檸檬のころ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 2191
感想 : 271
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344409224

作品紹介・あらすじ

保健室登校の女友達とのぎこちない友情。同級生と馴染めない、音楽ライター志望の偏屈な女子に突然訪れた恋。大好きな彼とさよならすることになっても、どうしても行きたかった、東京-。山と田んぼに囲まれた田舎の高校を舞台に、「あの頃」のかっこ悪くて、情けなくて、でもかけがえのない瞬間を切ないまでに瑞々しく綴る、傑作青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 豊島ミホは自分でもあちこちに書いているように、決して幸せで楽しい充実した学生生活を送ったタイプの女子高生だったわけではなくて、どちらかというとその対極に位置するような、彼女自身の言い方をすれば「底辺」の女子高生だったわけだ。

    その彼女が紡ぎ出す物語はどれもこれも繊細でナイーブな登場人物がキレイでまるできらきらと結晶化しそうなくらい美しい。

    なんでこういう、高校時代にロクな思い出のない、友人の名もほとんど思い出せないような不遇な青春時代を送った者の琴線に触れるようなストーリを次から次へと作り出せるのかなぁ、と常々思っていたのだけれど、やはりそれは彼女自身の資質もさることながら、独特の「底辺」からあたりを見上げた高校時代の経験のたまものなのではないかなぁと最近思う。

    「痛いの」


    凄い!世界ってこんなにも熱いものだったんだ。


    こういう台詞、シチュエーションも含めてなんかもう宝物のように感じるね。
    彼女が創作活動をやめてしまっているのが本当に残念。

  • 高校生の頃、教科書に載っていた「檸檬」という小説にちなんで、国語の先生が勧めてくれた本。

    高校生の独特の青くて尊い感じがいっぱい詰まった本で、東京に行っちゃうから彼と別れる話、何回も泣きながら読んだ。

    けどこれ、大学の図書館で見つけて読み返したら、あの時みたいに心が揺れなくて、ああこれが歳をとるってことか、とほろ苦くなった本。

  • 自分が高校生だったときのことを思い出しながら読んでいた。
    クラスの中心で、いつもみんなの笑いを起こしていたような男の子、飽きることなくずっと話し続けた女友達、嫌なことがあって学校に行くことがめんどくさかった日も通った通勤電車、あの頃抱えてたたくさんの葛藤…。
    今となっては全てが過去のことだけれど、この短編を読むと、いろいろあった私の青春時代もこんなふうにきらきら輝いていた日常だったんだなあと、過去が煌めいて見えた。
    それはつまり、自分の今の生活もきらきら輝く日常だということ。あの頃があったから今の自分がある。今自分のまわりにいる人たち、日常を形作ってくれているものたちに感謝の気持ちがわいた。
    今日も私の日常を大切に生きよう。

  • 最近短編オムニバス小説しか読んでないな、好きだからしゃーない
    高校生の純粋な恋愛って強いのに弱くて尊い
    自分の出身が田舎の自称進学校の北高だからちょっと親近感〜〜
    最後の話、遠距離恋愛が始まるやつ、めちゃくちゃ切なかった、続かないだろうけど好きって気持ちとか、なんかいろいろ思い出してちょっと泣けた、よかった

  • 取り立てて特別なこともない、高校生活の短編集。

    短編ではあるけれど、すべての作品がつながっているので
    それぞれの人物の日常を楽しめます。


    んー…、あまずっぱーーーーーーーーい!!
    まさしく檸檬の日々ですね。


    個人的には「ルパンとレモン」にキュンときた。
    最後の作品では思いがけず涙ぐんでしまいました。

    淡い恋をしたくなる、そんな一冊です。

  • 過去にブログで書いた感想文の転記です↓

    ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎


    これはもう青春です。青春、ばんざーい!って感じです。「夜のピクニック」を読んだときは、イベント時の非日常青春物語を感じたんですが、これはまさに「お。こんな会話したな・・・」「こんな気持ちとかあったなー!」とか日常青春物語をかんじました。

    とくに「制服デート・下校デート」って言葉が時々出てくるんですけど・・



    「制服デート・下校デートしたかったなぁあぁぁああぁぁ!」



    って思いがこみあげました・・・。

    私の高校時代は、高専でした。

    高専には制服がなく、そしてたいていの人が学校内にあった「寮」でくらしていたのです。

    その時代、付き合っていた方々は寮住まいだったからそもそも「下校」がなかったのですT_T(私は通学生でした)

