半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 3248
レビュー : 279
  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410008

作品紹介・あらすじ

二〇一一年春、九人の北朝鮮の武装コマンドが、開幕ゲーム中の福岡ドームを占拠した。さらに二時間後に、約五百名の特殊部隊が来襲し、市中心部を制圧。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。慌てる日本政府を尻目に、福岡に潜伏する若者たちが動き出す。国際的孤立を深める日本に起こった奇蹟!話題をさらったベストセラー、ついに文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 2回目読了。
    やはりすごく面白い。
    北朝鮮の特殊部隊の過酷な訓練や、残酷な拷問の話を読んで、ものごとの考え方や価値観が全然違うんだなぁと感じた。
    そして、少なくとも自分は恵まれた環境で生きているなと思った。
    もっとちゃんと生きていかねばと思った。
    日本の犯罪者のグループがどう対抗していくのか、
    あまり記憶にないので下巻も楽しみ。

  • ちょっと長くて読みづらかったけど、何とか読了。他の方も感想で書かれているけれど、この作品は妙にリアリティがある。本文の内容まではいかなくても、これってひょっとして近い将来、あり得るんじゃ?!なんて事がチラホラと出てくる(これ読んでる最中も、ミサイルが発射された。と大騒ぎになったし)

    そして、この国の上の人間のやる事と対応等々に関しては、あー!そうそう。いつもそんな感じだ。質問の答えにならないやつでしょ?みたいに、すごく共感した辺りは著者の描写が素晴らしい=観察眼が鋭いと感じた。しれっと皮肉ってるところも、なかなか良かった。

  • 後半が気になるんだけど、イシハラ軍団、なぜか共感しちゃうんだよね。そんな犯罪犯さないけど。

  • 村上龍さんの本は、読むときにいつも覚悟をします。それは、書かれている世界観に身をキチンと置くこと。そうでないと、こっちが読んでいて置いて行かれる気分になります。

    本書は近い未来の日本の話なので、あっさり身を置けます。そして読み進めるうちに、この国の現状と重ねて考え、「この国は大丈夫だろうか」という不安を覚えます。

    上巻を頑張って読んで、
    途中進みづらいかもしれないけど、
    是非怒涛の下巻(ラスト)へ進んでください!

  • 2016/02/13
    ちょうど先日某国がミサイル発射実験を行い、それについて様々意見がテレビなどで飛び交う中上巻読了。
    近い将来同じようなことが起こっても不思議ではないほど設定がリアル。

  • これはすごい小説だ。発想、スケール、リアリティ、すべてが壮大。これぞ村上龍なクドクドした描写を必死に乗り越えていった先にものすごい世界が目の前にひらける。
    膨大な数の登場人物が出てきて、しかも全員主人公並みの重要性があり、このクドクド描写のおかげで、ひとりひとりを立体的にとらえられて自分の中でしっかりイメージしながら読み進めていった先に、言葉にならないすごい世界が広がっていた!
    自分の脳内にハリウッド映画ばりのスケールのイメージが広がる面白さを久しぶりに体験できました。
    でもチョットこわかったから☆4つ・・・。

  • 北朝鮮の特殊部隊が福岡を占領するという小説である。この本が書かれたのが2005年、舞台は2011年。わずか9人の先鋭部隊が最初に福岡ドームを制圧することから始まるが、まともな対応ができない日本政府はまさに今の状況と重なるのか。まったくの空想とも言えない時代に今なってきている中でリアリティをどこまで感じればよいのかわからない恐ろしさがある。

  • 日本の平和ボケを思い知らされる作品である。上巻はそこまで入れ込まないが、下巻は本当に話にのって読めて面白い。傑作だと思う。
    あまり本を他人に貸すなんていうことはしないが、これは友人にすすめて、貸した。返ってくる気配がないので自分用に買おうかとも思う。

    登場人物がとにかく多いが、一人ひとり個性的で、あまり混乱することはない。
    これを読んでから『昭和歌謡大全集』を読んだのだが、衝撃的だったのは、この話の舞台の日本は調布市をイシハラ・ノブエに爆破されたことのある日本だったということだ。

  • 古本で購入。上下巻。

    「反乱軍」として祖国北朝鮮を出た9人のコマンドによる福岡ドーム占拠。
    数百人の後続部隊が飛来し、高麗遠征軍を名乗った北朝鮮軍が日本政府によって封鎖された福岡の統治を開始する。
    無為無策の日本政府が右顧左眄する中、12万人の北朝鮮軍が福岡へ向けて出港する―

    経済的な凋落と国際社会における孤立により、一等国から滑り落ちた「近未来」の日本。
    軍部の対外強硬派を反乱軍に仕立て上げて日本へ派遣、成功すればよし、失敗しても強硬派の消滅でアメリカなどと対話できると目論む北朝鮮の狡猾。
    膨大な情報で構築された情勢がリアルに描写されている。
    周辺国が静観する中で「暗黙の了解の内に日本は嵌められたのでは」と政府関係者が訝るあたり、大友克洋『気分はもう戦争』を彷彿とさせたな。

    この作品は、言わばリアルさに裏打ちされたエンターテインメント小説。
    どこかカリスマ的な奇矯な老人イシハラの下に集まった、殺人・放火などの重罪を犯した青少年らが高麗遠征軍の打倒に動き出すという筋書は、極端な話ラノベ。ちょっとご都合主義的な部分もある。

    「他者」「世間」との致命的なまでのズレを抱える彼らを主題に描くための題材として、北朝鮮コマンドの福岡占拠っていうのがある感じ。
    あとがきにあるように、小泉元首相の訪朝より以前から構想していた内容のようだし、何かしらの警鐘を目的にした作品ではおそらくない。

    何だか文句言ってる感じになったけど、小説としてものすごくおもしろい。特に下巻は一気読みをオススメしたい。
    福岡市中心部辺りの地理を頭に入れて読んだらもっとおもしろかったかも。
    これが初村上龍だったわけだが、他も読んでみたくなったな。

  • 偶然だが、小説内で設定の今年2011年3月、4月。
    現実の2011年3月には未曾有の震災があり、
    4月頃には、まだ混乱の只中だった。

    経済の破綻という意味では、
    アメリカ経済が崩壊していく
    イコール
    日本経済が破綻していく
    ことをリアルタイムで見ていると、
    決して空想では終わらないのではないかと、
    考えさせられる。

    危機的な状況で優先順位を決めること、
    命を懸けて生きること、
    冷静に距離を持って出来事を眺めること。
    生き抜くための手段が、
    凄まじい情報量の中に、
    埋もれることなく確固として描かれている。

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プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

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