。
「戦争おいて本当の悪を見つけ出すのは難しい。正義と言う言葉をもっとも警戒しなければならない」
→ おっしゃる通り。正義って、言葉自体がうさんくさいと思う。。 -
過去と現在の間を行き来しながら、未来志向の結末を迎えるのは、辻氏の作品によくあるパターン。陰鬱な幕開けから、弱々しくても一筋の希望の光が見えて、そこから先の物語は読者に委ねられる。
気分よく気軽に読むには丁度よい作品だと思う。 -
戦争をテーマにした物語。
戦争が終わったあとも、その傷が癒えず生まれ変わろうとする日本や日本人に馴染めない、否、馴染もうとしない頑固者の主人公白河周作。
その頑固さ故に、愛する妻、小枝が自殺してしまう。
死後少しして、戦時にチームを組み、同じ爆撃機に乗っていた二人の戦友と再開し、盛り上がったままに三人で真珠湾へと向かうことになった。
そこでは自殺してしまった妻にそっくりなガイドのケイトをはじめ、その母で日本人の佳代や、庄吉やウィリアムスなどの日系人たちと運命的な出会いをする。さらに当時三人が乗っていたものと同じ型の九七式三号艦上攻撃機とも奇跡的な出会いを果たした。
庄吉と父親との願いでもあったその機体を飛ばすことを三人も実現させようとする…
生前の日記の内容を随所に盛り込み、心の底に秘めていた小枝の想いと、今になってそれに気付いた周作の後悔とがありありと描かれている。
戦争とその後の日本、愛や家族、日本とアメリカ、そして日系人たちの苦悩など。さまざまな思いが描かれた感動的な作品。
夏前のこの時期に読むことができてよかった。 -
これも大好きな1冊。
サヨナライツカと青空の休暇は辻小説の中でほんとにツートップで好きな作品。 -
すごく温かい気持ちになれる一冊だった。
戦争で戦った3人の男が再会し、もう一度青春を求めて旅に出る話。
時代を感じる話だったけど、心にジーンときました。 -
なんか好み
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気持ちはいつも、全ては伝わらない。
伝えたいものほど、特に。
大切なものをどうしたら大切に出来るか考えさせられる。 -
あ、新しいの出てる!
と思い買ったのにw
文庫版ではタイトル変えてただけかよwwww -
うーん
ちょっとほろっとするところもあったんですが、結局辻仁成はこの作品で何を書きたかったのか?
よくわからなかった。
当然この作品でも過去にすがる主人公です。あしからず -
辻仁成って手紙とか日記形式の作品のイメージがなんか強い。
今回は、いまいちパッとしなかった。
でも、ハワイって観光地の色が強いけど、日系人といい、真珠湾攻撃といい、結構ウラな面が多いの改めて感じた。 -
この本はすごくよかったです。
読み終わった後、しばらくボーっとしてしまいました。
主人公とその戦友の「友情」、ハワイで出会った人々との「出会い」、
登場人物達の「家族」、友人・妻の「死」から「人生」を、
考えさせられちゃった・・なんだか。
あっという間に読み終わってしまいました。