哀しい予感 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1308
レビュー : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408951

感想・レビュー・書評

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  • 吉本親子の対談を読みましたが、ばななさんの描く世界は「好き」という場だ、とお父様が指摘していました。

    それを読んでからこれを読むと本当によくわかります。
    現実世界では絶対にありえないけど、「好き」という場。

    それぞれが絶対に信じていて、絶対に好きで、
    ほぼ完全に理解し合っている。

    不安定で悲しみ漂うところ、も含めて、読んでほっとしました。

  • ばななさんの中でわたしのトップスリー。

  • はじめの、おばさんの家を訪ねるときの描写がとても綺麗で魅力的。
    この物語は(実の両親が死ぬなど)悲しいシーンもあるけれど、通して柔らかい幸せに包まれているような感じがする。あとは珍しいほどにラブストーリー。愛の多い物語だった。
    サウスポイントと同じくらい好き。

  • 学生時代から、数回は読んでいる本。「主人公がおばさんの家に住む、かっこいい男の子が出てくる話」という印象を持っていたが、20代後半になったいま読み返すと、主人公ではなくゆきのの視点で読んでいる自分に気がついた。年を取りながら、繰り返し読める本があることは幸せだなあ。

  • 哀しい予感、というタイトルと同じ分量の哀しさが込められた作品であるにもかかわらず、終始物哀しくならないのは、登場人物たちの前向きさや価値観や、紡がれる言葉の一つ一つに生やユーモアをまざまざと感じさせる、溌剌さや力強さがあるからだと思います。
    甘酸っぱくみずみずしい恋愛要素もまた、哀しい予感の要素の一つでありながら、同時に作品に前向きなエネルギーとしての彩りを添えています。
    よしもとばなならしい、分かりやすく深みのある素敵な文章もさながら、恋愛小説としても、現代の純文学としても楽しめる1冊です。

  • 幸せな家庭で育っているはずなのに、幼い頃の記憶がなく、実体のない不安のようなものを抱えている弥生。19才となった彼女は哀しい予感を胸に音楽教師であるおばのゆきのの家へ訪れる。儚く美しい夏の物語ー。【中央館/913.6/YO】

  • 透明感のある話。別に不幸に向かっているわけじゃない、むしろ希望のある話なのだけれど、そこかしこに悲哀が漂っていていちいち胸を締め付けられる感じがした。みょうにわかり合ってしまう叔母との絆、姉弟の互いへの恋慕と、忘れられた子供時代の模索、っていうどれもこれも性癖にヒットするような本でした。よかった!解説で石原さんが、吉本ばななさんは近親相姦、レズビアンといったモチーフを小説で麻薬的に愛したのは事実である(要約)。ってあったので吉本ばななさんの他の著作も漁ろうと思いました

  • 優しい家族の中で過ごしながら、なぜか子供時代の記憶がない主人公の弥生。彼女はよく家出をする。それを見守る父母と弟。彼女がおばや弟とのふれあいを通じて記憶を蘇らせてゆく。その過程での心のひだを鮮やかに描いている。情景も心理も描写が美しく、登場人物がみな真剣に前向きに、また個性的に生きる人たちなので読んでいて安心できる。ただ読み終ってから、この小説にテーマがあるとすれば何なのか?と不思議に思った。恋愛?人生?旅?自由?信頼?記憶?サイコロジー?

  • 吉本ばななさんのえがく人と人の心が繋がる瞬間
    この本はそれを強く感じます

  • 悪い意味でマンガちっく。
    作者の文体が好きなんですが、今作の文章は他作品ほど洗練されていず感銘を受けるフレーズはありませんでした。

    キャラクターは皆、相手の思考や感情をすべて「知っている」体で話が進むので、一個人ではなく機械的にあらすじをなぞらえていくだけの装置かのようでした。
    相手の考えていることがわかる・知っているというのは親密さの現れですが、今作のようにこうも始終どのキャラもテレパシーでも使ってるかのように他人の思考を読み取る展開の連続だと、親密さの表現ではなくご都合主義、個人同士のコミュニケーションが描けていない、心理描写がヘタという印象を抱かずにはいられません。

    設定自体は使い古されたマンガみたいな話なので、文章や心の機敏の描写のほうを期待していただけに残念。

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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