村上春樹 イエローページ〈2〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408463

感想・レビュー・書評

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  •  大学のゼミでの村上春樹研究をまとめた2冊目。
     「ノルウェイの森」から「ねじまき鳥クロニクル」までを論じている。

     1でも思ったけど、もしかして一番まともな評論かも。
     春樹を論じるとなると、どうも世の中、春樹を通した自分を、好意的にしろ悪意が見えてるにしろ、とにかく自分を論じたものが多数だ。もしくは、作品をとおして春樹という存在を論じたりしている。
     純粋に作品だけ、というのは難しいのかもしれない。
     が、仮に海外の作家であったらどうなのだろう。その人のバックボーンについて語ることは多少あっても、その作品を通じた自分や、その作家を通した自分、などを評論することはあまりないと記憶している。
     
     とはいえ、日本的な部分がないわけじゃない。
     多少、くどい部分があったりして、春樹を通した自分を語るぎりぎりの線で踏みとどまっているところもある。
     うむ。この本の面白さは、その境界を波乗りしているようなところか。

     しかし、前に読んだ斉藤美奈子の「文壇アイドル論」での「村上春樹は、テレビゲーム」というのが、やっぱり一番のように思う。
     うん、これ以上の言葉もこれ以下の言葉もないだろう。

  • まえがきにあるが、まだバブルだとは多くの人は気づかなかった景気の1987-1995年に書かれた春樹の作品を対象としている。
    ホラーテイストが加わり、つるんとした内面のわからない登場人物が増えるが実は僕の換喩的分身だ、というのがおおまかなこの時期の特徴。
    そしてまた「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」で自分語りをして「デタッチメントからコミットメントへ」とかなんとかかっこつけてようわからんことを言っているが、それを詳細に分析した本だともいえる。
    噛み砕いていえば……。
    春樹も学生運動の影響で青春を過ごし、作品を発表する以前には社会参加の時期があった。
    たまたま作家デビューの時期がそこからの撤退に当たっていたので、アーバンな印象があった。
    しかし作品を発表し続けるうちにやはり社会へのかかわりが必要に感じられ、むしろ学生運動そのものではなく戦争や暴力性といった、より根源への言及。
    デタッチメントを経たからこそなしうるコミットメントだ。ここにおいては生と死がコミットメントとデタッチメントのニュアンス。
    そして今後、オウムや阪神大震災以後は、社会がデタッチメント=ヒキコモリそのものになっていくので、社会へコミットするとはすなわちデタッチメントへの連帯を深めていくことになっていく、のだろう。
    時代が春樹に追いついた的な。
    いずれにせよ3巻を読もう。

  • 2008年12月1日~2日。
    「納屋を焼く」の解釈、とはいっても作者の知人の中学生の娘さんの解釈だけど、は目から鱗。あれって凄く怖い話だったんだなぁ。
     まあ、解釈なんてのは人それぞれだから、それが正解ってことでもないだろうし、その意味でいけば、この本の内容だって正解という訳でもないだろう。
     それでも「なるほど」と唸らされる場面も多々あり。
     逆に「そうかなぁ」と首を捻る場面も勿論あり。
     それでいいんだと思う。

  • 村上春樹の初期~中期にあたる作品の副読本。村上春樹は同じモチーフを使いまわしているなぁとは思ってはいたけれど、こんな真剣に考えて読んだことはなかったなぁとおもう。そういわれてみれば時系列ってかぶってないんだよなぁ、とか。表面だけをそのまま受け取らず深読みしてみようと思う。『国境の南、太陽の南』を今一番読みたいかもしれない。たまってる本を読み終えたら春樹祭りでも開催しようかなぁ。

  • 『敗戦後論』もそうだったが、やはりこの著者の文体は、どうも自分には馴染まない。書いてある内容がよく理解できないのである。
    もちろん、自分の読解力不足ということも手伝ってのことであろうが、何かを伝えようとするときには、できるだけ伝わりやすくすることを心がけることが必要なのではなかろうか。
    文中のコラムや欄外の注も、煩瑣なだけで蛇足である。

    文芸評論の「書き方」という不文律のようなものがあるのかどうかは知らないが、一般的に文芸評論は読みにくいものが多いという印象である。この著作も例外ではない。

    内田先生が解説を書かれているので、何とか最後まで読み通したが、今後この著者の著作を手に取ることはないだろうと思う。

  • 国境の~を読み終わったため、やっと解禁。

    このシリーズ、やっぱり良い!
    単行本を読んだ人は是非読んでほしい。

  • 売却済み

  • アマゾンで推薦されるがまま2冊同時に購入してしまったのでイエローページ(1)に続いて一気に読んでしまった。新年早々仕事に向かわない頭のリフレッシュになった。国境の南はもう一度読み直そうかな。

  • 3/11 デタッチメント=コミットメント.井戸があふれ出す.

  • 2006.10読了

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著者プロフィール

加藤典洋(1948・4・1~2019・5・16) 文芸評論家。山形県生まれ。1972年、東京大学文学部仏文科卒。国立国会図書館勤務、明治学院大学教授、早稲田大学教授を経て、2014年、同大学名誉教授。85年、最初の評論集『アメリカの影』刊行。97年、『言語表現法講義』で新潮学芸賞、98年、『敗戦後論』で伊藤整文学賞、2004年、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で桑原武夫学芸賞を受賞。主な著書に『日本風景論』『戦後的思考』『もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために』『9条入門』『完本 太宰と井伏 ふたつの戦後』『大きな字で書くこと』などがある。

「2020年 『村上春樹の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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