Q&A (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.33
  • (209)
  • (540)
  • (1031)
  • (207)
  • (44)
本棚登録 : 4856
レビュー : 610
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344409361

作品紹介・あらすじ

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず-多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か?異臭は?ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は?そもそも、本当に事故なのか?Q&Aだけで進行する著者の真骨頂。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 久しぶりの恩田陸さん。

    ●都下郊外の大型商業施設において重大死傷事件が発生した。死者69名、負傷者116名。未だ原因を特定できず・・・。

    田舎の大型商業施設で働いてるもので。
    最初から最後までQ&Aで構成されている。電車の中でノンストップで読んでしまった。
    繰り返される質問と答えの中で少しずつ事件の形が見えてくる・・・・のを期待してたけどそうでもなかった。皆の証言が食い違う。いた場所によって見たもの、感じたものが違う。ただ皆に共通しているのは「何があったのかわからない」これだけの被害者が出た原因は、最後まで読んでも明かされなかった。
    「集団ヒステリー?」「異臭?」「火事?」「不審者?」「唯一の生き残りはぬいぐるみを引きずって歩いてた少女?」心ひかれるキーワードが出てくるが、煽られて煽られて・・・・明かされないんかい!
    これを上巻(下巻)にして、商業施設でその時何が起こっていたのか完全に描いた下巻(上巻)でもありようものならまた読みふけるのに。
    面白い、確かにこれだけを読んでても心がザワザワするし、未解決事件として繰り返し考察されるんだろうと。でもやっぱり・・・・「何があったの!」

    これが発売されたのが2004年。
    今、これを読むとどうしても京アニ火災事件を思わずにいられない。出口に殺到した人々が重なり合い亡くなっている姿(この本では圧死)、錯綜する情報、助けに入った人たちに残るトラウマ・・・・。

    これからああいう事件が増えるのかもしれない。
    「不条理な、理由のない、大量死」
    って言葉にゾッとした。京アニの事件は犯人にとっては理由があったけど。被害にあった方々に、それを被る理由はなかった。

  • 以前に読んだことがあったような?
    気がしたけれど、まったく記憶になかった。

    「集団心理」をテーマにした、ミステリー、あるいはホラー。

    【Q】問う人と【A】答える人で進行するのは面白いが、伏線と思える証言がいくつかあってもほとんど繋がらずに結末を迎え、「それで…?」だ。
    本当はもっと長くなる話だったのだろうか?

    こういった事件があると、こういったことを考える人達がいるんですよ、というのをとりとめなく書いたような感じだ。

    素晴らしい評価のプロの書評を見かけたが、結末があれでは、私に訴えるものはない。


    以下、【Q】と【A】のまとめ(ネタバレ含む)

    1.【Q】質問者
     【A】笠原久芳(38)東都日報社会部記者、警視庁担当サツ回り
     Mには姉夫婦が行っていたかもしれない、スクープをとるため自転車でMに駆け付けた

    2.【Q】質問者
     【A】外岡淑子(41)都内の商社事務
     Mには買い出しに行った、セミを喰らう紳士の夢を見る、異様な雰囲気の老夫婦を目撃した

    3.【Q】質問者
     【A】内田修造(71)年金生活(元精密機器メーカー技術者)
     Mには孫と使う工具を購入しに行った、死(恐怖)の臭いがした、何かを撒いた若い男を目撃した

    4.【Q】質問者
     【A】麻生沙耶香(小6)
     Mにはソフトボールのチームでランチに行っていた
    、男はみんな変態

    5.【Q】質問者
     【A】田中徹也(39)弁護士
     Mの顧問弁護士をしていた、監視カメラの映像を通しで確認した、視線の先が気になる、元妻が犠牲になった

    6.【Q】Aの友人
     【A】脚本家兼放送作家(40代?)
     Mのそばのアパートで執筆をしていた、ここだけ電波が入らない、蟻の話、白い家の夢を見る

    7.【Q】Aの詐欺被害者の娘の友人(ジャーナリスト?女性)
     【A】連絡会に住居を提供している女性
     Mで義母を亡くし娘は奇跡の生還をした、投資詐欺?、寺を買い取り娘を代表にする

    8.【Q】カウンセラー?
     【A】消防士の男性
     Mには消防士として行った、妻と子供3人がいる

    9.【Q】元コピーライター
     【A】旅行サークルの大学生
     Mは間もなく取り壊し

    10.【Q】?
      【A】公務員(PTSDの聞き取り調査をしていた)、現タクシー運転手
     Mは取り壊し中

    11.【Q】ライターを借りた女性(多分2の女性)
      【A】ライターを貸した男性(10のタクシー運転手の友人)
     Mの事件から二年近く後、新しいモールのオープン日

