玄冶店の女 (幻冬舎文庫 う 4-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344409859

感想・レビュー・書評

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  • 2024/3/28
    この後を描かず終わらせる。時代ものらしい情緒ある終わり方だなぁ。
    もっと書いてよと思わせないの何だろう。
    この後どんな結果になっても全部正解だと思えるからかな。
    いい人も嫌な人もいて、嫌な人と思っててもいいとこもあったり、その逆もあったり。
    この読後感がありがたいなぁとしみじみ。

  •  宇江佐真理「玄冶店の女」、2003.5刊行、2007.8文庫、連作8話。元花魁・浦風で小間物屋「糸玉」を営むお玉29歳とお玉を取り囲む人たちとの人情ドラマ。子供たちの塾の師匠である武家・青木陽蔵26歳との恋の物語でもあります。フィナーレは感動的です!

  • 面白かった、しみじみよかった。ずっと宇江佐真理さんの世界に漂っていたいと思わせてくれる一冊。

  • 女たちの人間模様は、時に切なく、時に優しい。

  • 出だしがつまらないのは、いつものパターン。
    めかけ文化と女の友情がテーマ。
    ことばのキャッチボールで進行。

  • 宇江佐ワールド最高に好き
    今回もほろっとなったりワクワクしたりと盛りだくさん。
    お玉さんを慕って集まる人たちも個性豊かで楽しめました。

  • 江戸・日本橋に「玄冶店」とよばれる狭い通りがあった。黒板塀に囲まれた妾宅が並ぶ一角で小間物屋「糸玉」を営む元・花魁のお玉。そこには小粋だが懸命に生きている女たちが出入りしていた。

    以上、アマゾンさんの紹介文のパクリ。

    下町に暮らす女性たちの矜持みたいなもんが、読んでてヒジョーにに心地よい。

  • 謎や大きな事件などはおきない、恋愛もの。
    よかった。

  • 頃は文化・文政年間(1804~30)
    日本橋の東、新和泉町の北側と南側の間に「玄冶店」と呼ばれる狭い路地がある。
    そこで小間物屋を営むお玉がこのお話の主人公。
    元吉原の遊女で、旦那の世話になりながら細々と商売を営むお玉。
    旦那と縁が切れた後、手習い所の師範と恋仲になるも、自分はふさわしい女でないと今一歩踏み込めない。
    生き方が不器用でやさしい彼女の周囲はこれまた事情のある女ばかり。
    お玉と同じように旦那の世話を受けながら売れない役者に入れ込むお花。
    一度所帯をもちながら離縁して離れて暮らす息子がいる女中のおまさ。
    お玉になついている8つの小梅。
    小梅の三味線の師匠のお喜与。
    一町足らずの路地で、そんな女たちが織りなす物語です。

    ひっそりとたくましく生きる人々。
    今よりも単純な暮らしぶりと今の世の中にはない人情にホッとします。
    最初の方は人物描写があっさりしているので、それぞれの登場人物にそれほど思い入れを感じませんでしたが、読んでいく内に徐々にそれぞれの登場人物が見えてきました。
    このお話は夏に始まり、春に終わります。
    当時の季節に添った暮らしぶりが季節の移り変わりと共にうかがえるのもいいと思いました。
    派手な話じゃないですが、しみじみとするお話です。

  • Tさんのお勧め。

    図らずも続けて同じ作者の本を読んだが、こちらの方がしっくりきた。
    意地や、矜持、強さやしたたかさと、
    優しさ、弱さ、ずるさが、
    ひらりひらりと心の中に舞う女たち。
    男たちとの関係もそれぞれで、苦しくもあり、悲しくもあり。

    とても共感できる女性たちで、読んでいて楽しかった。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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