- Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344409897
作品紹介・あらすじ
枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される…。裁判の結末は?権力に翻弄される江崎の運命は?そしてプロジェクトの行方は?医療ミステリの傑作。
感想・レビュー・書評
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2004年に書かれたとは思えない程、現実的に今の世の中に問題を投げかける少子高齢化問題。15年経っても何も変わらない。でも、命の問題はどうにもならない。。
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医療ミス裁判、大学病院でのポジション争いとそれにまつわる保身、厚労省が水面下で進める人口調整のための高齢者のぽっくり死推進、これらが絡み合い物語は進む。本筋は大学病院の隠蔽体質を突く医療ミス裁判のようだが、一方で超高齢化社会をどう乗り切るのかを突きつけてくる。
ハッピーエンドではないのだが、それゆえに読者に対してこの国の医療制度や先行きに疑問を投げかけているのが印象に残る。 -
長かった…予想以上の文字数です。
そして何よりも怖かった。
個人的には、佐久間が個性強くて好きだなあ。
高齢者社会に警鐘を鳴らしている本作は、今最も読んだほうが良い作品かと思います。
最近じゃ、介護疲れもあり殺人事件にまで発展してしまう日本。
だからこそ、佐久間は将来の自分の為にも安楽死を認める施設に躍起となっていたが、快適な死はどこにもない。
ポックリ死を実現したかった佐久間が、結構愛おしいキャラクターでもあります。
キーマンじゃないかなあ、佐久間みたいな人は。 -
白い巨塔をテレビで見てから思わず読んでしまった。
スピーディな展開、ドラマ化にはぴったり。
少し現実味がないかな。
でも、ハラハラドキドキ面白い、イッキ読み。 -
3月-5。3.0点。
下巻。厚労省エリートの画策、主人公の麻酔科医にも誘いの手が。
主人公のキャラクターが薄かったかな。イマイチ感情移入できず。 -
安楽死合法化は理想的だと思ってしまった。
佐山さん焦らずプロジェクト進めればよかったのに…
佐山さんは悪者じゃない
でも優生学的な世界になるのも怖いもんな〜 -
枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される…。裁判の結末は?権力に翻弄される江崎の運命は?そしてプロジェクトの行方は?
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まあ、面白かったけど。最後がえらく杜撰な印象。すっきりするようなしないような・・・
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他作と同様,本書のカタストロフィは,医学に裏打ちされた現状の問題定義に対して,良きにつけ悪しきにつけ様々な解決策を講じるも,いずれも却下され,落としどころが見つからずに路頭を迷わされる結末に収斂する点にある.初めから救いなどない世界なのかも知れない.また,フィクションをフィクションとして読了できない恐ろしさにカタルシスを感じる.