「薔薇族」編集長 (幻冬舎アウトロー文庫 O 77-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408647

感想・レビュー・書評

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  • ノンケの編集長手掛けるゲイ専門雑誌、ゲイの方々への思い、歴史をつづった本。
    紙質や価格へのこだわりは、ゲイの方々への、思いやりなのだなと。
    今でこそ認知が上がってきたけれど、メディアで取り上げられてるのもほんの一部。
    薔薇族が創刊された時から、同性愛者のために雑誌を作ったり喫茶店を開いた編集長の思いを感じた一冊。

  • いい話。昭和、風俗、交流形式などなど興味深いトピック多し。あと編集長の読者への愛。

  • 2011年14冊目

  • 1208夜

  • 先駆者伊藤文学氏と雑誌『薔薇族』に纏わるノンフィクション。創刊までの話や事件なども書かれているが、一番著者がしたかった事は、「偏見、差別をなくす事や肩身の狭い思いをしている人達に仲間を」という事。今でこそ、カミングアウトしている芸能人も多いし、ヘテロ以外の性向を持つ人は住みやすくはなったのだろうと思っていたが、余り変わってはいないのだな、況んや昔の人をや、という感想。日本は世界的に見ても男色文化というか性文化はおおらかだったはずだが、明治の近代化で覆されたのかな、と。

  • 編集長はノンケ。
    意外だった。

  • 『薔薇族』を創刊した伊藤文学氏の、
    創刊から今日に至るまでの全てを詰め込んだ一冊。


    大多数の人には 心に残る本 というのは存在すると思う。
    衝撃だったり、感銘だったり、あるいは、
    人との関わりに間接的に存在したり。

    子供のころに繰り返し読んでもらった絵本。
    悩み多き頃に涙を流した本。
    自分の行く道を決めたスポーツマンガ。

    そしてこの『薔薇族』はきっとたくさんの人の人生にまでも
    多大な影響を与えたのではないかと思う。

    薔薇族というのは今や、知っている人は当然知っている、
    知らない人でも知っている、ホモ雑誌だ。

    今の時代であれば『個』や『少数派』というのは
    一種の誇りにさえなりうるし、ネット時代においては
    マイノリティはマイノリティでさえなくなっていることに
    気づかされるほど仲間を見つけることは容易だ。

    この国ではたぶん戦中教育から格段に強化されたと思うが、
    「人と違う」ということをえらく恐れる風潮があったと思う。
    それは、地方に行けば行くほど厳しく、その中で
    自分の中の「人とは違う」部分を「自分が認める」ということは
    どれだけ困難なことだっただろう。

    しかして ほんの30数年前、ある日偶然その雑誌を手にし、
    そして「そういう世界」があるということを知った人の
    当惑感、いや、安堵感はいかがなものだったろう。

    やはりどんなに「個」を尊重する時代がきても、
    一般社会で生活する上ではマジョリティに存在していることへの
    安心感、依存心は無くなることはない。

    そういう人たちに向けてこそ「自分を認めよう」という
    意味をこめたこの雑誌は存在意義が高かったと思う。

    そして、ひっそりと、息づき始めた読者と伊藤氏との関わり。
    意図しない方向へ持っていかれそうになった出来事
    (特にエイズ問題は大きい)
    いろいろな艱難辛苦や思わぬ出逢い、時には
    生死をもかけた読者のエピソードなど
    裏側で起こっていたことはどれも衝撃的だ。

    私がその存在を知り、それを初めて手にしたのはいつだったか
    忘れたが、同性愛という存在は少女マンガでも普通に
    取り上げられるものだし、「そういう世界」が存在していることは
    歴史上でも多々あることでそんなに抵抗なく手にしたと思う。

    だが、そこにある「リアルな世界観」は、それまで少女マンガで
    耽美的に取り上げられてきた同性愛とは かくも隔たった世界かと
    大きな衝撃を受けたことは覚えている。

    普通の(?)エロ本でもアダルトビデオでも、男性向けのものは
    往々にして直接的だから、薔薇族がそうだったというのも
    今思えば不思議ではないのだけれど。。。

    ま、思春期にはいささか刺激が強かったわけです(笑)

  • ¥105

  • 大切な歴史。

  • 2006/12/7〜2006/12/18

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著者プロフィール

(いとう・ぶんがく)
1932 年東京生まれ。出版社の経営者、雑誌編集者。
日本初のゲイ雑誌『薔薇族』の創刊者・編集長。

祖父は救世軍士官で廃娼運動(女郎の解放運動)を
おこなった伊藤富士雄、
父は第二書房の創立者である伊藤禱一。
先妻は前衛舞踏家の伊藤ミカ、
末の妹はノンフィクション物語『限りある日を愛に生きて』
『ぼくどうして涙がでるの』に登場する伊藤紀子。

趣味は西洋アンティークや古着の収集で、
ロマンの泉美術館の設立、同館での蔵書票の
展示などにも携わった。

「2015年 『【オトナのぬりえ】やらないか!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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