孤高のメス 外科医当麻鉄彦 (第6巻) (幻冬舎文庫)

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  • 本 ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344409316

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第六弾。脳死肝移植を成功させた当麻鉄彦。しかし、肝移植研究会からは除名処分を受け、さらに院内の医師からのバッシングにあう。かくして台湾の病院に移籍する当麻。院長が守ってくれなかったのは、ちょっとショック。残されたスタッフは可哀想。

  • 2025.3.1読了。
    久しぶりに6巻もある長編小説を読み終えました。4.5巻はあっという間に読んでしまいました。6巻は4.5巻に比べると、ハラハラすることもなく、落ち着いて読めました。最後のお別れ会の時の看護師さんたちとの別れのシーンはちょっとうるうるしました。
    患者さんや一緒に働いた看護師さんたちは当麻様がほんとに好きだったんですね♡

    せっかく生体肝移植が成功して、医学界に大きな一歩を与えたというのに、マスコミやそれをよく思わない医師たちのために、結局日本の医学界から去って行ってしまう当麻様。
    倫理的にとかいろいろ問題があるのも分かるけど、やはり誰もが患者のことを第一に考えるようになって欲しい、こんな話は小説の中だけで、実際はみんながそうであって欲しいと思わずにはいられませんでした。
    幸い、私の数少ない病歴で診察していただいた先生は、外見は当麻様ではなかったけど(笑)きちんと患者と向き合ってくれる先生たちだったので、そういう先生が大半なんだろうと信じています。

    この先の甦生病院&当麻様と翔子さんの行く末はどうなっていくのでしょうね。
    どちらも上手く進んでいくと良いですね。
    私的には、一途な青木君が、京子さんと上手くいってくれることを願っているのですが…
    *この後、続編もあるようなのですが
    運悪くネットでネタバレ見てしまったので、とりあえずは6巻まででやめることにします。うっかり読んで後悔です……

  • この作品は最初「外科医 当麻鉄彦」という漫画をつくり、それを上下2巻の小説にしたものに、その後 加筆して単行本 全6巻にしたものだそうです。

    クライマックスから とっても 面白くって一気に読みました。
    最後は本当に感動でした。
    信念を持って働く当麻医師の周りにはその世界が広がり、みんなに愛されています。

    この作品の中にはとても多くのテーマが入っていました。
    脳死問題、大学病院の医局体制の問題、地方病院の医師不足の問題、大学間の勢力問題、男女・親子の人間関係 等・・・。

    この作品はずっと手元においておきたい作品でした。

  • 当麻は手術が成功したにも関わらずマスコミや徳武からバッシングを受け、台湾に行くことを決意する。

    日本の閉鎖的な社会をよく現した小説。

  •  巨編小説最終巻。脳死肝移植を成功させたものの、倫理委員会を通していないなどの理由から、かえってバッシングが大きくなってしまう。
     論文で得た権威ばかりにこだわる制度と、医師はメスを執って目の前の患者を救うことが全てと考える当麻の溝は埋まらない。どちらかというと「実践的でいいものはいい」と考える欧米的考え方が権威主義の強い日本にはまだ定着していない。自分の求める医療はどこにあるのか、当麻はある決断を下す。
     全6巻、非常に読みごたえもあり勉強にもなった。

  • 全6巻読了。
    主人公の母に恩義があるという王氏が登場した辺りからラストはきっとこうなるだろうと思ったが、予想通りだった。
    これまでの人生でも色々なドクターと出会ったが、残念ながら主人公の様な素晴らしいドクターに出会えた記憶は無い。
    自分や身内が手術を受ける際には是非当麻鉄彦先生にお願いしたいものだ。

  • とうとう読了してしまいました。
    一生懸命に治療する姿に感動。

  • 1‐6巻を通して、誰もこれもキャラが立っている。
    医療シーンの描写は、著者が医者であることから当然のように細かく、技術だけではなく、医者側、患者側、双方の心情が事細かに描写されており、非常に素晴らしい。

  • 当麻先生カッコいい❗️

  • 当麻の日本での闘いが終わった。脳死肝移植移植を機に、当麻を取り巻く医学界、マスコミの非難。そして彼が勤務する病院内の他科医師達との関係が悪化していく。大学の医局からの派遣に頼らざるを得ない地方の民間病院の苦しさを知れば、院長の言動は致し方ないことだろう。そして、日本ならではのそんな関係性から当麻が台湾への転身を決断することも納得できる。あとがきを読むとBJコミックス『メスよ輝け‼ 外科医当麻鉄彦』が先にあり、本シリーズがそのノベライズであったことに驚いた。

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著者プロフィール

大鐘 稔彦(おおがね としひこ)
1943年愛知県生まれ。1968年京都大学医学部卒。
母校の関連病院を経て1977年上京、民間病院の外科部長、院長を歴任。
その間に「日本の医療を良くする会」を起会、関東で初のホスピス病棟を備えた病院を創設、手術の公開など先駆的医療を行う。
「エホバの証人」の無輸血手術 68件を含め約六千件の手術経験を経て、1999年、30年執ってきたメスを置き南あわじ市の公的診療所に着任、地域医療に従事して今日にいたる。

医学専門書の他に、エッセイ、小説を手がけ、アウトサイダーの外科医を主人公とした
『孤高のメス』(全13巻)は173万部のミリオンセラーとなり、2010年映画化され、2019年にはテレビ(wowow)ドラマ化された。

近著に『安楽死か、尊厳死か』(ディスカヴァー携書)『緋色のメス─完結篇』(幻冬舎文庫)『短歌で綴る折々のこと─田舎医者の回想』(アートヴィレッジ)など。
日本文藝家協会会員、短歌結社「短歌人」同人。

「2024年 『医学と文学の間 一アウトサイダーの生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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