    女の子はかろうじて、思い思いの女子高生スタイル(中学校のスカートとか利用して)をしていましたが、男の子がわざわざ学ランやブレザーを着るはずもなく・・・

    (あの学校独特の付き合い方も青春だとおもいますが^^)

    一回もしたことないです・・・一度くらいやってみたかったな・・・あの青春時代に。

    あの時代なりに、すごく嫌だったことも悩んだこともあったはずなのに、今思い出すのは自分にとって都合のよい?心地よい思い出ばかり。

    人間ってこんなんだから長い人生やっていけるんだろうなぁ・・・と青春小説を読んで人生について考えてしまいました。

    甘酸っぱくて賑やかしい。でもそういうのがあの時代だったような気がします。好きな人のことばっかり考えて、クラスの女の子でいっつも話してたあの頃が「檸檬のころ」と名付けられるのは、ちょっとだけくさいけど凄く素敵な気がします*^^*

  • タンポポのわたげみたいだね…女子高生のゆるい友情。ここが分かれ目みたいなピンポイントで友を救う。
    金子商店の夏…弁護士を諦め商店を継ごうかという気持ちが諦めとは違う形で揺れながらもまとまっていく。
    ルパンとレモン…本当は好きなのにそれを行動で表すことができないために自然消滅する恋愛。しかも友だちがその子に接近するジレンマ。自己犠牲が素直な気持ちの邪魔をする。
    ジュリエット・スター…ロウソクが印象的だった。ロウソクのこんな利用法もあるのかと思ったが自分にはもはや関係ないのかと思うと羨ましいような寂しいような複雑な気持ち。
    ラブソング…すごい歌詞が生まれる瞬間の感情の爆発が伝わってきた。そしてその歌詞を耳にした人が感情を共有する素晴らしさ。多分経験から生まれた歌詞ほど人の心を強く惹きつけるのだろう。
    担任稼業…小嶋、なんともいいキャラ。目に涙をためるシーンは女の子らしくて好きだ。
    雪の降る町、春に散る花…評価はこの作品。大学進学のため別れる二人、別れが迫っていることを意識しながら最後の時を共にする。誰もが必ず別れを経験する。無情な瞬間は確実にある。それでも著者の性格なのか丁寧で優しさあふれる文字が読む人を暖かく包み込む。悲しさも包まれる。

  • 初めて豊島ミホさんの小説を読んだ。ただ、思ったより豊島さんがすごく若い頃に書かれていた小説ですこし驚いた。

    青春の甘酸っぱさが詰まっている、と言ったらかなり安っぽく聞こえてしまうかもしれないが、「檸檬のころ」というタイトルがぴったりだな、と思った。

    特に好きなエピソードは「雪の降る町、春に散る花」。加代ちゃんは他のエピソードでも出てきているけれど、この回の加代ちゃんには、胸が締め付けられた。加代ちゃんと佐々木くんのピュアな恋愛にはほっこりしてしまう。
    加代ちゃんが「田舎には何もない、東京に行かなくちゃいけない」と決めたけど、加代ちゃんの東京での新たな生活もどうなったのか気になった。
    私自身、加代ちゃんと同じように「海外に行かなくちゃいけない」と出てきた。だからこそ、余計に東京に行ってからの加代ちゃんが気になったのだと思う。

  • 文章は口語的で平易。この本から学べることは何一つないと思う。ただ素敵な学生生活を過ごせなかった大人が感傷に浸るには十分な一冊。あときびすめっちゃ返す。

  • 「私こんな青春しなかった!!!」と、どこか悔しく思いながらも「高校生の青春ってこんな感じだよね!」と感じる一冊。
    これはエンディングじゃなくて、彼らの物語はまだ続くんだ、と思います。

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著者プロフィール

2002年、新潮社「女による女のための『R-18』文学賞」で読者賞を受賞し、同年『青空チェリー』刊行でデビュー。著作に『檸檬のころ』『夜の朝顔』『リテイク・シックスティーン』などがある。

「2010年 『神田川デイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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