上と外〈上〉 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 2571
感想 : 186
  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410190

作品紹介・あらすじ

両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練は妹・千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離ればなれに!?疲労困憊でさまよう二人の身に、異変が…。息もつかせぬ面白さの新装版上巻。

感想・レビュー・書評

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  • これは、素直に面白いです。まだ上巻を読み終えただけなので100%言い切れるものではないですが、とってもストレートなストーリー。直近で読んだのが理瀬シリーズや常野物語だったこともあって、こんなにストレートな作品も恩田さんなんだとビックリです。

    ただ、そうは言っても恩田さんです。作品途中までの時間軸を混ぜこぜにしたような展開はまるで時と踊っているかのようです。そして、一気に作品世界に我々を引き込んだ後は、エンタメ・アドベンチャーの世界がスピード感を持って展開しはじめました。ところどころ少々都合が良すぎるように感じられる部分もありますが、なんと言ってもこれは小説ですから、それも含めて楽しめばいいんです。

    それよりも登場人物の複雑な親子関係を背景に恩田さんの親と子に対する見方が垣間見える部分がそこかしこに出てくるところがとても興味深いです。
    一番印象に残ったのは「親は概ね子供を信用しているが、最後のところで信じていない。子供は普段の生活の細々としたところでは親のことを信用していないけれど、最後のところでは信じている。そのボタンの掛け違いが、お互いに不信感を生んでいることになかなか気付かない。」という父親の自問自答の箇所です。確かにそういう部分があるのかもしれない。だから、追い詰められた親が、また一方で最後のところで親に裏切られた子が、相手を殺めるような悲惨な事件がこの世から後を絶たないのかもしれない。親と子についてこういう見方もあるんだ、できるんだ、と。まさかこの本からこんなことを考えることになるとは思わなかったです。

    こうなってくると下巻もとても楽しみです。この期待がどうか裏切られませんようにと、マヤの神々にお祈りして続きを読みたいと思います。

  • 2000年に文庫6冊で書き下ろしされた作品を2007年上下巻にまとめた新装版。
    子どもの視点で書かれているので、子どもにも読みやすいでしょう。
    祖父と暮らす中学2年の練と、母と暮らす小学6年の妹・千華子。
    両親が離婚した後も、一家4人で年に一度は集まっていた。
    この夏休みも中米G国で発掘調査をしている考古学者の父・賢のもとへ。
    異様な緊張がただよっていたのは、母が恋人との再婚を決めていたから。
    しかし、クーデターに巻き込まれて事態は急転、子ども達はジャングルに放り出されてしまう?

  • 私の年齢ではこういうのをゲーム感覚というのかな、ということになる。
    変化に富んで、急展開でジェットコースタに乗っているごとく面白かったということ。

    あらすじは、夏休み、離婚した夫婦とその子供の兄妹がマヤ文明の遺跡のある土地で再会する。
    さて、無事に観光を終えて帰る前日、その国にクーデターが勃発、ジャングルをヘリコプターで飛んでいるうちに事故にも合い父親、母親と兄妹が離れ離れになってしまう。
    放り出された秘境のジャングル。
    果たして再会できるのか。生き残れるのか、冒険と、ゲームがが始まる。

    マヤ文明聞いたことはあるけれどよく知らないな(恥だが)と思わず世界史年表と地図帳を出して確かめた。あった、メキシコのそば、ユカタン半島、ティカル、王のピラミッド。G国らしき国。そのシティ。

    私の友人にそういういわゆる秘境が好きで選んで旅行している人がいるが、なにを好き好んででいく必要があるのか思う私。中国の桂林しか行ったことがない。桂林が秘境ならだが…。(川下りの船上はトイレの凄さとか食事に生臭さに辟易としたので、そうだったのだと思うのだが)

    そんな貧弱な経験に照らしていうのだが、そんなところ厭だなーと思う、さよう、主人公の兄妹「レン」(15歳)「チカ」(12歳)の二人も絶えず東京の、文明の便利さを懐かしんで慨嘆しては余儀なく冒険している。しかーし、様々な試練に立ち向かい兄妹は強くなっていくのだろうか?というところが物語り。

    ところどころ、恩田さんらしい書き込みがはいる、「じいちゃん」の人生哲学。
    その地の文が「恩田ワールド」と私は思う。

    自分のことにかまけている大人。大人って者は目配りが出来てこそ大人なんだよ。どうしようもない情けない父親のいつわらない姿。自分勝手なタイプの母千鶴子。悔いて行いを改めて変わっていけば普通なのだが、どっこい。(あれ、ネタバレでないよね)

    単行本の緑色っぽい表紙と中表紙の見開きのイラストがいい。読み進むとヒントになるから面白い。

  • 中学生の兄妹が考古学者の父のいる中米に渡米
    密林、遺跡、軍事政権の国でクーデターに巻き込まれる
    避難中のヘリから落下して、密林を彷徨う二人

    息もつかせぬ面白さ

  • 両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練は妹・千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離ればなれに!?疲労困憊でさまよう二人の身に、異変が…。息もつかせぬ面白さの新装版上巻。

  • 恩田陸さんの本は常野シリーズ以来。一年ぶりぐらいに読んだと思う。ある方の書評ブログで高い評価を受けているのをみて、久しぶりに読みたいと思い、本書を手にとった。ドミノ、真夜中のピクニック、そして常野シリーズを読んで思ったが、この人は扱うジャンルが実に幅広い。ドタバタ痛快劇だったり、どこか切ない青春小説だったり、はたまたSFの要素を持ったミステリー小説だったり、読むたびに「こんな本も書いてるんだ」と驚かされる。そして、「今回はどんなジャンルの内容なのだろう」と思って読み進めたが、上巻を読みきってなお分からない。今後、どういった展開になるかも読めない。題名からして「どんなテーマを扱うのかさっぱり分からん…」とか思いながら読み始めたが、その疑問はそのまま残って、下巻に持ち越された。それでもあっという間に読みきってしまうぐらい面白いのだから凄い。人物設定とその人物の心理描写がとても丁寧で綺麗なので、結構なページ数だったけど、全く苦にならなかった。そのために、展開が読めないことがこの本の面白さの1つにもなっている気がする。下巻もあっという間に読んでしまいそう。早く結末を知りたい。。

  • とにかく長い。マヤ文明の奥地でこんな事件に巻き込まれるとは。まどろこしい家族構成も下巻への布石であることを願う。頑張って読んでよかったという感想を期待して上巻読了。

  • 一体何の話なんだ!と思いながらも、G国のジャングル、首都、そして日本で同時進行する緊迫感のあるストーリーはさすが。
    清く正しく力強い少年による青春物語は恩田陸先生の得意技ですね。

  • 恩田陸さんの子供が主人公っていいですね。

  • 恩田陸には珍しい冒険サバイバルもの。南米のジャングルで彷徨う練と千華子兄弟の心理描写や、熱帯の空気感の表現がすごくて、2人と一緒に自分も冒険しているような気になる。

    出だしが、やや捉えどころがなくて、あまり進まなかったけれど、そこを過ぎたら一気に下巻まで読み終わってしまった。

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著者プロフィール

1964年生まれ。92年『六番目の小夜子』で92年デビュー。『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、『ユージニア』で日本推理作家協会賞、『中庭の出来事』で山本周五郎賞、『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞。その他『ドミノin上海』『スキマワラシ』『灰の劇場』『薔薇のなかの蛇』など著書多数。

「2021年 『SF読書会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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