    12.【Q】未来の少女
      【A】奇跡の少女
     Mの事件から数年後

  • あの事故に関係した人たちのその時の心理、心の闇。
    その場にいた被害者だけではなく少しかかわっただけでも心に受ける傷。
    タクシー運転手の話は怖かった。なぜ事故が起きたのか。
    Q&Aのみで物語が進行するのも面白かった。

  • 結局Qばかり積もって明確なAは得られないけど、じわじわっと迫る不安感と恐怖は確かにあって霊的でもないのになんとなく自分の背後が心配になる小説。

  • 《蜜蜂と遠雷を読んで著者のミステリーを読んで見たくて》何だろう?読み終わってもスッキリしない。多分これが登場人物達の気持ちだろう。実際にこのような事故が起きても全く不思議ではなく、逆に起きていない方が不思議だ。インタビュー形式で一つの事件を見ていくが途中にその事故を発端としたいくつかの事件にもぶち当たる。登場人物の交差も文句なしに上手いが、読了後はスッキリしない。面白いとも思うしサラっと読めるの良いが、もう少し濃密であって欲しい。何か中途半端でツボを外しての指圧後のような感覚。期待し過ぎだったのだろうか…

  •  対話のみで構成されているのでとても読みやすかった。藪の中方式のミステリーで、明確な答えはなかった。普段行くイオンやアピタでこんな事件があったらと思いをめぐらすと、大都市ではないのでそこまでのパニックは無さそうだ。でも子供が儀背になるのはとても困る。

  • 得体の知れない恐怖って感じだった
    ホラーじゃないのに夜一人で読んでるとゾワゾワして怖かった〜
    でも面白くて読むの止められなかった
    70代男性のインタビューで「その日は空気が憎しみに満ちてた」とかなんとか言う台詞があってそこでなんとなくなるほど。となったのが一番印象的だった
    現実に起こりそうな事だし実際に自分の知らないところで現実に起こってそうで、リアリティがあってすごく怖かったのかもしれない
    読み終わった後、大型スーパーでエスカレーターに乗るとき集団パニックの場面を想像したりするようになった
    最初あらすじを読んだ時Q&A形式で物語が進んでくって書いてあって、なんだそれ普通に書いてくれよと思いつつ読み始めたけど、こんなに面白いとは!

  • 2016/06/30久しぶりに再読。

    最初読んだ時、
    怖い怖い!なんて怖い本を読んでしまったのか!
    と思った。

    何回読んでもやっぱり怖い。
    事件そのものも、
    人というのは、思いもよらない面を持ち合わせているものだと思わせるところも。

    ここで質問してる人がここで答えているとか、
    そういう解説も読んでみたくはある。

  • 話が進むにしたがって、この方向性はどうなんだろうかと、クエッションを持ちながら読み進んだ。作者もどう収束させようか悩んだのではないだろうか。

    村上春樹の「アンダーグランド」が下敷きになっているのだろうが、ノンフィクション仕立てにした恩田睦の狙いが当たっているかどうかは微妙だろう。

    ただそれなりに面白く一気読みでした。

  • あるショッピングモール的な商業施設で死者69名、負傷者116名を出す大惨事が起こったのですが、事故の原因が特定できず、なぜこんな悲劇が起こったのかがわからないという謎の始まり方をします。
    そして、この物語の特徴は、すべて誰かと誰かの質疑応答?問いかけとその答えという形ですすんでいくところです。
    事故にいろんな形で関わった人物のQ&Aを読んでいくにつれ、徐々にあの日何があったかの形がぼんやりと見えてくるのですが、なかなか核心には辿り着かず、そのもどかしさがたまらなく緊迫とドキドキをもたらして、どんどん引き込まれて読んでいきました、途中までは。
    本当に、途中までは、これはすごい本に出会えたなと思いました。
    ただ、後半部分、なんだかちょっと消化不良気味になってしまって、まぁそれでもなかなか面白かったし、ゾっとすること、衝撃を受けることなどあって楽しめたんですが、あと一歩という感じでした。
    とは言っても、途中まであんなに夢中で読めたので十分面白かったです。

全610件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

Q&A (幻冬舎文庫)のその他の作品

Q&A Kindle版 Q&A 恩田陸

恩田陸の作品

Q&A (幻冬舎文庫)に関連する談話室の質問

Q&A (幻冬舎文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする