プワゾン (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎 (2006年8月1日発売)
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408319

感想・レビュー・書評

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  • 誰でも共感できるものではないけれど、もしも同じ経験をしたとしたらどれも間違いなく1番鮮やかな走馬灯になりそうな、濃厚な10の恋愛エピソード集。
    恋愛なんて個人的なもの。誰かに誇れたり憧れられたりするものなんかじゃなくていいんだ。自分の中にだけ残ればいいんだ。とふと思った。

    題名にもなっている「プワゾン」がわたしには1番グッときた。自分のことを好きになれない人は誰かを好きになることもできないけど、自分のことは好きでいられるけど誰かを好きになれない人は、そこはかとない切なさを抱きながらも何とか生きていくことはできるんだろうな。
     ー 「プワゾン」と「ル・デ」のどちらが、より私に似つかわしいのか、教えてくれる男はいない。ただ自分の体が香水を必要としないほど無臭で、水のようにおもしろ味に欠けていることは知っていた。私はどこまでも閉じられている。おそらく開かれることはないだろう。

  • 私とは別世界の大人の恋愛話。でもドキドキと切なさは共感できるかな。女は蜜と毒を隠し持つ。どちらが出るか、両方出るか、それともどちらも奥底に隠し持ったままなのか(-_-)藤堂さんの作品がいつも本屋で私を誘う…

  • 「人は誰でも心のすみに、
    ひっそりと自分の死体を積み上げている。
    生き続けながら、幾たびか 
    人は誰も知らないところで 
    自分を殺し、あるいは殺され、
    その亡骸を葬って今につないでいる。
    自分の無残な死を繰り返しながら、
    だから、今なお
    いき続けられるのではないか」

  • 短編10作が収めれている。とりわけ、「ある関係」、題名になっている「プワゾン」、そして「ピアノ・コンチェルト」の3編は私の琴線に響いた。日頃、このような作品を書きたいと願っている身としては大いに参考になった作品である。
    女性目線の愛の形を書かせたら右に出るものがいないという著者の感性にあらためて感動した。

  • 大人すぎてわからなかった。
    私は子供なんかなぁ。

  • 死んでやる、死にたい、
    こういう言葉を安直に口にする人間は、
    その状況がどうであれ、私には許しがたい卑劣さに感じる。
    ひとはだれでも心のすみに、
    ひっそりと自分の屍体を積み上げている。



    死んでやる、そう言える物は、
    きっと心の中に一個の自分の屍体も持たない、
    幸福にも鈍感な人間に違いない。
    『プワゾン』藤堂 志津子著

    そうそうだから安易に死にたいって言う人は
    私の中ではルール違反だと思ってる。
    安易に死にたいって言う人は嫌い。

  • 女は男におぼれる。
    人間はなにを求めたいのかな。

    人間は勝手な生き物だ。

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