- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344410367
感想・レビュー・書評
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心霊現象(なのかはまだわからないけど)が絡んだものはあまり好みでは無いのですがこれは非常に面白いです。
早く下巻が読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もう少し、3人のおもしろ軽やかトークを期待してたんだが・・・
ま、上巻だしね。
天狗だからってキツネにつままれたような結末じゃなくて
10ヘえ(古い)ぐらい納得いく終わり方がいいなあ。 -
ホラーかつミステリ。
独特な雰囲気が作中にあって読んでいてもその空気感にまとわりつかれるような何とも言えない空気感を頭の中で感じました。
面白かったです。 -
20240211
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怪奇小説、ホラー小説のように見えながら、実は本格的なミステリー小説でもあり、その不思議な雰囲気は「Another」にも似ている。読み進めやすい小説で、特徴的なキャラクターたちはライトノベルにも出てきそうな雰囲気でもあるが、でも展開は本格的。最後まで読んでもつまらない落ちでおわってしまうようなことはなかった。この続編ならまた読んでみたい。
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個人的・夏のホラー月間の一環。今年はこれで最後かな、とか思いつつ。さすがの不気味な序盤で、一気に物語の謎に引き寄せられる。排他的な雰囲気の強い、山間の集落における怪事件って、本能的に惹かれる部分があるんでしょうな。妖怪・手の目を思わせるタイトルといい、いやが上でも京極堂とか刀城とかのシリーズを思い起こさせる。どんな決着を見るのかの後半が楽しみ。
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※下巻にて記します。
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ホラーよりのミステリー?
おもしろかった!
情景が思い浮かぶような描写が生々しい。 -
「道尾秀介」のホラーサスペンス長篇『背の眼』を読みました。
初めての「道尾秀介」… ここのところ、短篇やエッセイを読んでいたので、久しぶりに長篇が読みたくなったんですよね。
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「レエ、オグロアラダ、ロゴ…」ホラー作家の「道尾」が、旅先の白峠村の河原で耳にした無気味な声。
その言葉の真の意味に気づいた「道尾」は東京に逃げ戻り、「霊現象探求所」を構える友人「真備」のもとを訪れた。
そこで見たのは、被写体の背中に二つの眼が写る4枚の心霊写真だった。
しかも、すべてが白峠村周辺で撮影され、後に彼らは全員が自殺しているという。
「道尾」は真相を求めて、「真備」と助手の「北見」とともに再び白峠村に向かうが…。
未解決の児童連続失踪事件。
自殺者の背中に現れた眼。
白峠村に伝わる「天狗伝説」。
血塗られた過去に根差した、悲愴な事件の真実とは?
第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
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小説家を目指し、「10年経っても芽が出なかったら諦めよう」と決めていた「道尾秀介」が、10年目に書き上げた初めての長編作品で、2004年の第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、「道尾秀介」のデビュー作となった作品とのこと。
上下巻で700ページ近い長篇でしたが、なかなかテンポが良く、一気に読んでしまいました。
オカルトやホラーは苦手なので、どんな展開になるのか、不安と期待とが混ざった気持ちで読み進みましたが、、、
殺された少年の霊が登場するものの、内容はミステリー色が非常に強く、殺人についても超常現象ではなくキチンと動機や手段が合理的に解明されるので、ミステリー作品として十分に愉しめる内容でしたね。
東海道五十三次が、物語の中で重要な小道具として使われているのは、面白い仕掛けでしたね。
真相を探る三人組… 売れないホラー作家の「道尾」、その友人で「霊現象探求所」を経営する「真備」、そしてその助手の「北見」の三人のやりとりが、和める雰囲気なのも、オカルト的要素やホラーの雰囲気を和らげている感じがします。
殺害方法や自殺のシーンは、ややグロテスクでしたが許容範囲内かな。
この三人が活躍する物語は「真備シリーズ」として、何作か発表されているみたいなので、機会があれば読んでみたいですね。
本作は以下の九章の構成になっています。
■第一章 オグロアラダ
■第二章 背の眼
■第三章 白
■第四章 ゴビラサ
■第五章 ハーモニカ
■第六章 天狗
■第七章 糸
■第八章 道は異族の首を……
■終章 面
物語の根底にあるのは、家族や肉親を喪い、残された者の哀しさや、理不尽に命を奪われたことに対する憎しみですね。
自分が「歌川春芳」の立場だったら、「糠沢長次」の立場だったら、「呂坂幹男」の立場だったら、、、
それぞれ、どのように考え、どのように行動したんだろうか… 色々と考えさせられる作品でもありました。
三人が「溝之木亮平」と別れるラストシーンは、ちょっと心温まる別れになりましたね、、、
「真備」の近くには、彼が会いたいと願っている亡妻「玲」が、ずっと見守ってくれているようです。
こんな霊なら歓迎なんですけどね。
備忘用に主な登場人物を記しておきます。
真備 庄介(まきび しょうすけ)
心霊現象を探求しており、町田市で真備霊現象探求所を構える。
鋭角的な顎と鼻、少し長めの髪、すらりとした長身で、日本人離れした風貌。
道尾は大学時代の友人。怪奇現象の解明が趣味で、趣味が高じてその筋では割と有名な研究者となった。
その端正な容姿から女性ファンが多い。
23歳の時に幼なじみと結婚したが、27歳の時に轢き逃げ事故で亡くなり、もう一度彼女に会いたいという気持ちから、5年前に霊現象探求所を開いた。
だが霊の存在はまだ信じておらず、その存在をはっきり確信できたら“探求所”を“研究所”に変える予定である。
道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
32歳。売れないホラー作家。
東京都内在住、出身は三重県。
他人と打ち解けるのが苦手。
シャーロック・ホームズなど探偵小説が好き。
作家が自分と同じ名前を用いる手法を全く知らずに、偶然作者と同性・同年代であったことから作られたキャラクター。
受賞後に担当編集者から有栖川有栖や法月綸太郎の存在を初めて知らされた。
北見 凜(きたみ りん)
真備の事務所でアルバイトで助手をやっている。
真備の妻・玲は7歳年上の姉で、真備とは小さい頃からの知り合い。
霊能力があり、人が考えていることや過去のことまで分かってしまうが、自分のこの力を嫌っており、なるべく使わないようにしている。
歌川 春芳(うたがわ はるよし)
白峠村で民宿「あきよし荘」を営む男性。
従業員はおらず、全て一人で切り盛りしている。
宿泊客の部屋に、彼らの出身地に合わせて東海道五十三次の浮世絵を飾るサービスをしている。
脱サラして宿を居抜きで買い、生まれつき耳が聞こえない妻・秋子と共に旅館を始めたが、村へ来て1年経たない内に妻が入院し、間もなく骨腫瘍で亡くなった。
呂坂 幹男(ろさか みきお)
愛染町(白峠村の隣町)の住人。
無職で昼間から酒を飲む自堕落な生活を送っているのに、痴呆の症状があった母に辛辣な言葉を浴びせ、彼女が鬱から手首を切って自殺してしまったことに自責の念を抱き続ける。
母の死から2年経ってから、母が罪を告白する遺書を見つけ、自身も自殺する。
糠沢 耕一(ぬかざわ こういち)
神隠し事件の最初の失踪者。
8歳。
天狗祭りの夜に姿を消し、翌日、頭部だけが発見される。
生まれて間もなく両親を亡くし、祖父と二人暮らしだった。
糠沢 長次(ぬかざわ ちょうじ)
耕一の祖父。
本業は林業だが、天狗祭りの時期が近付くと、面打ち師として木彫りの天狗の面を多く作っていた。
耕一の死後は面打ちから身を退いた。
溝之木 亮平(みぞのぎ りょうへい)
小学生。
呂坂幹男の遺体の本当の第一発見者。
霊を見る力があり、遺体発見時に幹男の背中に『眼』を見てしまった。
クラスでいじめに遭い、不登校気味だった。
溝之木 まさ江(みぞのぎ まさえ)
亮平の母親。
愛染町の住人。
母子家庭。
夫が遺した不動産「溝之木荘」のささやかな家賃収入で生活を送る主婦。
非常に過保護。